抑肝散は認知症の漢方として脚光を浴びている。ただし保険適応の抑肝散は2社のみである。他のメーカーは抑肝散陳皮半夏である。漢方薬には生薬の薬味が多い方が作用がマイルドとの法則がある。一方、陳皮半夏は燥である。認知症は高齢者の病気である、高齢者は体がつまり素体が乾いている。そこで抑肝散と抑肝散陳皮半夏の使い分けに悩むわけである。陳皮・半夏を燥性を増すと考えるが陳皮・半夏を下降性のベクトルを増す二味の薬徴ととらえるとよいかもしれません。陳皮半夏は胃薬である。胃は燥を好む、脾は湿をにくむと申します。例えば鏡面舌であっても全身が燥性かどうかは分からない。どんな文献を調べても抑肝散と抑肝散陳皮半夏の使用について私はまだ納得がいかない。潤すと降りるとか温まると上がるとか言いますが必ずしもそうとは限らない。抑肝散は気と血の薬である。同じ下向きでも沢瀉・茯苓というのと陳皮・半夏では意味が異なる。沢瀉・茯苓は下焦の話です。陳皮・半夏は中焦の話です。いろいろ調べましたが抑肝散と抑肝散陳皮半夏の使い分けは分からない。