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入院中の他科受診

眼科・アレルギー科は特殊な診療にあたる診療科です。したがって入院した病院に眼科・アレルギー科など特殊診療科ががなければかかりつけの眼科を受診していただく事になります。出来高病棟以外の病棟へ入院中の患者さんの他科受診では薬の処方は一日分となっています。今日は社保支払基金から電話で疑義紹介を受けました。昨年の9月・10月の話で○○病院回復期リハビリテーション病棟入院の患者さんについて一日単位で薬は処方するところであるが現実には一本単位の処方を巡り連絡がありました。点眼薬一本はいくら入っているか。その中で一日分だけ非衛生的処置をして患者さんに渡すなんて信じられない発想です。私が点眼薬は一日分は出せないから一本単位だと保険通信に記載されていたと申すと勉強不足ですいませんとのことでした。さらに確定申告が済んでいるこの時期にわざわざそんなこと言われても困ります。今更修正申告をそう簡単にはできません。健康保険の査定は確定申告までで事項にしてほしい。いまは一年くらい前のものが査定されることがある。確定申告で所得として挙がっているのに何とかしてほしい。今日は人の動きが止まっています。社会にとって医療機関が暇なのはよいことかもしれません。

過酸化水素による消毒

ソフトコンタクトレンズを消毒するときの液は何をお使いですか?過酸化水素をお使いの方も結構おられることかと思います。過酸化水素は時間の経過とともに水と酸素に分かれます。つまり安全です。ぶくぶく泡が出るのは酸素です。しかし、一定時間経過しないと中和しないのが欠点です。昔は煮沸消毒があった。今は煮沸消毒は販売していません。つまり皆さん高級な消毒液を使わざるを得ない時代となっております。私が姫路に戻った阪神淡路大震災のころは保護者の方は「コンタクトレンズなんてまだ早い」と言いつつバイトのお金で賄うことを条件に初めてのコンタクトレンズを始める時代でした。昨日診療に来られた方の話では御幸通りの眼科で診察する医師?この液良いから買ってねと営業されたとかJ社のレンズがほしいのに執拗に他のブランドのコンタクトレンズをすすめられたそうである。さら診察代が300円くらいだった聞いた。要するにコンタクトレンズの患者さんが多い診療所は不要であると厚生労働省が判断しておりコンタクトレンズ検査が多い眼科の排除を目的としており、つい最近も尼崎と加古川のコンタクトレンズ診療所が保険医慮機関停止処分を受けたのは有名な話です。一度処分されると5年の保険医停止です。しかし、コンタクトレンズ検査料Ⅱを算定する医療機関はやってゆけないように厚生労働省はしてある。だから、不正に手を染める。Rという消毒液が自主回収されたことがある。そこで私が学んだことはRという名前は同じであっても国により成分が異なることであった。煮沸器があればアカントアメーバの感染症もこわくないのになあ。そして液も安いのになあ。

OCT導入です

本日OCTがやってきました。OCTは緑内障と黄斑部の病気の診断に有効です。3年経って消費税が上がってから購入するのがベターと思いましたがファイリングシステムがパンクしましたのであわせて思い切って購入することとなりました。あれば便利なくても診療はできるのがOCTです。眼科の世界ではOCTが開業時になくてはならないものに変身しています。なぜなら病院の眼科ではOCTが標準になっています。緑内障ではOCTの普及とともにプレペリメトリックグラウコーマという概念が普及していくと考えられます。視神経乳頭所見と対応する視野所見というのがこれまでの緑内障診断の基本をなしていましたが変わるかもしれません。性的視野検査で緑内障と診断した時には40パーセントの視神経繊維が欠損していることが知られていますがこれからは40パーセント未満の視神経繊維欠損も積極的に治療して行く時代の到来かもしれません。立体的に診ないとわからなかった黄斑部疾患もOCTがあれば容易に診断できるかもしれません。税務的には手術しない施設では不要かもしれませんがこれからは標準装備になるかもしれません。

1000万円

1000万円あったら何をしますか?私は眼科の器械を購入することにしました。今日、注文しました。今月末に納品予定です。たまたま器械が壊れたので一緒に買ったら安くしてもらえるかなあ。そして研修医時代私は放射線科、眼科で研修医をされていた女医さんから電話があって相談され一緒に買ったら安くなるというので夢を持ちました。私のクリニックの会計事務所は近畿に医療機関200件弱を顧問先として持っていてしかも眼科に強いようです。相談したところ「やめときなさい」と言われました。診断つけてもどうせ紹介状書いたら終わりでしょということです。確かに夢を追っているかもしれません。私は仕事以外何も趣味がないので。車もペーパードライバーだし衣服も医師には見えない格好かもしれません。愛車の自転車も普通の自転車です。もっといいやつ買ったらよいのにと言われますが今ので十分です。今日来た患者さんにも「お待たせしてすみません」というとアンタは要領悪いと言われました。その患者さんは10年以上来てくださっています。ありがたい忠告と思い御礼を申し上げました。言いにくいことを言ってくださる方はありがたい患者さんです。確かに元を取れない器械に1000万円投資してなんになるといわれたら返す言葉がない。もう戻れない。

緑内障検診

緑内障検診は何でどういう検査で見つけると効率的でしょうか?

