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仙頭塾

大阪の仙頭塾に久しぶりに参加しました。テーマは咳でした。講師の仙頭正四郎先生の話では西洋医学的には咳は肺の病気です。しかし、長く続く咳の場合は肝つまりストレスの関与を考える必要があるそうです。麻黄と石膏で消炎、麻黄と杏仁で止咳です。基本的には肺の宣発と粛降作用には配慮することです。ベクトルの上下に配慮することです。基本は三拗湯だそうです。そのあとは症例検討会です。咳が止まった後、体質改善にはどう考えるか。肺と大腸は表裏であることから大腸疾患を有する方の咳を治療するのに腸から攻めるなどの議論をしました。久しぶりに胸がすーとしました。楽しかった。最近ブログの内容が子供の中間考査と重なり子供のはなしと風疹ばかりといわれていたのですーとしました。途中で昔、研修医・専攻医時代にご一緒だったO大医学部准教授の先生が質問があります先生のブログ見てたら兵庫県では漢方薬は2種類までと言われてましたけどなんでなんですかと尋ねられました。なんでか知らんけど兵庫県は2種類とされています。確かに兵庫県は2種類までとなっていますとお答えしました。仙頭塾は大変楽しい漢方薬の勉強会です。

初めての漢方治療

診断と治療社から「初めての漢方治療」が3500円で発売されました。その「はじめての漢方治療」が今日手元に届きました。わたくし西川実徳が眼科のところは記載しております。初めて漢方を学ぼうという医師向けの書籍です。眼科の漢方は難しい。硝子体に薬を入れるとかOPの方が手っ取り早い。私自身漢方をよく用いるのは更年期障害、アレルギー疾患つまりアトピー、鼻炎、虚弱体質の改善、口渇や胃腸疾患などが多い。眼科の眼精疲労や結膜炎を漢方で治療しくれという依頼を受けることは少ない。眼精疲労ならまずめがねを合わせるそれでだめならドライアイなどの治療を行います。眼科疾患の漢方治療は認知症の周辺症状に対する抑肝散に似ているとおもいます。眼科疾患はなかなかダブルブラインド試験ができません。したがってEBMというものが不足していると思います。EBMは皆無です。眼底疾患も抗VEGF抗体や何やかやうん十万円の治療や両眼で100万円の白内障治療が出現し漢方と土俵が違います。仏の顔も三度までと言いますが漢方専門医の顔は二度までに薬が効かないといけないそうです。

漢方の裏話

漢方薬の名前はこのブログでは原則書かないことにしています。遠くは福井県、滋賀県、岡山県から診療にお越しになりました、しかしなかなか続きません。漢方がインチキだという方は会社により薬の中の生薬が異なります。生薬の産地も違います。会社が変わればいろいろ変わります。季節がかわれば処方を変える人も多くいます。アトピー性皮膚炎などその代表です夏はジュクジュク冬はカサカサです。鼻炎でも2月と5月ではくすりは違います。2から3月の花粉は傷寒の邪が侵入します。5月は温病の考えが入ります。風温の邪が入ると考えられます。傷寒は辛温解表、温病は衛分から気分に熱が侵入すると考えます。ブログに漢方薬の名を書くと処方名だけが先を行く独り歩きする可能性があります。漢方薬は人を診る、西洋薬は病気を治すあるいは診る医学です。おなかを触るのは中国では行われていないそうです。理由は儒教の教えにあるそうです。眼科領域でも硝子体注射が盛んに行われています。安全を期して行いますが無菌性眼内炎が起こることが少なからずあるそうです。かといって漢方薬ではEBMが弱い。毎日学校健診の結果を持参される保護者とお子さんがおられます。かつて岡山から漢方で治してほしいとお越しになりました。近視の漢方治療はかなり無理がある。

越婢加朮湯と翼状片

越婢加朮湯には翼状片の保険適応を有するメーカーがあります。それでは越婢加朮湯を服用すると翼状片が治るか?といえば治らないでしょう、最近「越婢加朮湯 翼状片」という検索が多い。月初めになるとどんな検索キーワードで検索されるか楽しみです。越婢加朮湯は漢方エキス製剤では麻黄が一番多い処方です。したがって慎重に用いる必要があります。越婢加朮湯で翼状片が治癒するものではありません。麻黄と石膏が入っておりこの二味で消炎効果があります。保険適応の病名を再考すると湿疹や関節炎などがあります。如何にも炎症を抑えるのに聞く薬という感じがします。アトピー性湿疹や関節リウマチはもちろん花粉症にも応用できます。翼状片は良性の腫瘍ですが眼瞼結膜と擦過して炎症を起こします。更に大きくなると乱視を起こします。麻黄と石膏はその比率により傷寒の薬にもなるし温病の薬にもなります。更には利水作用を期待して用いることもあります。越婢加朮湯には緑内障への臨床応用もありますが長期間にわたり飲める方は少ないのではないかと思います。胃腸に負担のかかる薬です。詳しくは「診断と治療社」から5月に出版されるわたしの原稿をお読みください。

