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行ってよかった大阪漢方談話会

大阪漢方談話会の中川良隆先生の講演が元気を与えてくれました。国立東静病院は漢方エキス製剤がない時代からせんじ薬を用いて漢方治療をしてきたことで有名です。三浦前東邦大学医良隆学部教授、秩父仙人といわれる大友先生、そして静岡県の三島の中川先生など多くの漢方界のリーダーを生んでいる。昨日は午後姫路市医師会館で姫路内科医会の輸入感染症の講演会とアルモニーアッシュで睡眠について勉強しました。計4時間集中し疲れた、夜中に雨がかなり降っていた、朝目覚めると雨です。東静漢方研究室を40年間にわたり発行されてきた中川先生が大阪漢方談話会でご講演になるというのでだるいなあと思いながら雨の中大阪に行きました、梅田のヨドバシカメラの前では自民党に市長候補と府知事候補が車の上から下を見下ろし大きな声で怒鳴っていた、お二人とも何を言いたいのかよくわかりませんでした。中川先生のお人柄は定期的に届く東静漢方研究室でよくわかる。今年はインフルエンザの予防接種の実施を極力抑えている、なぜなら日本東洋医学会の漢方専門医の更新が2月に控えているのに症例報告がさっぱり進んでいません。今日のご講演では10の方剤を条文の謎を解き明かす形の講演でした。まさにタイムリーです。明るい光が私の前に見えてきました。50例の簡単な報告と10例の詳細な報告が必要なのです。今日の講演の復習を今からします。

12経絡と流注時間

十に経絡の流注時間について昔から興味があるところです。ベルソムラやロゼレムが登場してさらには体内時計が見つかった。十二経絡で23時から1時は胆経で、1時から3時は肝経で丑です。3時から5時は寅の時刻で肺経、5時から7時は卯で大腸経です、7時から9時は胃経で辰です、9時から11時は巳で脾経の時間です。11時から13時は午で心経、13時から15時は未の刻で小腸経です。15時から17時は膀胱系の時間で申の時間です。17時から19時は腎経は酉の刻です。19時から21時は子の刻で胆経で21時から23時は亥の刻で三焦経です。ところで季節と六気の関係を記載した表が出てきました。真ん中には太極図が書いてあります。そのまわりには初之気から五之気、。終之気に至ります。太陽寒水、陽明燥金、少陽相火、太陰湿土、少陰君火、厥陰風木とつながっています。一つ外側には太陽寒水にすこしずれて陽明燥金、少陽相火、太陰湿土、少陰君火、厥陰風木、太陽寒水これが理解できている方は少ないと思います。これらが漢方診療に生かせるよう頑張って勉強したい。

ED治療と漢方薬

EDはEJACTION DYSFUNCTIONです。EDの治療薬を服用した患者さんがこの薬で血圧が良く下がるとおっしゃっていました。血管拡張作用があるからだと思います。暑い夏だから精のつくものを食べる、東洋医学ではねばねばヌルヌルが良いとされます、山芋・ウナギなどがあります。シアリス・バイアグラなどのED治療薬のような即効性や持続性は漢方薬では期待できません。しかし、ED治療を希望しても禁忌のお薬を使っており西洋薬のED治療薬を服用できない方が漢方薬の適応かと思います。EDは漢方薬では特に腎の領域です。男性不妊症に補中益気湯を用いるように脾も重要です。EDは五臓の中で肺以外は関係します。EDには救急医療も含まれます。漢方薬の生薬で黄精というものがある。これはユリ科の植物で補腎陰と補腎陽の両方ができる保険適応外の生薬です。つまりEDに有効な可能性を秘めています。冷え性なら薬酒もよいと思います。腎に働く生薬・方剤はほとんど保険適応外です。射精のメカニズムには系統中医学講座の仙頭理論では心・肝・腎・脾が関与するとされる。附子末で元気が出るという方がおられましたこれが腎です。補中益気湯が不妊治療で使わているようですがこれが脾です。心は方剤がありません。肝は柴胡は入っている方剤の中にあります。漢方薬の用語で不育症という言葉がある、妊娠はするが流産することです。東洋医学はDESIGNERSBABYとはかけ離れた瀬河相です。

