認知症の周辺症状で有名な抑肝散はもともと子供の漢方薬です、抑肝散と抑肝散陳皮半夏を切っている使い分けしている人はなかなかいない。陳皮半夏を加えることで胃腸にやさしい。薬味が多いほどやさしい処方になる。本来抑肝散は小児のけいれんに用いる薬です構成生薬を見ても熄風薬が多い。緊張が強い人、怒りがある人に良いと江戸時代には言われたそうです。熄風薬には天麻や釣藤鈎ですがその働きは過緊張をほぐす、めまい、震戦がある。そこで仙頭先生に聞いてみました。私が陳皮も半夏も燥性ですがと申しますとそう考えてもよいが内向きかつ下向きのベクトルを考えるとよいとアドバイスいただきました。六君子湯にも陳皮半夏が入っています。六君子湯は二陳湯と四君子湯を合わせたものです。網膜色素変性症の人に六君子湯を処方すると胃が荒れたと異常をただきました。理論的には脾虚の薬ですので胃があれるはずはないはずですが網膜色素変性症の方は胃腸がとても弱い。だから四君子湯で補う力が不足し二陳湯で理気し空回りしていると思う。信用を無くし患者さんはお越しにならなくなった。10年以上前の話ですが漢方薬とは副作用がないと思っていたのにと電話で連絡があった。漢方薬に副作用がないと思っている人がいまだいるのだと再認識した。