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漢方の問診

中医学では儒教の考えがあり腹診はしないようです。また眼科の漢方もおなかを触ってそれほど有効とも思いません。おなかに体のすべてが現れるわけではありません。脈診は難しい。薬剤師さんも医師もできる漢方の問診をしているといろいろ発見がある。薬を飲んだ結果口が苦いとか便通のところに記載がない。本当は不眠症で薬で口が苦い。便通の薬を飲むから異常ない。日本語は難しいと言ってしまえばおしまいです。本当はどうかを知りたいところです。カマグを飲んで便が一日一回でるのと自然に一日一回でるのは違う。問診の確認はとても有意義ですが患者さんが意図しないことも多くある。寝入りが浅く夢を見るという問診では寝入りが悪いだけあるいは夢を見るだけという人が多いように思います。心身一如、全体を見渡すには問診票でチェックすることは大切だと思います。眼科に特有な方剤がいろいろあるわけではありません。普通の方剤に引経薬などを加えるのが眼科漢方です。しかし今の日本では加減の減をすることは逆ざやの生薬が多く保険の範囲内では困難です。また丹参のように薬価未収載の生薬もある。スギ花粉のシダトレンと漢方薬どちらも原料にお金がかかるので保険では難しい。

口が渇く

口が渇くざらざらするという患者さんの治療にに苦労している。口が渇くには2つある、たくさん飲みたい口渇と多くは飲みたくない口乾です。虚と実の違いがあります。がぶがぶ飲むのは実、口は乾くが飲まないのは虚です。いろいろ考えてみたがそしていろいろ方剤を変更してみたがむずかしい。口がざらざらするようです。便通は改善しておられるようです。私のところへ来られる前はせんじ薬でどちらかといえば暖める方剤を服用されていたようです。今便通がよくなったのも暖める方剤だそうです。加東市や宍粟市からわざわざ診療にお越しいただくのはありがたいが続きません。エキス顆粒なら番号さえわかれば近隣で同じ処方してもらえばよいということかな。お越しになって開口一番遠いですね。因人せい宜・因地正宜因時せい宜と申します。少なくとも季節変われば処方は変わります。口渇に対して肝と腎の煎じ薬が使用されていました。ともに温める薬です。そこで私は石膏を含む薬で胃熱をとることを考えたが舌診で淡白でした。やっぱりうまくいかなかった。そこで気の巡りを改善することを考え新しい処方にしました。腎の気化作用を期待してせんじ薬で温めてだめだった方です、難しい。

漢方薬の効果効能

今年になり、漢方薬の効果効能が一部変更になりました。漢方製剤のうち変更になったのは小柴胡湯、黄連解毒湯、小青竜湯、白虎加人参湯、六君子湯、桂枝加芍薬湯、芍薬甘草湯です。科学的知見を踏まえ現行の効能を変更したそうです。コンピューターに査定される現代において時代に合った保険適応を有する病名があることは保険での漢方診療に大切です。先日網膜中心静脈閉塞症の病名でバファリン81を処方したところ査定された。適応症を見るとそのような病名の適応はなかった。眼科の網膜疾患は抗VEGF抗体以外きっちんと適応症を有する薬がない。アドナやカルナクリンすら返戻することがある、うちのような姫路で一番平均数が低い貧乏眼科でもさてが入る。たいてい復活はします。芍薬甘草湯は病名漢方でこむら返りに頓服として使用される。新しい適応症は急激に起こる筋肉のけいれんを伴う疼痛、筋肉・関節痛、胃痛、腹痛と効能または効果が変更されました。未標準で保険の審査の時指摘を受けることがある。しかし漢方薬を標準コードに収めるのは難しい。コンピューターに保険の審査をゆだねるようになり難しい。メーカーによりおおよそ4パターンの病名が同一処方につけらる。漢方薬がインチキだといわれる一因です。昨日は500アクセスいただきました、ありがとうございます。

