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飛蚊症と漢方薬

漢方薬で飛蚊症を直してほしいという人は少なくない。大きな硝子体混濁が見えている人が飛蚊症を漢方薬で何とかしてくれとお越しになりました。弁病では肝腎陰虚だと思います。こりゃ硝子体混濁を硝子体出をして取り除く以外無理ではないかと思った、遠路はるばるお越しになったので漢方薬を処方しました。眼科漢方では特殊な処方があるわけではありません。ただ引経薬的な生薬を加えるのが中医学の教科書の処方です。生薬を自費で買って煎じていただくのも一つです。混合診療すれすれの行為です。生薬を保険で処方することがほとんど不可能になっています。保険でせんじ薬を出すと売れたら売れるほど赤字ということでもうかれこれ何年保険で処方箋をお出ししていないのでしょうか。わたくし自身ですが、昨日の午後から飛蚊症が出現しています、本当に一匹の蚊が飛んでいます夜になってから暗いところでは光視症つまり花火が見えます。上から下へと花火は見えます、一匹なら大丈夫と患者さんにはお話しています。散瞳検査をだれかにお願いするか?悩んでいます、おそらく後部硝子体剥離が起こったんでしょう。両眼私の眼にはLASERで格子状変性がガチガチに焼いているはずです。

直中の少陰と大気一転の法

直中の少陰と大気一転の法はじきちゅうのしょういんとたいきいってんのほうと読みます。私のクリニックを訪れる患者さんは漢方薬を求める人が増えています、たのしいですが複雑な心境です。私は六経弁証の六病位は詳しくないのですが聞かれたのでお答えしておきます。じきちゅうの少陰とは普通病期は太陽病から始まるのですがいきなり少陰病から病期が始まることです。風邪と思ったら、ふつうは麻黄湯や葛根湯で治療するところがいきなり麻黄附子細辛湯や真武湯を持ちいうことになります。大気一転の法とは太陽病の桂枝湯と少陰病の麻黄附子細辛湯を一緒に用いることです。陽証の薬と陰証の薬を同時にいきなり用いる大胆な処方です。桂姜棗草黄辛附湯はエキス製剤では麻黄附子細辛湯と桂枝湯を合法したものです。煎じれる環境なら芍薬を除きます。芍薬を除くことはいろいろな解釈ができると思います。芍薬には血を内向き下向きに加工させる働きがあります。杏仁は気を内向き下向きに粛降させます。つまり芍薬を除くことは気・血を外向きに動かしたいのだと思います。

遠方から漢方診療にお越しの方

遠くから漢方診療に来る方は一回で終わりということ多くある。一方意外と続くのも遠くからの方です、スギ花粉の舌下免疫療法シダトレンも赤穂から加古川まで広い範囲からお越しいただいています。たくさん続いています。シダトレンは兵庫県で300人以上の方がチャレンジされている。全国では13000人以上の人が治療中です。私のところでは院内を含めて5から10人です。一人離脱した方は校区内のお近くの方です。結構皆さん続いています。漢方薬もシダトレンも説明を丁寧にと思い、昔は馬鹿がつくほど丁寧一回で説明していた。今はほどほどにしている。合わないと思ったら一回で終わることも多い。よく聞けばいろいろの方の紹介が一番多く、二番目はインターネットのようです。一回来て終わり或はお越しにならない方どうなさっているか知る由もない。しかし、最近MR医療情報伝達者からいろいろ情報を得る。するとこうです。患者さんは私どものクリニックは遠いあるいは不満があるなにかわからない。○○というところの○○という錠剤やカプセルが手に入るか?今や院外処方箋で薬局に持っていけば何でも手に入る。今まで入っていたメーカーさんの漢方薬がぶっ飛ぶ。売り上げが落ちる。経営的に苦しいからうちの薬にしてくれ。漢方薬にはジェネリックと先発医薬品がないそればかりか新薬が今後一切出ません。中国の原料高騰・人件費高騰・為替レート何をとっても明るい話題がない漢方薬です。薬の使い方はインターネットなど得られるものとは必ずしも一致しません応用があります。ある程度名前が売れるとちょっと応用しても理解される。しかし、問題は薬剤師です、例えば越婢加朮湯には湿疹の保険適応がある、麻黄と石膏の消炎効果を期待して花粉症に用いると薬剤師がなんでこんなものつくんやろうと患者さんに言う。そのまま患者さんは去るあるいは次に薬剤師こういったとお話しくださる。お互いの信用がなくなる。ある意味沈黙は金なりです。

