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第一回漢方名古屋セミナー

安保ホールで先日第一回コタロー漢方名古屋セミナーに参加してまいりました。当然満席で後ろにいすが並びました。予想通りの大人気でした。更年期症候群を除く産婦人科領域の漢方薬に対する考え方についてお話を聞きました。最後の20分が興味深いところです、方剤のお話です。一番印象的なのは抑肝散陳皮半夏の気と血の巡りの話です。抑肝散陳皮半夏は最近の私も頻用処方です。柴胡で気を上げて、川芎で血をあげて肝気を釣藤鈎、脾気を陳皮・半夏で下げる。しかし50歳くらいの更年期なりかけの女性でHOT FLASH4連発です。加味逍遥散だと大丈夫です。産婦人科領域はホルモン療法か漢方薬という領域です。だからわたくしのところにも少なからず患者さんが見える。柴胡より香附子がおすすめのようです。医療よう漢方エキス製剤で香附子が入った処方は女神散・香蘇散・芎帰調血飲だそうです。方剤解説が最後になるのが仙頭先生の講演の特徴です。一時間に一本しかのぞみが止まらない姫路が悪い。最後の20分の話は即戦力でした。第二回に続きますが私はアレルギー学会の専門医講習会を受講するために参加できません、残念です。今日は今から関西系統中医学講座に参加するため大阪です、昨日は神戸でしたが西に東に大忙しです。

梅雨と漢方薬

湿気が多くなりました。漢方薬の妙味です。五苓散・平胃散・五積散などが合う季節です。ムシムシです、日本独特の気候である梅雨です。漢方薬は年中同じではありません。これは病名漢方という邪道の漢方です。因人正宜・因地制宜・因地制宜は三因制宜として知られています。漢方薬を処方するには年中患者さんだけでなく周りの環境を見据えています。つまり、季節・地域・ヒトによって方剤つまり治療法が異なることです。漢方薬で湿気を除く。祛風湿薬さらには理気薬もあります。外から湿をとるにはクーラーを除湿にすると簡単です。然し、電気代がものすごく高くなっている。体のなかから湿をとるには漢方薬です。なかとはおもに脾・胃です。現代医学の脾臓・肝臓・膵臓を合わせたような働きを有するのは脾です。脾は湿を憎みます。梅雨は脾を芳香化湿を用いて乾燥させることが重要です。空気の中、体の外に湿があれば中にも湿が侵入してきます。何もしなくてもだるい。蒸し暑いからついつい水分補給してしまう。胃は湿を憎むと昔から言うようです。胃は水穀を受納する。胃は水穀を腐熟する。胃の働きが胃気です。胃気は下向きです。これが腐熟作用です。脾は上向きのベクトルです。これが運化作用です。私はばてている、今日は大阪へ行く予定だあったが体が動かない。父の日なのでクリニックのお隣の精肉店でタンを購入しました、辛味と塩辛い味のソルト&ペッパーと酸味のポッカレモンでいただきます。署邪と戦います、署邪の致病の基本的特徴は熱盛・陰傷・気耗・湿阻です、そして壮熱・陰傷・気虚・湿阻に至ります。

泌尿器科漢方

姫路駅前で大学の先生から泌尿器科の漢方薬の講演を拝聴しました。漢方薬の話はすごいことはなかった。泌尿器科領域の漢方薬は眼科ほどではないかもしれませんが難しい。眼科領域・泌尿器領域は八味丸・牛車腎気丸の世界。西洋薬が良く効くが高価です。牛車腎気丸が一番でしょうか?それとも熟地黄を用いるウチダの八味地黄丸が良いでしょうか。尿管結石には猪苓湯と連銭草そして一週たちDVDで復習しています。泌尿器科の漢方診療はそんなに有効ではないと思います。三谷和男先生に一年つかれたそうです。三谷和男先生の話はライブとDVDで耳にタコができるほど聞いたが三谷先生は医師には厳しい話はなさらない。患者さんには厳しいそうで家族も同伴を求めるそうです。患者さんにとって満足度百パーセントの外来で感動されるそうです。養生を求める、体を冷やす果物は摂取しないこと。果物は体を冷やすから東洋医学ではふつう悪です。漢方薬を服用する人には冷え性が多い。だらりとした生活のすすめつまり副交感神経優位の生活のすすめです。果物は果糖が多いから悪です。私も時間を気にせず外来をしたいがふつうの眼科と思ってくる人には雑談している、忙しんやでまっとんやでーとか私忙しいのよとかおしかりで大変です、更には小さな子供が暴れまくる。

