腎臓は片方を摘出してもほとんど腎機能上は問題がありません。だから子から親への生体腎移植が可能です。腎臓を六分の五摘出しても腎機能は二分の一に保たれる。大きな予備力を有する臓器です。心不全患者さんで予後を規定するのは腎機能が一番です。逆に言うと心不全の治療において、腎機能を悪化させない努力が重要です。心不全の方の生命予後を左右する因子は第一位BUN,次がSBP,そして三番目がクレアチニンです。腎臓病といえば今世紀に入りCKDつまり慢性腎臓病という概念が入ってきました。更にはGFRの測定が困難であることから血清クレアチニン値、性、年齢から換算糸球体濾過量eGFRを計算し或いはeGFR推算式を用いて腎機能の低下を判定するようになっています。15年前から維持透析の一番はDKDです。DKDとは糖尿病性の腎障害です。腎臓病といえば糸球体濾過過剰を促進しないようにタンパク質の制限と食塩の制限です。高血圧では食塩6グラム、WHOは健康人で5グラムと提言し話題となっているようです。糖尿病でもUKPDSのデータが示すようにけつとうコントロール同様に血圧管理は重要です。