記事一覧

只者ではない患者さん

漢方薬の診察に来られる患者さんにはいろいろな方がおられます。最近お越しいただくようになった患者さんのおひとりが生薬レベルのお話をされる。当帰が入っているものはやめてください。顔の方に熱があがってくるとのことです。川芎が悪いのと違いますか?川芎なら上向きのベクトルで頭の血流を増やしますよとお話ししましたがいいえ当帰です。ところで当帰は潤腸作用があるからベクトルは下向きです。心療内科で処方された抑肝散陳皮半夏に入っている当帰がまた悪いそうです。抑肝散加陳皮半夏には川芎は入っていません。また半夏についもいろいろご意見をおっしゃいます。半夏には抗鬱作用と去痰作用があると説明しました。薬剤師さんなのか?今まで受診していた漢方専門医がすごいのか?保険証は製薬メーカーのものです。今まで診察させていただいた患者さんの中で一番すごい。生薬単位でお話しされる。これからは患者さんもこれくらい勉強した方が増えるのでしょうね。この方に失礼ですが薬剤師さんですがと勇気を出して聞いてみた、違うそうです。本気で漢方考えているから出せるだけ多くとか言わない方です。乳頭が甘くていやだとのことです、食事でいうとグルメになります。生薬の味を味わいたい方のようです。結局半夏が入っているものを希望されコタロー半夏白朮天麻湯エキスとクラシエの半夏厚朴湯の錠剤になりました。眼科の患者さんは普通の眼科と思ってお越しになる。眼科の患者さんはわたしが自分で検査するからお越しいただける。インフルエンザその他2か月からの定期予防接種も私を信じてお越しいただける。できる限り自分で検査や処置をしながら漢方の問診と舌診疲れます。然し患者さんから見たら暇そうに見えるみたいです。

新しい漢方

新しい漢方といえば系統中医学講座とモダン漢方がいいなあと思います。モダン漢方を聞いたのは一回のみです。系統中医学講座のち密な理論と何を言っても聞いても起こられない仙頭先生のお人柄は何回聞いても楽しみです。新見正則先生のモダン漢方も人生にも教わることが多い。新見先生は今のところ関西ではなかなかお目にかかれませんが多くの著書があります。新見先生は松田邦夫先生について漢方を勉強されたのに古典はよまなくてもよいとまで言われます。しかし、著書を買い占めたら古典のことが飛訳モダン漢方にいっぱい書いてある。焦窓雑話について詳しく書いておられる。腹診はサービスとおっしゃる。遠くからお越しの患者さんにサービスだそうです。古典を読むな、腹診で決まるのは10パーセントと日本漢方の先生と思えません。御高名な三谷和男先生も新しい漢方を実践されています、左下腹部の圧痛は桃核承気湯の症というのがこれまでの常識でしたが四物湯加桃仁すなわち疎経活血湯につながるとの講演を拝聴しました。腹診だけで処方が決まるのはやはり無理がある。中国では儒教の影響で肌を見せることに抵抗があり副詞をしないと以前誰かに聞いた。

因人制宜・因地制宜・因時制宜

因人制宜・因地制宜・因時制宜という言葉をご存知ですか?中医学の言葉です。風邪薬を投与するとき漢方薬では発症後何日目かが重要です。傷寒論の六病位の今どの時期かを考えます。慢性疾患で漢方薬を投与するときは人・場所・時期で処方を変更します。因人制宜は人が変われば薬が変わるのは当たり前です。因地制宜は場所が変われば処方が変わるとは海に近いところではあるいは内陸部では湿度や温度差が異なります。姫路では真冬になると県北部と気温が同じくらい寒くなります。しかし、分水嶺よりも南にあるため雪が降りません。湿度がとても低くなります、つまり眼科の病気ではドライアイが増えます。1から2月にはドライアイが増えます。3月になりスギ花粉の飛散とともに目が潤います。因時制宜は季節の変化です。梅雨の様に湿気がいっぱいになると胃に負担がかかります。胃は燥を憎みます。麦門冬湯は肺の薬であるとともに胃の薬でもあります。冬になれば麦門冬湯では肺を潤すことになります。麦門冬は胃と肺を潤します。一方、天門冬は腎と肺を潤します。両方含む医療用の処方もあります。方剤名をご存知の方はなかなかお詳しい方です。ツムラ90番清肺湯です。寒くなりました附子の季節です。