新しい漢方薬

新しい漢方薬といっても臨床治験しないと新発売できません。しかしオオスギ製薬のジュンコウの補中益気湯の錠剤とクラシエが発売しているウチダの八味丸Mが注目されています、MRさんも興味津々です。補中益気湯の錠剤ってありそうでなかったんですね、処方した患者さんがパラパラ戻ってこられ感想を述べててくださいます。補中益気湯のエキス顆粒から切り替えた方はおられないので詳細は分かりません。喜んでおられることは事実です、薬局はまたは子が増えるとぼやいておられることでしょう。ウチダの八味丸Mは小さな丸剤です。2グラムが20丸に匹敵するから大変です。丸剤はお菓子のようにぼりぼり食べなさいと新谷教授は患者さんに語っておられました。他の漢方エキス製剤と異なり地黄が熟地黄なのが味噌です。八味丸には老人のカスミ目の保険適応があります。地黄が8グラム山茱萸・山薬が4グラム沢瀉・茯苓・牡丹皮が3グラム、そして桂皮・附子は1グラムと少量のグラムにわざとしてあります。桂皮で重厚に引っ張り出します。八味丸Mは5年もの保存期間があるんですね。

同じ名前の漢方エキス製剤

漢方薬はインチキだという医療関係者がいる、好きか嫌いかはっきりしている。漢方薬はインチキと言われるのは構成生薬の比率や量がメーカーにより微妙に異なる。さらには剤型が異なる。錠剤やカプセルがある。姫路市内も院外処方箋が多くなっている。漢方薬は方剤の名前が同じでもメーカーさんがかわれば構成生薬や量が異なる。漢方薬の処方箋やお薬手帳を見れば私の処方と同じものが処方できる。私のところはいつも暇だが暇でないと漢方薬を処方できませんがメーカーさんにとっては困るようです。最大手メーカーさんの漢方薬のエキス製剤を処方していないものがある。人参が高騰しており各メーカーさんの台所は火の車のようです。中国の物価や円安など漢方薬をめぐる社会は厳しい。医療用漢方製剤は一日薬価百円の世界です。一本15万円の抗VEGF抗体は夢の世界です、RVOには抗VEGF抗体の時代です。原料費高騰なんて厚生労働省には通じない.お薬のジェネリック率の目標が8割になろうかという時代です。漢方薬にはジェネリックは存在しません。困ったことにわたしの処方がながれてメーカーさんから怒られる。よそへ行くときは最大手メーカーのお薬をもらってください、姫路の北の方では私の処方が色々なメーカーの漢方薬を用いる影響で担当MRさんが困っているとのことです他院ではどうかシェアの高い漢方エキス製剤をもらってください。

婦人科の漢方薬

婦人科の漢方薬はイスクラ漢方アドバイザーをされていた揚敏先生の講義ノートを何度も愛読しています。周期療法で攻めるからです。しかし周期療法は忙しいという方が多すぎる。良い天気でした、名古屋まで婦人科領域の漢方薬について講演を聞きにいきました。ひめじでは漢方薬の講演などほとんどない、だから医師が診療時患者さんの前で製薬会社の手帳を見て診療しているらしい。患者さんから聞いた話なので真偽は定かではない。漢方薬は安く手に入るようになった、しかし製薬メーカーは苦しい。ニンジンを筆頭に甘草など中国依存の生薬の体質から離脱しなければならない。円高や現地の物価高で多きく影響を受ける体質は危険です。ラオスでは学校が地域貢献でつられ喜ばれていると新聞に載っていました。野生の生薬など取りつくされてもうありません。夕張のように破たんした街に貢献しさらには生薬の安定供給しなければならない。最後に漢方薬をたくさんお持ち帰りいただくと合わない人は多くを捨てることになる。薬局で保険が適応されない漢方薬ならもったなくてそんなことはしません。さらに婦人科領域の周期療法はもっと細やかに診療しないといけない。