姫路の医療用漢方事情

今日は紹介で緑内障の漢方治療を希望する人が来られました。緑内障は眼圧を下降させるしか治療法がありません。方剤は中国語の書籍を読んでも普通の処方です。眼科領域はなかなか難しい。姫路には手帳漢方というものがある。手帳漢方は言い換えれば弁病です。手帳を見ながら漢方薬を処方するのは違和感を覚える。手帳漢方とは製薬メーカーの手帳を片手に漢方薬の処方をするものである。手帳漢方の良いところは副作用が起こった時目的外使用がない。手帳漢方はまた病名漢方の一種でもある。手帳に記載がある保険病名から薬を探すものです。手帳漢方をするには複数の手帳が必要です。私は日本東洋医学会の専門試験の時にすべて繰り替え繰り返し147処方ほとんど暗唱してしまった。グラム数はさすがに覚えていません。構成生薬ならお任せください。舌を見る舌診はすぐに診れるが脈診は微妙なことで簡単に変化します。そして脈診は難しい。問診と舌診で処方を決める。以前のようにせんじ薬が扱えた時代が懐かしい。今は漢方薬局は経営が成り立たなくなっている。高いと思われるかもしれないが漢方薬局はそんなにもうかっていまい。中国の物価や人件費為替レート全てが漢方薬には逆風です。構成生薬はメーカーにより微妙な違いがある。たとえばニキビならこの中から選ぶことになります、私のところにお越しの方はかなり勉強した方が多い。だからこれっという漢方薬が見つかればお越しにならない近くの院外処方の医療機関で同じメーカーの同じ漢方薬をもらう。そしたらシェア80パーセントの会社の担当MRさんが漢方薬はすべてうちのエキス剤を使ってくださいとおっしゃる、よそのメーカーで講演をしないで下さいとおっしゃる、お世話になっているだけにとてもつらい。大阪から朝8時に訪問してくださるメーカーさんもいる、西洋薬メーカーなら木曜日ばかり訪問するところもある、面会などしたことにして日報書いておけば誰にもわからないのにね。患者さん増えないが実はよそで私の処方した漢方薬を処方されているケースが多々あるようです、ひめじでは特に北では影響力大きいんですからといわれるが何が起こっているのかわからない。昔のように保険でせんじ薬を出せる時が来ることはひめじでは絶対ない。そしたら私の処方した漢方薬は他の調剤薬局で処方される、二剤型置く調剤薬局はなかなかない、そしたら違うメーカーになる。

舌診

問診・舌診は眼科でもできる。腹診はちょっと眼科ではできないし中国では行わない。一説では儒教の考えで肌を露出することが中国では問題だそうです。腹診はおなかの病気には良いであろうが全身のすべてことがおなかに現れるはずがありません。脈診は難しいことと普通の眼科と思ってお越しの方にはちょっとなじみません。脈診までして待ち時間が多くなるとまだですかとかお帰りになってしまう。眼科専門医でかつ東洋学会漢方専門医やアレルギー学会アレルギー専門医は全国で20人ほどです。特殊なんですがそんなことは一般の方は知るよしもがな。新専門医制度になるといままでの座学では更新できなくなるといわれている。さて舌診ですがシダトレンを施行中の方(男性)に口腔内合併症はありませんかと見たらたばこは吸わないしコーヒーも飲まないのに黑苔がついていた、14日しか処方できないのでしばらく観察させていただきます。ずっと前から舌診をしている人(女性)がやつれてげっそりしてお越しになりました。苔がない状態無苔です。大丈夫かなとひそかに思いました。顔もやつれていました。しわが寄っていました。無神の状態です。補気が必要なようです、しかし、月経中とのこと補血も活血もしたいので加味帰脾湯をお勧めしました。

抑肝散陳皮半夏と加味逍遥散

加味逍遥散と抑肝散陳皮半夏の使い分けについて考えました。10年位前に東京の系統中医学講座で皮膚科の症例なので間違えても支障がない人間として私が指名されたことがある。眼科医で関西から参加しており無名の私なら間違えても何を言っても支障がない。大体あてられても物怖じしません。いつもニコニコをもっとうとしています。答えとなる処方は抑肝散陳皮半夏と真武湯でした。抑肝散陳皮半夏ではなく加味逍遥散を応えてもっと軽やかに肝気を巡らせましょうと仙頭先生に言われてから抑肝散陳皮半夏は私の頻用処方になりました。抑肝散陳皮半夏は肝血を川芎で上げる肝気を釣藤鈎で下げる気と血の上げ下げをする方剤です。加味逍遥散と抑肝散陳皮半夏の共通生薬は柴胡、当帰、茯苓、朮、甘です、釣藤鈎と川芎が加わる抑肝散、山梔子、牡丹皮、生姜、薄荷、芍薬が加わると加味逍遥散です。最近抑肝散でHOTFLASHを誘発してしまったかなという方おられるから抑肝散を控えている。湿気が多い今の季節には陳皮半夏は胃腸が弱い人にはぴったりのはずです。東京では休まず惜しげもなく自ら見出された系統中医学を惜しげもなく披露される仙頭先生に感謝の気持ちを表すメッセージが多かったと思います。関西人は少し違うようです。