癌の漢方治療

癌に対する漢方治療について質問されました。安い漢方エキス製剤で元気になることはよいことです。癌に気血を補うと一度は元気になる。だが、癌に人参養栄湯や十全大補湯を投与したことがない、なぜか?気血双補で補うだけの漢方治療だけではだれでもできるエキス剤がインスタントラーメンみたいだからではありません。患者さんが元気になることはよいことですが癌細胞も元気になってしまうと思いませんか?親戚から頼まれあるいは頼られキノコのメシマコブをお世話したことがあった。どれだけ効いたかはわからないがそれなりに長生きされました。藁をもすがる思いで頼まれたので上がりすくよりも安くお世話できるメシマコブを選択しました。割安でお世話できたが実際のところは分からない。こういうキノコは安ければ売れません。月に2万円とか一定の値段がしないと売れません。自分自身が癌になったらそのまま静かに息を引き取りたい。近藤誠先生と同じでがんと闘う気持ちはありません。数少ない経験ですが私が放射線科医から眼科医になった一つの理由はLINIACによる食道がんの腔内照射の患者さんの最期をみとったことが大きい。RALSで食道に穴が開く、何とかしてあげたいと必死に照射した結果だと思います。私が癌になったら訪問看護かな。ホスピスかな。最期を迎える日まで診療出来たらよいなあと思います。癌の漢方治療ができるとすると瘀欠を改善するとか瀉法が必要みたいです。

舌診

四診をご存知ですか?望聞問切のことです。漢方薬を処方する或いは体質改善のため舌を診るつまり診察するのは舌診です。望聞問切診は東洋医学的診察の方法です。口内炎になったらどうすか?まずはステロイドのアフタッチやケナログを使ってみる。漢方薬で何とかといわれたら桔梗石膏か半夏瀉心湯を処方してみる。時に舌癌ということもあるなんてマスコミはいいます。私の場合は漢方薬を処方するときに行う四診の一つとして舌診を行う。歯が当たる、激辛のものを多くとるのも悪い。疲れのバロメーター、ビタミン不足つまり緑黄色野菜の摂取不足、うがいをする。民間療法では蜂蜜を塗るというのもある。舌には血流が多いので全身状態を表すという考えもある。舌は体の上部にあるから本当かなとも思います。舌苔がついている。苔が黄色い消化器症状のこともある。ストレスでも大きく変わる。歯痕は水分代謝の低下や消化器症状を表す。舌が水分過剰で腫れている、裂紋というのもある。地図状舌は赤いところの血行が悪いことを表す、自律神経の過緊張です。ストレスがかかっている証拠です。舌苔は防御反応です。舌苔を取り除くことは明治時代からあるそうです。新見正則先生の書物に一回の診察で10分以上かけてはいけないと記載されていました。患者さんは覚えていないそうです。回数来てもらって初めて漢方診療なんだ。幸い漢方の保険診療はとても安い、駅前のどこまで見ているかどうかわからないが患者さんは診てもらった気になっているコンタクトレンズ診療よりもさらに安い。

POWER POINT

来年の2月の薬剤師の方向けの漢方講演会に向けPOWER POⅰNTのソフトと今日も格闘しています。その日は神戸新聞松形ホールで眼科生涯教育講座が行われるの忘れていました。DVD35000円+消費税を買うしかない。POWER POINTはEXELよりも簡単かもしれない。私の前に今月講演されるのがなんと私が大好きな前京都府立医科大学准教授・奈良県立医科大学特任教授M先生です。11月15日だそうです。困った、絶対にレベルの高い薬剤師さんが集まります。ご質問が一番怖い。漢方薬と食養生について以前市内の公民館で講演させていただきました。更に姫路商工会議所での西播臨床漢方で排膿散及湯について講演させていただきました。それから経絡の話を姫路市内の医師向けにお話ししたことがあった。専門家向け東洋医学での講演は3回しかしたことがない上に随分前の話です。パワーポイント簡単よと良く聞くが自分で作るの難しい。タイトルが気の昇降出入・・・補中益気湯と排膿散及湯を中心としてで行こうと思っています。公民館の眼科の講演会を逃れたがとんだ話になってしまった。以前はよく公民館で眼科の話アレルギーの話をさせていただきましたが開業してからクリニックに引きこもっていました。やっといろいろ講演会へ行けるようになったら今度は私自身が演者です。先日講演を聞いた新見正則先生は年回100回以上の講演やマスコミに登場しておられるそうです。新見先生の新しい漢方薬の考え方は漢方薬を生薬から虚証実証を鑑別したり、日本漢方の腹診で実証と虚証と考えたりしなくても腹診をして方剤が変わるのは10パーセントとおっしゃられてました。新見先生の本を読むと当たり前のことが斬新に感じる。