気の昇降出入

気の昇降出入ってわかりますか?神戸で漢方で実績のある薬剤師の先生向けの講演会を頼まれた。お受験が終わった来年の2月のはなしです、12月には抄録を書かないといけないそうです。苦痛ですが薬剤師の先生から直接ご依頼をいただき断れなかった。。タイトルは何でもよいといわれたので気の昇降出入にすることにしました。抄録の内容を考えています。気の昇降出入を考える方剤として補中益気湯と排膿散及湯についてお話ししようかと思います。補中益気湯は下にあるものを上にあげる方剤です。柴胡・黄耆・升麻で下から上にあげます。自験例でうまくいかなかった例についてご紹介する予定です。排膿散及湯は化膿性疾患だけではなく気の調節薬としてもちいることができる平性の方剤です。以前姫路の商工会議所で行われた西播臨床漢方という会で以前一般講演として発表したことがあるお話のつづきです。桔梗・枳実で気の昇降と大棗・生姜で調和営衛の働きが期待できます。これを今後数カ月でいかにまとめるかです。すごいストレスです。一杯勉強しないといけません。来週は定期考査だが子供が勉強しないから代わりに私ががんばろう。

産婦人科漢方

産婦人科医が集まる漢方研究会が姫路で年一回ある。長く続いているので産婦人科以外のネタになっている。昨年は関口由紀先生の泌尿器のお話でした。今回は耳鼻咽喉科領域の話です。今年は佐賀県から耳鼻咽喉科の女性講師が来られた。今度の日曜日は岡山で東京からお越しになる女性中国人中医師の話を聞きに行きます。最近はほとんど系統中医学講座以外の講演会は参加していませんでした。来年早々薬剤師の先生を対象に漢方薬のお話をさせていただく運びとなりました。昨日の耳鼻科のお話は日本漢方でしたが耳鼻咽喉科の先生でしたので腹診をしないので周波数が合いました。耳鼻咽喉科も半分内科です。つまり、のどつまり咽頭・喉頭は内科の風の治療に類似しています。耳鳴りには難しいがめまいにはかなり漢方は有効と言われていました。天麻マツもお使いだそうです。患者さんが飲みにくので最近天麻マツは使用していません。私自身めまいになったこともありませんがめまいは確かにメニエルなどで処方されている薬よりも漢方薬で治療してみたいと思います。

ベルソムラ錠

オレ寄進受容体拮抗薬不眠症治療薬であるベルゾラムは1998年日本人により発見された世界初のオレキシン受容体拮抗薬です。オレキシン受容体拮抗薬はマイスリーぐらいのパワーを持つようです。サンプルがつられていないとのことで本当のところは分かりません。メラトニン受容体に比べてシャープだそうです。一日目から有効だそうです。GABA受容体を介さないところが魅力です。最近、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬をやめたい減らしたという方が多くいらっしゃる。デパス、メイラックス、ソラナックス、非ベンゾジアゼピンのマイスリー。漢方薬で何とかと言ってご来院いただきます。最近眼科が増えてますます暇ですが成人で漢方薬で睡眠薬や抗うつ薬を減らしたい人は増えています。それがまた意外とうまくゆくのです。漢方薬で眠くなるのは危険だと亡くなられた森雄材先生に訊いたことがある。つまり、柴胡、黄笒、半夏の日本漢方の柴胡剤では肝気虚が起こる可能性があるとのことでした。気がなくなるということは死ぬということです。しかし、なぜか、ベンゾジアゼピンが減量できている。

常用字解

平凡社の常用字解を愛用してます。漢字のなりたちそのもついみにいついて解説されています。東邦大学の名誉教授の三浦先生の講演を聞き漢字を知ることが漢方薬の原点となるかもしれないと感じました。常用字解は白川静先生の著書です。漢方を学ぶ医師は多くは愛用しています。德はもともと目の強い呪力といういいみだったそうです、道徳、徳性のように正しい、よい、めぐむの意味に用いられる。ギョウンベン、シメス、省の3つを合わせてるそうです。徳は省にギョウニンベンに心を加えてるそうです。話題は変わりますがきくには3つのかんじがあります。聞く、聴く、訊くの3つです。どう違うか?これはコーチングの世界です。聴は聞き入れて許すという意味だそうです。訊くは、常用漢字にはなく常用字解にはありません。訊問の様に質問することだそうです。聞くはかすかな音が聞こえる、神の声が聞こえる働きがあると考えたそうです。一番一般的なのは聞くです。子供が実には實という難しい感じがあるんやねと言ってました。姓名判断は旧字で行うようですね。徳は旧字では德になります。

