記事一覧

四物湯加桃仁牛膝

四物湯加桃仁あるいは四物湯加桃仁牛膝を骨格とする処方に疎経活血湯がある。疎経活血湯は腎虚ではなく血虚の方剤です。確かに疎経活血湯は川芎茶調散と似た生薬が配合されています。だから体の上方の病気例えば眼病や耳鳴りに用いることができるそうです。そして風寒湿をさばくくすりです。桃仁も牛膝もベクトルは下向きです。だから万病回春の原文にはには下半身の薬のように書いてあるそうです。腎虚の薬ならば六味丸ベースになるはずです。四物湯だから肝血が不足している状態に応用できる可能性がある。目にもよい。牛膝は牛の膝ではありません。狂牛病とは関係ありません。牛膝には引血下降作用があります。牛車腎気丸で皆さんお判りだと思います。牛膝が入ると悪いものもよいものも動きをつけることが可能だと思います。桃仁は桃の種です。活血化瘀の働きがあります。順調作用で便が柔らかくなり血瘀が解消されます。今数人の方に疎経活血湯を眼科耳鼻咽喉科領域で処方しています。

睡眠薬の多剤併用

いよいよベルソムラが発売されました。睡眠薬の多剤併用は何が悪いから10月から診療報酬で減産されたのでしょうか?高齢者は6時間睡眠をとればよいのに途中覚醒したらすごく気になさる高齢者の方が多い。中途覚醒するからと睡眠薬を併用する。長短時間作用型と中間型、最近多く見るのはデパスとマイスリーです。折角筋弛緩作用が少ないマイスリーを使っているのにデパスで筋肉が緩むと骨折する、寝ぼけて転倒する。10月から向精神薬の3剤以上の併用に減算が適応されるようになりました。メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬は日本では向精神薬に入らない。あまり下では違うようです。睡眠薬が日本では安くて簡単に手に入る。保険がない国では抗ヒスタミン薬つまりドリエルのようなものを睡眠薬代わりに使うそうです。今のところ作用機序が違う薬の多剤併用はよいそうです。しかし、ベルソムラには臨床治験の52週にわたるデータがないみたいです。反跳性不眠を考えたら他の薬と併用ということになる。ベルソムラは一日目から有効な薬です。