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脈診

脈診は西洋医学と異なりPULSERATEを見るのではない。また不整脈を診るのでもない。細いか太いか、有力か無力か。寸関尺の場所による触れ方。ビールを飲んだ時のように滑脈か、妊娠した時のように滑脈か、ストレスいっぱいの弦脈かといった多くの情報を得ることができる。日本漢方は腹診を重視する、腹診で方剤を決める人もいる。日本漢方と異なり中医学では脈診を重視する。私は眼科なので腹診はしないことにしてます。目とおなか関係するんですかといわれたら面倒です。漢方診療では四診合算といわれて腹診・脈診・舌診が重視される。望・聞・問・切といって重視される。エコーもレントゲンもない時代に貴重な情報源であったと思う。最近健康保険では病名漢方というのも盛んです。こむら帰りに芍薬甘草湯とかいう新人類の漢方薬です。脈診はすぐに変化する要素を有している。中医師はじっくり脈を診るが保険診療ではそんなことしていたら患者さんは帰ってしまう。

冷えのぼせ

冷えのぼせの漢方薬といえばまさか人参養栄湯じゃないはねえといわれるかもしれない。人参養栄湯は冷えのぼせの漢方薬である。生薬では遠志が心腎相交心は火、腎は水に属する。遠志が上熱下寒に有効とされる。冷えのぼせが日本人女性には多い。本当の冷え性は少ない、熱の偏在である。これは間違いない。冷えるから漢方薬を処方してほしいという方は多い。冷えるからあっためるだけではうまくいかないことが多い。体の中に熱がこもる四肢末端はかえって冷えるこれを真寒仮熱とか熱厥とか呼ぶ。肝の疏泄ふりから気血が逆上し頭がのぼせてカッカする気逆の状態である。腎陰が不足する心火がかっかとなる心腎相交できなくなるこれが心腎不幸です。難しいお話ですがどれも上熱下寒の話です。冷え性にはつまり寒証には気虚・陽虚さらには血虚がある。血虚による寒証を血寒という。当帰四逆加呉茱萸生姜湯箱の血寒の薬である。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は桂枝湯の骨格を有する。桂枝で下々まで巡らせる。これまでのがしもやけの薬といわれてもそりゃ治らんのがわかります。しもやけの原因はいろいろありますから。今日は寒い、朝起きたら一面銀世界でした。

朝鮮人参と紅蔘

時代劇で登場する元気の薬朝鮮人参、お種人参、薬用ニンジン。正官庄の紅蔘まつは韓国の人参公社が作る秘薬。西洋ニンジンはカナダ産が良いみたいですがはくじんです。スーパーで売ってるのはせり科の人参で種類が違う。ツムラさんの紅蔘まつも使っているが主に正官庄の紅蔘末を使っている。八百屋でうっている野菜はせり科、漢方の人参はウコギ科。白い人参は白參、赤い人参は紅参はという。韓国の空港で販売して居るのは白參、紅蔘から皮をはがしたら白參らしい。紅参の皮とその内側にエッセンスがあるそうです。一般の紅参は中国産と4年物の信州の長野産を混ぜたものが流通しているらしい。紅参を一度作ると10年ぐらいは土を肥やすために次の苗を植えたらいけない。コーヒー豆といえば以前はブルーマウンテン。ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテン山脈でとれたものだけをブルーマウンテンと呼ぶように法律で定めている。今は節約志向で輸入が減りアジアの富裕層に愛されるようになっているようです。

保湿剤の保険診療

漢方薬、ビタミン剤そしてシップはドラッグストアでも購入できる。こういうものをOTC類似薬という。最近健康保険組合の解散が続出、受け入れ先は協会けんぽとなっている。最近話題になったのは保湿剤。どれが一番先に保険診療から外れるか。何か一つ外れたら保険診療の意味が分かるようになる。かんがえられない方がお越しになる。「この漢方薬がほしい。」それは違う、OTCで自分で買うべきものです。ビタミン剤はなかなか保険審査に通らないからほしいというう人が減った。シップは上限があるのも浸透している。保湿剤を塗ると食物アレルギーが防げる。こんな話題が当たり前になると保湿剤ほしいといわれる。保険適応は難しい。処方できないと決めておくのが一番。これください、あれくださいは保険から外れた自費の世界。子供医療で無料になると知ると予防接種すべて無料と誤解を生む。無料の裏には10割査定されることも医療者側は覚悟がいる。私たちの医師国保はほとんど掛け捨てですが高齢医師がお高い医療を要求するので...。

