腹部大動脈瘤は救急当直していると時々当たります。昨日CT上9×9センチメートルの腹部大動脈瘤に当たりました。主訴はおなかが痛い、嘔吐が続く座れないなどでした。おまけに血圧の薬を自己判断というか家族判断で服用していなかったそうです。血圧があがれば破裂しやすくなります。循環器疾患の2救急輪番病院へ紹介しました。心臓血管外科ではない循環器科の医師でしたが快く受けてくださいました。研修医のころ何度かあたりました。ご家族は心臓が二つあるようなものとの医師の説明を誤解しておられる様でした。心臓は一つです。心臓が二つあり危険という判断をした医師に対し予約をとりますという言葉に危険ではないと家族は判断したようです。日本語の危うさです。良いようにとった家族は余りにのんびりした対応なのでびっくり。4×4センチメートルでも破裂することがあります。胃透視の時の圧迫あまり行うと破裂するからやめとけと昔上司から指導されました。おなかがいたいと言われてもっとも怖い病気でした。そのあと今度は下血してます。腹痛もあるといわれました。虚血性腸炎が怖かったのでめずらしくお断りしました。老後の私の夢はへき地医療です。東京には私のような医師を内科・外科として僻地に赴任できるように教育してくれるところがあるそうです。