婦人科

日本東洋医学会の専門医を更新するために症例報告をしないといけない。しかし、何回お話を伺っても新鮮な関西系統中医学講座に行ってしまう。仙頭マジックです。テーマが婦人科領域だからです。皮膚科と婦人科は系統中医学講座の各論ではuniqueなところです。12月は横浜の第二回アレルギー総合講習会に参加するため欠席です。お近くでは日本東洋医学会の関西支部例会が行われた。めったに聞けない日本医科大学の教授の免疫学の話もあって心が揺れた。台風でも受講のために東京に通ったことがあるが仕事の都合で系統中医学講座を年間にわたり皆勤したことがない。朝7時過ぎに家を出ましたが新快速は姫路ですでに補助シートまで埋まっていました。明石ではかなり込み合ったハローウインのためか三ノ宮で乗客が入れ替わった。大阪マラソンのためではなかった。私のところに1人の患者さんが見えた。挙児希望で折衝飲を遠くの都市の薬局で行かれてました。詳細にこのブログをお読みいただいていました。なぜ私のところに来られたかというとこまめに処方を変えたいとのことでした。保険適応がない折衝飲はコタロー匙クラブを使えば私でも処方できます。保険診療ですのでまずは方意を変えず当帰芍薬散と桂枝茯苓丸を処方しました。最近関西系統中医学講座で知っている医師を見ない。私は懲りずに通っています。この人が妊娠できるように頑張ろう。

サルコぺニア

超高齢化社会で寝たきり状態になる人が増える。サルコぺニアは1989年アメリカで提唱された概念です。サルコぺニアは筋肉減弱症という日本語になります。サルコは筋肉、ぺニアは減少です。サルコぺニアはロコモの前段階です。フレイルは筋肉以外も含めています。サルコぺニア(SR)は年齢に伴うそして生活習慣に伴う出来事です。活動性が減るために未満になるのも一つです。サルコぺニアはエネルギー不足とタンパク不足が大きな要因です。行く末は栄養不足で寝たきり状態に陥ります。サルコぺニアの予防食は粗食をさけて主食をたっぷりの野菜だそうです。当たり前ですが肉・さかな・乳製品・野菜をバランスよく食べることです。噛む・飲み込む際に障害がある場合は食事の形態を考慮することです。わたくしの父親も水ようかんのような形態にするとよく食べるようです。ロコモテイブ症候群とサルコぺニアは日常生活の影響を受けやすいため食生活の見直しが必要です。体重減少と食事摂取量をチェックすることで対策を行います。赤信号は体重減少が1カ月で3Kg、黄色信号は食物摂取量が25パーセント減少することです。漢方薬の勉強をしていてサルコぺニア・フレイルを知りました。

腸間膜静脈硬化症

漢方薬にも副作用はある。腸間膜静脈硬化症ってご存知ですか。漢方薬の副作用としては黄芩が8割は関与する間質性肺炎やアレルギー性の肝障害が有名でした。今注目を浴びているのは山梔子が疑われる腸間膜静脈硬化症です。山梔子が33名の報告例で30例に見られるというので疑われている。山梔子はくちなしのことです。回盲部から直腸に向けて病変は広がるそうです。クチナシは黄色い色を付けるのにつかわれます、子供のころ餅つきでクチナシを使っていたのを覚えています。サツマイモ・クリ・たくあんの黄色もクチナシが使われるそうです。下痢・腹痛・便秘などが漢方薬服用者で見られたら頭の片隅に置くべき病気だそうです。注目されるべきは同じ漢方薬を西洋薬のように5から10年も続けて服用している人がいることです。私ならまず季節で薬を変更します。漢方薬の漫然投与は小柴胡湯いろいろな漢方薬が何かしら問題を起こします。何故なら今のようにインスタント珈琲と同じように簡単に漢方薬を飲めた時代はなかったということです。煎じ薬が服用できるのは難病の方・お金持ちになってきていると思います。逆ザヤで保険で漢方薬の刻みを服用するのは無理です。漢方エキス製剤も逆ザヤ生薬で厳しい。山梔子・黄芩は悪薬なのでしょうか。

防已と防風

漢方薬単独で痩せるのはなかなか難しいです。食事や運動と合わせて痩せるかもしれないぐらいです。患者さんはそんなもんかとおっしゃる。副腎皮質ホルモンつまりステロイドは水を蓄えるので太る薬です。しかし防風通聖散と防己黄耆湯が2類医薬品でやせ薬として売り出されている。防風通聖散の妙味は1グラムの麻黄と言われています。麻黄を大量に用いるとエフェドラです。この麻黄で汗をかきます。防已も防風も帰経は膀胱です。他に防風は肝・脾、防已は腎です。防風は味は辛甘で解表・止痛・解痙祛風、防已は苦辛で祛風湿つまり利水消腫です。日本では浜防風を防風で代用することもある。日本産の防已は中国では清風藤のことです。防已で忘れてはならないのがアリストロキア酸腎症です。本来粉防已が使われているはずが中国製の中成薬では違う植物が使われていたという話です。近くのドラッグストアで3本4000円のドリンクを勧められて服用したらHbA1cが6.4から7.8に上がった、まいったなあ。この患者さんドラッグストアへ怒鳴り込んで言ったらどうしよう。紅参という言葉に騙される。漢方薬を前面に押し出し中身は?むかし、エフェドラを服用したという患者さんも私のクリニックにお越しです。安全性が重要なOTCは効かないものを販売していることが多い。後発医薬品のメーカー指定が大きなもんだいになっている、なんとメーカー指定で変更不可の後発医薬品の処方箋が22パーセントから44パーセントの今年は増えている。私のところはそれどころではない、先発品への変更を遠くの薬局から求めて電話が鳴り続ける。