関西系統中医学と関西臨床漢方医会

2週間続けて大阪梅田に行きました。コタロー漢方製薬の系統中医学講座と大杉製薬の関西臨床漢方医会への参加です。漢方のお勉強です。今週は雨の御堂筋でした。子供たちは期末考査なのにまったく勉強をしない。私の方がよく勉強してます。不思議な話ですがどちらの講演会でも魂と魄(こんとはく)の話にかなり時間を割いていました。何回聞いたってわからなところです。以前ブログに記載しましたが福山雅治さんの魂リクを時々CDで聞いています。こんりくとは何なのでしょう。私は舟木一夫ではなく福山雅治の銭形平次が聞きたかっただけです。どちらの講演会も大変ためになります。何回聞いても自分のものにならない系統中医学講座仙頭先生の頭の中ではどんどん系統中医学講座が進化していると思います。一回聞いてすべてを知るのは無理があります。私の自宅の書斎には系統中医学講座の一本5000円のVIDEOやDVDが宝物として飾ってあります。当初はコタローの社員の方が撮影していましたが最近は専門の業者さんです。東京の講座でかさがかさむのでとDVDに変えていただくようお願いしたのは私です。絶対一回聞いてマスターするのは無理です。仙頭先生の話は進化してゆきます。東京の系統中医学講座はあと2年半で終わりです。お茶の水や飯田橋が懐かしい。

魂神意魄志

魂・神・意・魄・志は五行の考え方の一つ五志です。漢方薬の話か哲学の話か分からない難しい話です。誰も見たことがない話です。系統中医学講座で仙頭先生の話を聴き、そして関西臨床漢方医会で西田先生に解説をお伺いしました。魂と魄。こんとはくとよみます。神は心に帰り夜は舎で神がおやすみになる。目がさえて眠れない状態だそうです。魂が活動をつかさどり、魄は睡眠をつかさどります。魂は血に宿り、魄は肝が蔵します。寝つきが良いのは神が心血に収まる、よく夢を見て睡眠が浅いのは魂が静まらない肝問題だそうです。魄は陰、魂は陽だそうです。魄の勢いが強いとよく眠れるそうです。肝はひ極の本と言います。今月はベルソムラの講演会がある。ベルソムラでお昼までねむくて仕方がない人もおれば効かない人もいる。PLACEBOで眠れる人もいる。生きてる生きてくってことは魂と拍がくっついてるということなんですね。神に従って往来することが込んだそうです。魂は天に帰し魄気は地にキスと昔の人はおっしゃっています。やはりわからないが西田先生レジュメには神は3つある。キリスト教のGOD、大和言葉のカミ、中国哲学の神との記載がある。睡眠について魂と魄で説明できれば面白いのに。

津液(しんえき)

気血水という言葉は日本漢方の用語です。日本漢方ではすいとかミズと言います。中医学で水には役立つ水と不要な水があります。中医学では有用は水を津液と書いてしんえきと読みます。津液は体に役立つ水分です。体に役立たない液状のものを痰飲と言います。さらには湿邪というのもあります。津液代謝に重要な臓器は脾肺腎です。さらに腎には陰陽があります。物の陽と陰は精から生じる。陰と陽が精から生じる様子はろうそくの炎にたとえられます。別れたら腎陰と腎陽です。生薬は補腎陰と補腎陽そして補津液に分かれます。擬態語で湿はジットリとかジメジメ、飲ははジャブジャブ、痰はヌルヌルだそうです。アトピー性皮膚炎の方が夏の汗で悪化しているので腸廱湯を処方してみました。答えはまだ出ていません。ヒトの汗は血液のHRTで測定できます。慢性虫垂炎の漢方薬と成書では記載があるかもしれません。桂枝茯苓丸の変方です。桂枝茯苓丸は本当は君臣佐使の考えからは桃仁・ボタン皮湯です。そこに痰や陰を取り除くヨクイニンを入れています。日本漢方では大黄牡丹皮湯の腹力の虚証に用いるとされています。しかし、考えるととうにんぼたんぴがはいごうされさらに冷やすトウガシが入っているのに徴用等は腹力がそんなに弱くないのではないかと思う。さらには腸廱湯は痰瘀互結の方剤としても一いることができるように思います。良い結果が出たらペーパーにしたいと思います。痰瘀同源です。

臨床に役立つ五行理論

関西系統中医学講座で一日勉強してまいりました。最近出版された土方康世先生の「臨床に役立つ五行理論」を最近愛読しています、五行は難しい内容です。五行理論は奥が深い、行の間の関係はは相生・相克、病的相克である相乗、反対方向の相克である相悔があります。土方先生は阪大工学部もご卒業、医学部もご卒業された才媛だけあってついていけない。くじけそうな理論です。今日は関西系統中医学講座でした、土方康世先生は以前十年位前に「系統中医学講座は中医学ではない」といわれていました。今日の系統中医学講座で一番印象的なのは残念ながら午前の講義中にかなり多くの方がスマホでスライドをカッシャカッシャと撮影したことです。DVDは著作権を侵さぬように発売されています。音声での録音も禁止されています。五行では五臓の肝心脾肺腎に対応し魂神意魄志が存在します。魂・心・意・魄・志はなかなか説明が難しい。人生今まで生きてきて魂・心・意・魄・志を一番納得行く形で紹介していただきました。今からもう一度復習してから寝ます。