にきびでお越しの患者さんに十全大補湯を処方してほしいといわれたことがある。大したにきびには見えないが美人にはとてもきになることだ。十全大補湯と人参養栄湯と帰脾湯と大防風湯は親戚に近い処方である。共通点は四物島湯と四君子湯が骨格になった気血両虚の処方であるという点である。下半身のことなら牛膝と杜仲が入っている大防風湯、不眠に絡んだ場合帰脾湯、お血もあれば加味帰脾湯、肺に関係するなら人参養栄湯というイメージです。なかなか仕事が忙しく一流企業で働いておられる女性には気血両虚は確かに多いはずだ。しかし、にきびには加味帰脾湯の方がよいと思ってしまう。しかし、薬局で漢方薬を買うと高い。診察代を払ってもクリニックへ来た方が安いのは間違えない。次回は患者さんのおっしゃる十全大補湯を出してみるとしよう。