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ステロイドは怖い薬

花粉症やアトピー性皮膚炎の患者さんがステロイドと聞くだけで「それやめてください」とおっしゃいます。鼻噴霧ステロイドと注射や内服のステロイドは全く異なります。昨日も「先生の薬よく効くわ」「友達に話したらステロイドでも入ってるん違うん、先生に効いてみ」と「友達に言われンたやけど」と女性の患者さんから言われたのでワンシーズンに一・二回うったらよく効く薬のほうがこわいですという内容の話をしました。気管支喘息に対し吸入ステロイドは広くもちいられています。吸入ステロイド治療が普及するまでには多くの呼吸器内科医が努力しそれまでの気管支拡張療法から抗炎症治療へと変化させました。テオドールとメプチン吸入とか気管支拡張療法のみからICSつまり吸入ステロイド療法の時代と変わりました。そして目標が喘息死3000人と言われたのがいまや喘息死1000人から0までという時代を迎えました。更には救急受診者数、入院患者数も大幅に減少しています。吸入・点鼻・点眼などのステロイド療法はステロイドの薬の量としてはわずかです。然し局所の炎症を抑える力はかなりの力を有しています。兵庫喘息死ゼロ作戦講演会を聞きに三宮の兵庫県医師会館へ行きました。最近の流れでは高齢者が気管支喘息で死亡している。しかし、COPD合併例が多く正確なところは把握しにくいのも事実です。姫路の急病センターでも高齢者の喘息発作での受診者は少ないそうです。高齢者は救急車で病院へ搬送されているのか家で辛抱しかかりつけ医へ翌日受診されているのか。死亡診断書でも直接の死因は心不全や呼吸不全と書かないようになっています。ステロイドの全身投与は怖い。