生理病態治療編

ことしになりはじめて10月の最後の日曜日に関西系統中医学講座の生理病態治療編に参加した、大阪の街ではマラソンや東洋医学会の関西支部例会などいろいろなエベントが行われていました。、少し参加者が少ない気がしました。いつものことでしょうか?快晴でしたので姫路城の前の駐車場・梅田の駐輪場は行列ができていました。今回のテーマは関節・筋肉や骨・血液について学びました。骨髄から血液は作られます。新し組み合わせになっていました。脾は肌肉をつかさどると言いますが肌肉は筋肉そのものです。脾は肝臓・膵臓・脾臓を一つにまとめた概念です。現代のように医学が進んでいなかった時代には致し方ないところです。肝は筋をつかさどる、筋肉の付属器の腱は肝がつかさどります。アキレスけんも腱の一つです。前日は新見正則先生の講演を拝聴し感動した。初心者には目からうろこだと思う、マスコミにいっぱい露出されている新見先生の講演を聴講したい人は多いと思います。今日は新見正則先生の著者がいっぱい届いた。フローチャート漢方薬治療が一番売れているそうです。初心者が〇〇病に〇〇湯ではない治療を行うには新見先生です。無効なら次の処方がある。更に生薬によりプラスとマイナスがついており日本漢方の実証と虚証に包材を分類されるなど新しい漢方薬の使い方です。日本漢方で理論が必要になれば緻密な生理学解剖学の理論なら関西系統中医学講座です。あすはインフルエンザの予防接種の方が多いかな?

新見先生のステップアップセミナー

先週土曜日に新見先生のステップアップセミナー、日曜日は仙頭征四郎先生の関西系統中医学講座を聞きテンションが上がっている。系統中医学講座のち密な理論は気持ちよい。新見先生の理論は分かりやすく新しい物です。大学では漢方外来ではないそうです、著書もいっぱいある。お話は興味深くPLACEBOでも30パーセント有効であり、数字のマジックがある。3パーセントが2パーセントになればなんと33パーセント減になり大きく改善したことになります。1パーセンでもいろいろな意味を持つ場合があります。薬味の少ない漢方は芍薬甘草湯のように切れ味がよいが耐性もできる。新見先生は8年間松田邦夫先生のところで腹診を学ばれたが腹診をして証が変わる決まるのは10パーセントだそうです。秋葉哲夫先生の書物をもとに方剤をプラスとかマイナスとか独自の分析されています。腹診は遠くから来る患者さんに対するサービスとまでおっしゃってました。最近漢方薬とアレルギーの患者さんは増え眼科の患者さんは減っている。眼科の漢方は全身を見るか局所を見るか難しい。インフルエンザワクチンはチメロサールフリーのものgは昨年から人気です。安全志向です。

質問なしの漢方講演会

質問なしという漢方薬の講演に行った。普段は最近は仙頭先生の講演会以外ほとんど参加しなくなった。以前は漢方づくしでした。昔の話ですがメーカーさん主催の漢方の講演会に参加する条件で他の参加者をビビらせる難しい質問はしないでくださいと言われたことがありました。いつもおとなしくしてますよ。今回は全員質問なしだと聞きましたがやっぱりありましたよ。話は変わりますが眼科では一本十五万円の抗VEGF抗体を二本用意したら三眼にうてるそうです。手術室なしの貧乏眼科とは大きな違いです。漢方薬の世界はもっと貧乏です。円安と生薬の高騰。そして日本の保険制度、古いくすりはどんどん安くなる。古い薬といえばワーファリンやバイアスピリンは安かったのにNOACに変わり患者さんの負担は大きく増えている、ワーファリンならビタミンKという拮抗薬があったがNOACにはない、脳出血が増えるのも困るが鼻出血のときなど拮抗薬がないのも困る。しかし保険適応の漢方薬は安くなりました。さらに皮膚科専任の医師がアトピー性皮膚炎を診れば皮膚科特定疾患管理指導料という加算があるが皮膚科以外も診療するアレルギー専門医が見ても何の加算もない。眼科にはもともと管理指導料がない。更にはコンタクトレンズが高度管理医療機器とは名ばかりになっている。眼科志望者は減るばかりです。コンタクトレンズには深入りしない診療が求められている。ここではカラコン扱っていませんといえば去ってゆく。去るもの日々に疎しとは昔の話です。

もう一度聞きたい講演

先日の神戸大学医学部のシスメックホールで行われた東洋医学会の兵庫県部会の日本医科大学の高橋教授の講演は感動的でしたよ。MRさんがブログを読んでどんな話であったか聞いて来られたので東洋医学会兵庫県部会の高橋教授の講演内容の一部についてノートを見ながら復習しています。またノートの内容を記載したいと思います。講演の最後は日本の漢方薬には温病の薬がない,数少ないがあっても加減ができないということであった。姫路の西播臨床漢方にお招きしてほしい。或いは大阪漢方懇話会に招いてほしい。しかしうちの子供たちのノートは読めない。西洋医学の限界を感じたので漢方でもやってみようかな?これは愚の骨頂ですと〇○ファミリークリニックのM先生が開業なさる前に語られていました。西洋医学で漢方を科学しないと漢方薬は原料高騰・円安・中国への依存度80パーセント以上など逆風が吹いているから保険診療から削除されてしまうかもしれない。生薬を中国に依存するなら漢方薬には軽減税率ではないが物価スライド制か何か導入してほしい。又夕張市を再建するためにも夕張に漢方の生薬特区を設けてほしい。NK新聞で株式でアステラス製薬が初めて一位になっていた、有望な新薬があり海外の投資家から買われているそうです。