本格漢方

本格漢方という名の図書が手元に届きました。本格漢方は週刊朝日ムック・漢方2013の副題です。本格漢方は毎年出版されます。週刊朝日ムックに私の名が掲載するようになりもう10年以上です。当初は漢方増刊号といういう名前でした。その後ムック形式開業した年に私の名が削除され「わたしが死んだ」「もったいない、せっかくよく勉強していたのに」と漢方をしている医師の間で私が死んだという噂が立ったいわくつきのしょもつです。死んだはずの私が漢方初心者の医師の方に向けた書物を「診断と治療社」から5月に眼科漢方の代表として分担執筆させていただいた書物が出版されます。漢方はいろいろ各医師が秘密を持っている。決して本当のことを明かさないところがある。教科書を読めばすべてが理解できるわけではありません。またいろいろな流派があり全く違う処方で同じひとつの病態を治療します。漢方単独治療はガイドラインの普及とともに難しい世の中になっています。本格漢方を読むと漢方に大きな期待をするが漢方薬は魔法ではありません。副作用もいっぱいあります。草根木皮からなる生薬を使用することで優しいイメージがあります。漢方薬を二剤組み合わせいかに効かせるか?漢方薬には限界があることは明らかです。

サプリメントと漢方の錠剤

漢方の錠剤は数多く飲まないといけません。庶民の期待を裏切る薬が漢方の錠剤です。若い方を中心に漢方のカプセルや錠剤は人気ある。漢方の錠剤を見てこんなに多く飲まないといけないのといわれる方が多い。しかし、漢方薬のエキス顆粒をカプセルに詰めて漢方を子供に与える保護者もいる。しかし和漢箋と同じ成分である防風通聖散は毎日27錠も飲まないといけない。細粒剤ではコタロー大建中湯は27グラム毎日飲むことになります。27錠や27グラムも飲めばそれだけで痩せる気がします。防風通聖散を飲んで本当に痩せますか?読者で痩せた方はおられますか?汗が出て、尿が出て、大便が出て調子が逆によくなる方が多いような気がするのは私だけでしょうか。サプリメントを飲むひとはやせる目的ではお飲みにはならないというデータを目にしました。漢方出痩せるには無理がありますなぜなら何もない時代にどうすれば生き残れるかと考えて作られたのが漢方だからです。デイレグラ錠のプソイドエフェドリン2グラムは漢方薬の小青龍湯の麻黄よりエフェドリンの量が多い。ホームページの検索で「デイレグラ眠れない」との検索がありました。エフェドリンすなわち麻黄に敏感な方は寝れません、胃が痛い、血圧上昇などの発生も危惧されます。デイレグラ売れるでしょうか?今はまだ売れてていないようです。

涙点プラグ

涙点プラグをいれるのは下涙点と上涙点のどちらがよいでしょうか?最近は上涙点とされているようです。涙は以前の3層構造から水・ムチン層と油層に分かれていると考えるようになっています。涙の中の水がまず上に上がり後から油層の脂が遅れて引き上げられます。重力から言うと下涙点を閉鎖することが大切なように思いますがじつは上涙点だそうです。ではどのようなドライアイに涙点プラグを入れるとよいか?最近のTFOTの考え方ではArea Breakつまり角膜全面の涙液層破壊はBUTが0秒の状態です。涙の中の水分が全くない重症の状態です。高度な角結膜上皮障害を起こしていることが多いです。Area Breakには上下の涙点プラグが最適な状態です。診療していますと大きな病院で涙点プラグを入れてもらったが痛くてできなかったという方が時々おられます。わたくし自身も涙店プラグを入れた患者さんからゴロゴロするので抜去してほしいと頼まれた経験があります。LMSといろいろサイズがあります。涙小管にプラグが落っこちるといけないのでどうしても大きめのプラグを挿入することに起因するのかどうかわかりません。冬だけならキープテイアを用いるのがのが一番だと考えます。最近アレルギー性結膜炎で目が潤う人が大変多い。これでかゆみがなければ最高です。

