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眼圧30mmHgのこどもさん

眼圧の正常値は21mmHg未満です。しかし、ヨーロッパで決められた値ですので日本人に合ってるかどうか不明です。眼圧を何度測定しても21mmHg未満の緑内障を正常眼圧緑内障と言います。日本人にとって21mmHgにどのような意義があるのか不明です。お母さんが自分のステロイド点眼液をお子さんに用いて眼圧30mmHgという話が今年もありました。ステロイド点眼液とは知っていてもステロイドのクラスや眼内移行性などははっきり言って分かりません。かゆいといわれたら自分の点眼がよく聞くからとお使いになるのが世間の標準です。小児ほど眼圧上昇は起こりやすい。軟膏でも点眼でも眼圧上昇は起こります。アトピー性皮膚炎の方でステロイドの外用薬を常用されている方は時々眼圧を測る方がよいとされています。時々、皮膚科で測るように言われたという患者さんがお越しになりますが少数派でしょう。また、まぶたのステロイド外用剤が目に吸収されると眼圧の上昇を引き起こします。ステロイド薬は説明が大変難しい。こわいと理解されると折角の処方が無駄になります。よく効くといって毎日使用すると副作用の出現率が高まる。文献検索すると10歳以下は眼圧上昇リスクがあるそうです。フルオロメソロン製剤では眼圧上昇リスクが下がりますがゼロではありません。今どきの非常に若いお母さんに納得いく説明になったでしょうか。鼻噴霧用ステロイドの方が安全と思いますがなぜか鼻噴霧用ステロイドに抵抗がある人は多いようです。