白虎加人参湯と黄連解毒湯

白虎人参湯には錠剤があるから使いやすい。黄連解毒湯にはカプセルがあるから使いやすい。白虎加人参湯と黄連解毒湯では熱を冷ますのがどのように違うかお分かりですか。黄連解毒湯も白虎加人参湯も体の熱をとる薬です。石膏と知母が主薬です。石膏で実熱、知母で虚熱を裁きます。熱にもいろいろありますが石膏と知母は中でも温病の気分の熱です、黄連解毒湯はもっと深い熱を裁きます。上焦・中焦・下焦の全身の熱です。白虎湯は石膏と知母で衛気営血の気分の熱を取ります。黄連解毒湯は黄連、黄檗、黄笒でそれぞれ上焦・中焦・下焦の三焦の熱を裁く。つまり黄連解毒湯は全身を冷やす薬です。三黄瀉心湯ではなく黄連解毒湯で下痢をする人がいるのはなぜか・冷えるのでしょうか。黄連解毒湯は苦寒の薬を集めた方剤ですから長期不可です。私はどちらかといえば頓服で用います。さあ今からお迎えです。毎日雨の天気予報です。姫路駅前に行きます。今日は学校検診で疲れました。先週は兵庫県ではトライアルウイークがあるので今週は学校検診が多い。

腎虚に六味丸

クラシエ八味地黄丸料を同じクラシエのウチダの八味丸Мに変えました。季節的に暖かくなっており効果の違いは分かりにくいかもしれない。漢方おたくの方は渡り歩く習性をもつ方が多い。つまり私が処方した漢方薬を姫路市近郊でメーカーを指定してご近所の医療機関で処方していただくケースもあるようです。私の影響力はひそかに大きいそうです。腎虚に六味地黄丸を当たり前のように用いる。補腎の地黄は入っている。三補三寫で六味地黄丸です。肉桂つまり桂皮と附子でハ味丸です。八身癌が補腎の薬、みんな当たり前だと思っている。虚弱のサインの一つに汗がある。自汗は虚弱のサインです。最近汗についてアレルギーに関してブログに記載することが増えている。漢方薬を求めて来院される患者さんには3回目はないといわれています。しかし、最初から短時間で人の体質を見抜くことは不可能です。今までこの薬が効かなかったと言われてももういちどのんでほしい。たまたま体調が悪いだけかもしれません。もう一度処方したいと思いますが絶対嫌と断られます。多くの方が遠くからお見えになります、一番遠くは福井県からお越しになりました。次からどうするのかなと思いましたがご本人も次からどうしましょうと言って帰られました。

抑肝散陳皮半夏と更年期

最近立て続けで抑肝散陳皮半夏でHOT FLASHや動悸を誘発したのかなという方に遭遇した。抑肝散陳皮半夏の中の柴胡が上向きに肝気をあおっているようです。抑肝散陳皮半夏が今一番用いている漢方薬です。使用量が増えたらいろいろ見えてくる。女性は肝、男性は腎と古くから言われています。証拠はどこにもありません。症例報告してもよいと言ったらきっとMRさんがこのブログを読んで飛んでくる。ブログを書いて投稿原稿を書くのはしんどい。漢方薬の処方に3度目はないとされる。しかし、3人続けて抑肝散陳皮半夏でHOT FLASHや動悸が起こりました。抑肝散陳皮半夏は柴胡が入っている。柴胡があおってしまったらしい。更年期障害によく用いられる加味逍遥散も柴胡が入っているからHOT FLASHを起こすかもしれません。動悸には昔カネボウ記念病院、今の神戸百年記念病院の新谷卓弘先生が去芍薬ということを強調されていました。肝気が盛んな更年期の女性に抑肝散陳皮半夏は要注意です。加味逍遥散は客家が入っているから大丈夫なのかもしれません。

ウチダの八味丸M

クラシエから「ウチダの八味丸M」が発売された。ウチダ和漢薬の八味丸Mは熟地黄を用いているのとホンマものの原点に忠実なガン剤が特徴です。導入品の利益配分はどうなっているのでしょうか。ウチダ和漢薬のコウイMがなつかしい。大峰堂の八味丸は保険適応外です。八味地黄丸エキス顆粒も熟地黄を使っていました。今は熟地黄か乾地黄(生地黄)どちらかわかりません。以前はツムラの生薬は全て5年分をブレンドするといわれていましたが今も五年分をブレンドするのでしょうか。おなじく5月の関西系統中医学講座では腎を学びました。地黄が本当の塾地黄です。他の保険適応のあるものはすべて乾地黄です。乾地黄はどちらかといえば腎陰を補います。陰を補うとは虚熱を冷やすことにもなります、東洋医学で。腎とは泌尿生殖器・内分泌つまり副腎まで加えたものを指すとされています。そろそろ1周年の多くのSGLT2阻害薬の講演会では副作用がテーマとなります。薬疹・感染症リスクの増加など格好のネタです。これも東洋医学では腎の問題です。