かぜに銀翹散

コタローさんのきび漢方懇話会で菅沼栄先生に風邪の漢方治療を学びました。漢方薬の方がすきっと治る病気が風邪と思います、私は信じているし家族で風邪が流行っても私は漢方薬で元気です。今日診療しているとOTCの銀翹散も飲んだけど効かなかった女性がお越しになった。辛涼解表薬の銀翹散を保険で代わりに代用すると荊芥連翹湯、清上防風湯、桔梗石膏などが候補になります。銀翹散はのどのが痛い人が服用する薬です。総合感冒薬はカフェインが入っており、カフェイン依存の傾向の人がおられます。PL中毒とも言います。漢方薬の味がいまいちという方向けにカプセル錠剤を多くそろえている。ところで銀翹散は温病の薬で漢方エキス製剤にはありません、清の時代、日本は江戸時代でした。今のデング熱やSARSなどは中医学で対応できる可能性があるそうです。なぜ日本漢方ではだめかといえば江戸時代に鎖国したことが大きいと思われるそうです。咳には双菊飲が温病では用いられます。漢方エキス製剤では貝母が入ったツムラ清肺湯も貴重な方剤です、今日来た患者さん一日飲んで無効なら明日は清肺湯です。漢方薬で風邪を予防するならツムラの参蘇飲だそうです。今日の患者さんにはのどの痛みがあったので以前処方した柴胡桂枝湯ではなく小柴胡湯加桔梗石膏を処方した。麻黄湯の時期にお越し頂ければもっと早く治ったのにね。

先天の精と後天の精

日本の漢方では腎陰虚と腎陽虚だけですが中医学では腎気虚と腎精虚もあります。いま中国は国家事業で伝統医学は日本漢方や韓医学ではなくISOは中医学であることを認めさせようとしている。日本政府は漢方薬は保険から外そうとしている。精には先天の精と後天の精があり、後天の精では先天の精は補うことができないとの考えが一般的です。陰と陽が合わさったものがせいだそうです。何度も学習するが理解できません。先天と後天はあくまで違うものだから後天では先天の性は補うことができないと考えるのが妥当です。腎陽虚とは温煦と促進の力が不足すること、腎陰虚は少し冷やす性質を持つ物質がなくなることです。腎精虚は先天異常や老化で生じる病態です。骨格異常・生殖機能・知能障害などが考えられます。腎気虚は加齢や先天異常で蔵精・納気・行水の作用が弱くなることです。腎陰虚は久病で生じ各臓腑を養えなくなることです。腎陰虚は体を潤し冷やす物質の不足です。日本では政界への献金が重要なようです。漢方薬は献金力がありません。中国から漢方薬の原料が多く入ってくる状況だから原料高に沿って薬価改定で何か配慮がほしい。今秋日曜日は日本東洋医学会の兵庫県支部会の案内が来ていたが私は岡山県の吉備漢方へいきます。しかし、専門医の更新の症例報告も記載しないといけない。

因時制宜

季節の変わり目です。漢方薬の処方を変える時期つまり見直す良い時期です。今年の夏はあまりに熱いので冷やす薬特に石膏が配合された処方が多かった。黄色の生薬を使うのも一つです。黄連・黄笒・黄柏しかし、間質性肺炎の問題もありどうも使いにくい。石膏をアトピー性皮膚炎にこの時期使いすぎると皮膚から粉をふく。石膏は辛甘で大寒です。漢方薬の場合同じエキス製剤を遠いからよそでもらうのは院外処方箋が多くなっても難しい。ましてや漢方薬を処方する立場の医師がいろいろ学んでおればなおさらです。それはなぜなら因時制宜があるからです。熱いから冷やす。寒くなったら温めるのは当たり前です。季節により処方は変わります。因人制宜とは人により漢方薬が変わることです。当たり前のことです。しかし年齢性別体質は変化するものです。暮らす場所により方剤が変わることです、因地制宜は気候と生活習慣でお薬が変わることです。季節で薬が変わるというとみんな「ほう」とおっしゃる。カプセル・錠剤も同じです、錠剤カプセルには補剤が少ないと思います。