系統中医学と日本漢方と中医学

系統中医学は中医学ではないと御高名な土方康代先生がおっしゃつたのが忘れられません。系統中医学を中医学と言ってしまっては仙道先生のオリジナリテイが消えてしまう。こんなん中医学違うと怒って帰った医師がいたからそのような発言になったと思います、質問しても丁寧に惜しげもなくいろいろ丁寧に答えて下さる。日本漢方では気血水をきけつすいと読みます。中医学では気血津液と呼びます。漢方薬や東洋医学の話を聞くとき漢方用語の違いを見れば流派が分かります。そして陰虚という用語も中医学か日本漢方の鑑別に役立ちます。日本漢方では陰証で虚証を陰虚と言います。中医学では陰が虚している状態を陰虚と言います。虚実も同じです。体力の虚実は日本漢方の概念です。中医学で因という物質が欠損することが陰虚です。日本漢方では陰証で虚証を陰虚といいます。仙頭先生の系統中医学、わすれられません、初めて仙頭先生の話を岡山衛生会館で東洋医学会の岡山県部会で聞いたときのことが、さっぱりわからない。どこにもない5つの層構造の話の中の出店の心の存在の話。すべての熱源は心が大本で腎を支える。その年から系統中学講座がお茶の水スクエアで始まった。生理学に基づく独自の理論いらすとを作るだけで大変です。

系統中医学講座

朝6時の新幹線で日帰りで本家御茶ノ水の系統中医学講座を受講してきました。9時3分には東京駅です。会場が系統中医学講座発祥の地であるお茶の水に今回から飯田橋から変わりました。ニコライ堂の向かいです。10時に鐘が鳴るはずですが聞こえませんでした。気血水というのは普通の日本漢方です。系統中医学では気津液血です。反対から読めば血液津気です。かなり濃度が濃いいないようです。清熱薬について学びました。石膏知母の白虎湯で冷やすのと黄連解毒湯でひやすいことはどう違うか?仙頭先生に質問してみました。清熱瀉火の白虎湯で冷やすことは氷で冷やすイメージだそうです。清熱解毒の黄連解毒湯で冷やすのは抗がん剤や抗生物質で冷やすイメージだそうです。ところで石膏は辛大寒の薬性があります。辛味は発散する性質をもちます。しかし、粛降作用があるとテキストに記載されていましたのでご質問させていただきました。大寒の方が辛味に勝るようです、充実した一日でした。来週は広島で瀬戸内コロッシアムがあるため関西系統中医学ではなく東京で受講しました。

神田橋処方とPTSD

神田橋処方はPTSDのフラッシュバックに用いる桂枝加芍薬湯合四物湯のことです。最近PTSDなど心の病で漢方薬を希望する患者さんが増えた。日本ではベンゾジアゼピンがとてもたくさん使われる。非ベンゾジアゼピン系のマイスリーならよのでしょうか?昨日もベンゾジアゼピンを飲まないと不安であるという人が来院した。完全な依存症だ、わたしのクリニックに漢方薬で西洋薬を減量したい、これがメンタルの問題を抱えた患者さんがご来院になる理由です、漢方薬でベンゾジアゼピンをなぜ辞めたいか?どんどん耐性ができて量が増えること、抗うつ薬と異なりやめると効果が全くなくなること、SSRIなどの抗うつ薬なら効果は遅いが持続力がある。夜間ふらついて骨折する可能性がある。PTSDのフラッシュバックに神田橋処方、神田橋條治先生の神田橋処方ってご存知ですか?神田橋処方はPTSDなどに用いるものだそうです。神田橋処方とは桂枝加芍薬湯合四物湯のことだそうです。桂枝加芍薬湯は虚弱の場合小建中湯になるそうです。芍薬と甘草でアドレナリンを抑制します。心の傷を抱える人は小建中湯がよいそうです。小建中湯はコウイが配合されてます。服用量が多い。