睡眠薬は不眠症治療薬か

睡眠薬は不眠種治療薬かと尋ねられたら眠れるようにするだけのお薬だとお答えしています、退薬兆候が辞めた後みられる症候です、ベンザリンから50年ベンゾジゼピンも非ベンゾジアゼピンも大して変わらない。うつ病も不眠症も夜間のコルチゾールの分泌がが多くなっているそうです、いよいよ昨年4月の診療報酬改定から12カ月が経過して同じ薬を同じ用法で処方していてはいけないという問題が現実になります。世の中オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラや3週間のまないと効かないロゼレムに切り替わっているかどうかの試金石になる。漢方薬で眠れるようになるのが一番良いがベンゾジアゼピンや非ベンゾジアゼピンをすでに服用中の方を漢方薬単独に変更するのは大変だ。。そう簡単にはいかない。夜にはカフェインを一切取らない、次第に部屋を暗くする。ぬるめのふろに20分以上ゆっくり入るいろいろ生活改善をするように提案するがなかなか睡眠導入剤が服用中の方には依存と耐性性からの離脱は難しい。これから3月4月睡眠薬を服用中の方にはいろいろ問題が起きそうです。

関節リウマチに漢方薬は無力

電話で問い合わせがあった、リウマチといわれたので診てほしい。以前は漢方薬を処方したが今はステップダウンで3ヶ月でよくならなければ免疫抑制剤を使うのが標準治療とされている。何でもかんでも漢方薬というのはやめたほうがいい。ぷぷぷ切れた。しかし、こういう電話はやめてほしい。リウマトレックスずいぶん関節リウマチの治療は医学が進んだ。漢方薬が出番を失った分野に関節リウマチがある。ただプラセンタの注射で手の関節の腫れが改善することは多い。ステロイドの内服は単なる痛み止めといわれ3カ月以内にMTXを処方するのが今の治療です。今日来た患者さん糖尿病でめばちこが治らないと思ったらリウマチの薬で免疫抑制しているから治らない。アレルギー学会の専門医講習会でリウマチが必ず一題講演がある。リウマチはステロイドでも関節の変形を防ぐことができない。曲がった関節は元には戻らない。ステロイドの内服もいたみどめです。

しもやけの漢方

しもやけができるから漢方薬を飲んで体質を変えたい。しもやけと冷え性はどう違うんだろう。冷え性と冷え症という言葉を使い分ける。難しい。日本人の冷え性は熱の偏在が多い。つまり上熱下寒の人が多い。本当の冷え性なら温めたら終わり、そうはいかない方が多い。熱を運ぶ仕組みの異常が多い、熱の産生は正常でも運び手は少ない場合冷えが生じる、この場合全くや表層に冷えが生じる。さらには熱を運ぶ流れを阻害する存在が問題です。湿やお血など行く手を遮るものの存在がある。気血の流れを遮るから熱を運べない。腎は熱の源ですが下半身の熱源、肝は表や末端に気を巡らせる、脾は筋肉を食べて後天的に作る。難しい。西洋医学では相手にされないのが冷え症です。したがってしもやけができても冷えるんですと訴えてもユベラで循環改善を図るくらい。しもやけの漢方治療は難しい。附子で先天の陽気を補っても補いきれない。そもそも生まれつきの陽を温めることは不可能とする考えもある。ほしたショウガつまり環境で後天の陽気を補うのも一つ。生のショウガは胃薬です。温めるにはほしたショウガが良いとされている。

まさか芍薬甘草湯ではないでしょうね

まさか芍薬甘草湯じゃないでしょうね、これはこむら返りの漢方診療では時々交わされる会話です。女性の患者さんがおっしゃいます。芍薬甘草湯はどこのメーカーでも背番号68番です。漢方エキス剤の68番のこむら返り以外の応用について。月経困難症、高プロラクチン血症、高テストステロン血症、尋常性ざそう、消化器検査前のブスコパンの変わり、破傷風、抗がん剤の副作用防止などいろいろあります。これは68番の西洋医学からみた応用です。68番には一定の割合でむくむ人がおられる。芍薬と甘草だけ。すごくシャープですがむくむからやめてとおっしゃる方もおられる。私のところにお越しの方はたいてい甘草が入ってませんかとお尋ねになります。甘草にはステロイド様の作用があります。68番だけでもいろいろな働きがあるのが漢方薬の面白いところです。