コタロー滋腎明目湯

眼科領域の漢方薬で保険適応のあるエキス製剤は大変少ない。目の疲れに使える漢方エキス製剤が発売されました。コタロー滋腎明目湯は原典は万病回春です。コタロー滋腎明目湯はエキス製剤で初めての処方です。保険適応を取得している漢方エキス製剤で明らかに眼科向けのものは大変少ない。コタロー滋腎明目湯は乳糖は使用されていませんので乳頭不耐症にもよい。。コタロー滋腎明目湯は保険適応の薬と違い乾地黄と生地黄を両方配合しているまるで煎じ薬のようです。ベースは四物湯です。肝血を補います。肝血を補うとは目がはっきりすることです。人参・甘草で補気・健碑で補気し、万けい子・菊花・白しで解表、黄連・山梔子・細茶・桔梗で清熱、さらに桔梗は載薬上行し目に薬を運びます。灯心草で利水という構成です。コタロー漢方製薬の匙倶楽部から発売されました。保険適応ではなので自費診療になります。逆に言えば診察なしで薬局で購入できます。灯心草・まんけいしは保険が効く薬には入っていません。コタロー匙クラブは90包から買えるのでお手軽です。つまり、一日三回を30日分です。

おとなの風疹ワクチン

先日ブログに風疹ワクチンについて記載したところ多くの方がご覧になったようです。麻疹風疹混合ワクチンつまりMRワクチンの3期4期は3月31日で終わりです。アンチワクチンの保護者の家庭では期間を延長しても同じという厚労省の考え方です。風疹は近畿での流行で大きく変化したのは風疹ワクチンを打つため男性が車から降りてクリニックに入ってこられることです。そして風疹ワクチンを接種されるようになったことです。わたしは病院経営と寺という特殊な環境で育ちましたので「高価な予防接種をすべてした」と母が申していたのを覚えています。それもよその病院で接種したそうです。今日お越しの方はMMRワクチン世代の26歳の方でした。一回しか売ってないので不安と来られました。教育に携わっているが結婚するので風疹ワクチンをうちに来たといわれていました。むかし西川病院へ診察に来ていた女性の方でした。この頃とても空いているのでゆっくり説明できました。MRワクチンの方がよいですよというとMRワクチンにされました。風疹ワクチン以外でも問診票には2か月避妊することと書かれている。おたふくかぜ、はしか、水痘と妊娠はどんな関係でしょうか?よくわかっていませんがウイルス感染は流産リスクを高めます。風疹以外も2か月避妊と書かれています。1995年から男性は風疹の定期予防接種をするようになったようです。1989年に私は研修医として救急外来で子供さんを多く診察していました。当然はしかや風疹おたふくかぜは多くく来られました。その時の貯金かわたくしはすべて抗体があります。きれい社会ではしかも風疹もにどなることが当たり前になりました。インフルエンザワクチンは姫路は安く設定されています。神戸市や近隣都市ではインフルエンザの予防接種は4000円だそうです。風疹ウイルスは今のところ変異はしないことになっています。不妊治療前の方ばかりであった風疹ワクチンの希望者ですがはしかと風疹ワクチンの2回接種を25歳以上40歳代の特に男性の方方考えられてはいかがでしょうか。

妊娠とうつ病

わたくしのクリニックへ遠くからわざわざうつ病で多くの薬を服用中の新婚さんおひとりが約6か月お越しになっている。メンクリで多くの薬を処方されています。必ず家人が同伴されますが家人は診察室へは入ってこられないことが多い。目指すところは妊娠です。そのためには薬を少しでも減らしていくことです。第二回目の診察で「先生目を見て話すんやね」と言われた。初めてそんなことを言われました。さて妊娠するとハッピーなので「女性にとって幸福を感じる時期であるので精神疾患特にうつが悪化することはないのだろうか?」いやそんなことはありません。薬物療法をやめると4人に3人が大うつ病の発作が起きるとのことです。更には約2人に1人はうつ治療中止後妊娠期間中に再発したそうです。妊娠中のうつは産後のうつを3杯リスクを高め、早産や低体重児の出産につながるそうです。更には低栄養、自殺とも関係してきます。つまり薬物使用は最小限に志母体の安定と胎児への薬の影響を最小限にすることが目標です。女性のうつの好発年齢は20歳代とさらに重傷な陽極性障害つまり昔の言い方をすると躁うつ病は50歳前後です。子育て、更年期、介護女性には避けてとれない道です。