ヨクイニンは皮膚科で頻用されている薬です。錠剤と粉末があります、エキス散とエキス錠があります。妊婦、産婦、授乳婦に対する安全性は確立されていません。ヨクイニンといえば優しい薬のイメージがあります。ヨクイニン湯は当帰や芍薬の配合されたエキス製剤で関節痛ヨクイニンとは全く違うものです。疣贅にはウイルス性のものとウイルス感染とは関係ないものがあります。みずいぼは伝染性軟属腫ウイルスです。尋常性疣贅は子宮頸がんや尖圭コンジローマでおなじみのHPVの感染です。確かに尖圭コンジローマとイボは似ています。ところでなぜヨクイニンは妊婦に使えないのでしょうか?おそらくイボが取れるということは免疫反応で異物と認識する作用機序が関与しています。すると、胎児も異物として認識して流産リスクを高めることが考えられます。
小太郎漢方製薬にしかないユニークな処方に腸廱湯があります、この腸廱湯にもヨクイニンが入っています。瘀血と痰飲の生薬が配合された面白い処方です。病名漢方もよいが構成生薬から応用してこそ初めて漢方が面白くなります。