色覚異常

色覚異常の検査を希望しないとあるいは親がおかしいと思わないと受けられな時代です。しかし、男子児童の20パーセントに見られるまれではない状態です。日本眼科学会誌に「こんなスライドやめてください」というのが載ってました。赤と緑これは大変有名です。庭園で緑の木が茂っている中で赤の花がポツンを咲いている状態です。オレンジと黄緑、緑と茶色、青と紫。さらにピンクと白と灰色、緑と灰色と黒、赤と黒、ピンクと明るい青などだそうです。更には多数の色を一枚のスライドを使わないようにさらに背景色と文字のコントラストをつけるように注文がついていました。さすが眼科の一番権威ある学会です。これからはユニバーサルデザインの時代です。色だけで見分ける時代は次第に変化してゆきます。小学校で色覚検査を施行しなくなりました。その制度がなくなった初期の方が就職する時代を迎えております。色覚検査はやはり必要な気がします。

コンドロン点眼液

コンドロン点眼液についてアクセスが増えています。「コンドロン点眼液なぜなくなるのか」といった類のアクセスです。コンドロン点眼液は大変古い薬です。点眼薬にも最低薬価というものがあります。つまり古い薬はどんどん安くなります。そして最低薬価になるとやめたいと製薬マーカーは申し出ますが厚生労働省は許可しません。庶民の感情から言うとなぜ「コンドロン点眼液」はなくなるのか?多分製造元の会社はずーっと前からコンドロン点眼液はやめたかったはずです。利益を生むどころかひょっとして赤字を生むかもしれません。コンドロン点眼液でまぶたがかぶれて怒られたこともありますがドライアイかどうか診断するにはコンドロン点眼液を処方して喜ばれたらドライアイだと診断していました。3月は別れの月です。私はさみしさを感じるいやなつきです。コンドロン点眼液はヒア連点眼液にジェネリック医薬品が出るという時代に負けた格好になっています。歌謡曲のテーマでも卒業や別れをテーマにしたものが桜より多い気がするのは気のせいでしょうか。私の時代は金八先生や贈る言葉はまだありませんでした。中学校や高校の卒業式にどんな曲がうたわれたか全く覚えておりません。勉強しないからTVしまってあったかもしれません。

コンプライアンスとアドヒアランス

コンプライアンスからアドヒアランスへと医学の世界では用語が変わった。コンプライアンスといえば企業の法令順守などのイメージがあります。つまり必ず上下関係が存在しますがアドヒアランスは対等な関係です。眼科疾患で超慢性疾患といえば緑内障とドライアイではないでしょうか?その中でドライアイは気持ちよくなることが治療の目的です。しかし、緑内障の薬は点眼してもしみるとかかすむとかご本人にとって良いことは少ないと思います。そんな中でアドヒアランスが重要です。緑内障は点眼によって進行を予防できる病気です。緑内障の手術は大幅に減少しています。手術を受けて喜ぶ人は少ない、まずいない。緑内障と診断しても2割が治療を中断しています、他の医療機関へ流れているかもしれません、点眼薬で治療するにしても副作用があります。アイファガンならアレルギーです。20パーセントの人にアレルギーが起こるという報告があります。多すぎる。偽落屑症候群による偽落屑緑内障や偽落屑白内障というのをご存知ですか。水晶体の上にふけ様物質がついている状態です。急に眼圧があがります。何人かそんな方を経験しましたがご本人が皆さんびっくりします。中には眼圧60mmHgまで上昇し目の前が白くなったという方もいらっしゃいます。超慢性疾患である緑内障は症状がでたら遅い。

緑内障患者さんの禁忌薬

緑内障患者さんの禁忌薬は大雑把に考えて抗コリン薬と血管拡張薬が挙げられます。700から800もの薬が緑内障禁忌と記載されているそうです。血管拡張薬とは狭心症の薬が挙げられます。抗コリン薬は胃カメラの前のブスコパンや過活動性膀胱の治療薬などです。OABつまり過活動性膀胱に対する薬が新たに出るそうです。新しい過活動膀胱の薬の名はファイザーからトビエース錠です。トビエース錠の禁忌事項の一つに「眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障患者」との記載があります。ここまでの記載は今までの禁忌事項にはなかったはずです。過活動性膀胱の薬には抗コリン作用があります。抗コリン作用は膀胱収縮が抑制されたり消化管蠕動を抑制します。抗コリン作用で心疾患も悪化します。過活動性膀胱はなぜ女性に多いのでしょう。勉強します。ドライアイが中年以降の女性に多いのは更年期を迎えると女性ホルモンが減少すること関係するようです。マイボーム腺はアンドロゲン依存であることに関係します。閉塞隅角緑内障のアタックも女性に多いはずです。なぜなのでしょう。かなりの性差があったはずです。たしかに浅前房は女性に多い。

新眼科診療アップデートセミナーと託児室

京都で行われていた眼科診療アップデートセミナーは10回を持って終了しました。眼科診療アップデートセミナーは宿泊費とは別に参加費つまり会費3万円と高価ですが大変人気を博した会でした。眼科診療アップデートセミナーは10回で終了予定でしたが世話人の方のご尽力で今年から新眼科診療アップデートセミナーが始まりました。アップデートセミナーは三月二日から三日にかけて行われました。パワーポイントのスライドがカラーでいただけるのがセールスポイントのひとつです。昨年まで一円台20分でしたが25分に延長されました。3月3日は朝8時から講演でした。朝7時30分に受付しましたが結構人がいました。女医さんが多く参加するのがこの会の特徴です。当然託児室もあります。そして世話人の眼科教授の名司会で手際よく時間通りに進行してゆきます。あっという間に終了です。女医さんが参加しやすいようにポピンズさんの託児室も人気でした。小児の患者さんが減っても「イクメン大好き」な私も小学校6年生まで託児室にあずかっていただけたので子供づれで参加しました。オセロやチョコレートのパズルなどいろいろ楽しんだと報告書までいただきました。4月の日本眼科学会は託児室が小学校入学までのお子さんが対象なので残念ながら子供を連れての参加とはいきません。女性医師の多い眼科学会です。まして眼科専門医の更新には5年間で一回の日本眼科学会への参加が義務付けられています。日本眼科学会でも託児室の対象年齢を拡大していただきたいものです。