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漢方眼科

漢方眼科は難しい。だから漢方眼科では症例報告しかない。漢方眼科のまとまった報告はない、ダブルブラインド試験も行われていない。私に対して論文を書くようにお誘い下さるがなかなか忙しと断っている。このブログを書くのが忙しい。更に漢方薬の会社により保険適応が異なる。石決明やクコすら保険適応外です。コタロー漢方製薬の匙倶楽部もよいが混合診療という問題と黄芩がはいいているので間質性肺炎が発症した時医賠責の適応外になることが大きな壁です。眼科の処方はどちらかといえば漢方眼科独特の薬というのは少なく普通の漢方薬に引経薬を追加したりする程度です。五輪学説を参考にするのか?全身を見るか、めの状態を重視するかむずかしい。目の中に漢方薬を入れる引経薬が必要となります。漢方エキス製剤2剤の組み合わせでは難しい。網膜が10層からなるなんて想像できない時代の薬です。本当はDMEやARMDに対して抗VEGF抗体の代わりとなる薬が漢方薬であればよいのでしょうがそんなに効く漢方薬があれば怖い。硝子体に漢方薬が簡単に移行することは考えがたい。混合診療を認める流れは漢方薬の世界にははたしてプラスでしょうか、私はマイナスだと思います。漢方薬保険削除の第一歩になるのではないかと危惧いたします。漢方眼科に必要なのはEBMです、サプリメントに比べて乏しいのはEBMです。コタロー匙倶楽部でEBMができたらよいのになあ。

ムコスタ点眼液発売2周年とコンタクトレンズ

今日本で一番勢いがある製薬会社は大塚製薬であると知人のMRさんがおっしゃっていました。大塚製薬のムコスタ点眼液発売2周年の講演会つまり2月ムコスタ発売2種年の講演会は大雪で参加できない人が集まる会が行われた。その内容がすばらしい。一番関心を持ったのはコンタクトレンズをムコスタ点眼液につけるという試みです。4時間ムコスタ点眼液にコンタクトレンズをつけてどうなるかというものでした。HCLは全く問題ないそうです、ソフトの使い捨ていわゆる頻回交換レンズも許容範囲内だそうです。BAKが入っていないが懸濁液なので非常に関心を持つところです。澄明になるはずでしたがこのような講演が行われるということは澄明になるには時間がかかるのでしょうか。コソプトシンポジウムも企業の利益を超えた講演会でしたが特に以前OCTについて大いに学びなした.ムコスタ点眼液は懸濁液であるところにその良さがあるともされています。発売記念講演会で懸濁液を澄明化するといった社長のご挨拶は実現するのかまた懸濁液以上に有効な点眼液が実現できるのか、大いに期待しております。

ネスプ

赤血球造血刺激因子の新しい製剤をネスプと言います。ネスプの便利なところは使用の基準がCrの値に依存しないところです。それはCrと腎性貧血の基準が一致しないからです。ネスプが効くのは間違いない。ネスプは最初は2週間に一回、安定すれば月一回でもよいそうです。ネスプを使っている患者さんにフェジンを併用する目標は何か?と患者さんのベテラン看護師さんにお伺いしました。キーワードはMCVだそうです。MCVが100なければ積極的に治療するそうです。大学の偉い先生に聞いたから大丈夫つまりフェリチンやTIBCは関係ないということでした。どれだけ体がもっている鉄を利用しているかということです。MCVは100あれば赤血球を作っているということです。先週神戸で行われた透析学会でも腎性貧血は話題になったようです。しかし、腎性貧血の基準については不明な点が多いみたいです。鉄剤を先行投与するべきかつまり材料を供給しておくべきかという問題があります。フェリチン50ng/ml以下なら鉄剤を先行投与すべきだそうです。鉄を吸収するのには漢方薬では補脾薬が登場するところです。