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漢方薬の炙

炙ってお分かりですか?炙甘草湯という漢方エキス製剤がありますよ。炙とは鍋ではちみつやお酒と一緒に炒めるて混ぜ合わせることです。例えば酒と混ぜると酒炙といいます。はちみつと混ぜるのを蜜炙といいます。ショウガの汁なら生姜炙といいます。八味地黄丸の地黄を避けやはちみつでいるというのは時々話に聞きます。生地黄をはちみつや酒で炒りますそして薬物にその液を浸透させます。当帰芍薬散の当帰や八味地黄丸の地黄で胃腸障害は結構おこりますよ。当帰芍薬散は胃腸が強くないと飲めません。八味地黄丸は若いときはバリバリがんばっていた方で下半身の衰えが目立つ男の人つまり腎虚に用いる処方と考えています。若い時から胃腸虚弱の人にはむしろ真武湯くらいで探りを入れる。附子が入っているのでジンへの配慮はあります。腎だけではなく脾への配慮をするべきだと考えています。腎虚の証は日本の漢方エキス製剤には不足しています。炒めて修治する醍醐味はエキス製剤では味わえません。せんじ薬を処方できた10年前が懐かしい。今は中国の物価が上がり薬価が下がりせんじ薬を保険で用いるのは無理です。