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ドライアイ研究会主催講習会

ドライアイ研究会主催講習会は2月3日節分の日に行われました。昨年に比べ一月早い開催です。朝9時からという講習会としては早い開始時刻でした。朝10時からなら朝6時発の新幹線に乗れば東京駅に9時7分に到着します。ドライアイ研究会主催講習会は休憩なしの3時間余りの講演は私のような浅学のものにとっては目からうろこの話ばかりです。ドライアイ研究会主催講習会はテキストがあるのでとても助かります。最初のTFOTの話は何回きいても感動します。日本から発信されるドライアイ治療の方針です。逆にアメリカからはリピフロ―の講演をライブで聞きました。器械だけで一千万円するそうです。目を温めマッサージする機会です。更に角膜の上にのせるものがディスポーザルで百ドルですので庶民にはお高い治療です。もしTPPに日本が入ればお金持ちが良い医療を受けるんでしょうね。ドライアイ研究会とは話が変わりますが両眼で90から100万円する治療を受ける予定の患者さんが私のクリニックに2人もお越しです。オーダーメイドのドイツ製の乱視用遠近両用眼内レンズを入れるそうです。格差社会ですか。ドライアイ研究会主催講習会に戻ります。シルマー試験より感度・特異度が高い検査ができていることにも感動いたしました。実用視力ですが「OSAKA STUDY」という大規模臨床試験が行われていることを聞き目がテンになりました。たくさん学会発表されているそうですね。そしてドライアイがあればなんでもドライアイで話をおわらせようと考えますが近視の過矯正にももっと関心を持つべきだと思いました。折角、医師が視力を測るクリニックですからもっと視力検査をしたいと思いました。病気は一つとは限りません。ドライアイと近視の過矯正めがねにご注意ください。

現時点でのムコスタ点眼液の考え方

ムコスタ点眼液は発売から1年を経過しました。ムコスタ点眼液は作用機序不明であるためムコスタ点眼液が本当によく効く人を探すのは困難である。作用機序的には結膜杯細胞からは分泌型ムチンが酸性される。更には杯細胞そのものの数を増やします。角膜上皮に増やすように働き分泌型ムチンを賛成します。さらにはサイトカインプロフィールの関与により抗炎症作用を有している可能性が高い。ジクアス点眼液は結膜上皮に働き水分分泌を促進します。杯細胞から分泌型ムチンを分泌します。角膜上皮に働きかけ膜型ムチンを分泌します。ジクアス点眼液はP2Y2受容体に働きます。ムチンだけではなく水も分泌します。一方ムコスタ点眼液は目を粘膜ととらえて治療を行う考えが浸透しています。ムコスタ錠は胃薬です。胃は粘膜です。ムコスタもジクアスもムチン分泌促進作用を有することは変わりありません。TFOTはTear Film Oriented therapyの略です。涙は昔わたくしが眼科専門医試験を受けたころには3層構造でしたがいまは水・ムチン層と油層からなることがわかっています。ムコスタ点眼液やジクアス点眼液を使えるのは日本だけです。作用機序不明の不思議な薬ムコスタ点眼液。一年後にはもっと使われているでしょうか?

こわいはなし

昨年11月に2回急病センターへ出務した。その時重症患者さんがそれぞれひとりこられました。そのうちのおひとりが角膜穿孔していました。眼内異物があるかもしれないと某市民病院へ紹介しました。その結果が送られて!。眼内遺物がCTで見つかったそうです。緊急硝子体手術がおこなわれたそうです。市民病院でも異物は炎症のためよくみえないそうです。こわいこわい。ちょうど一週間前です。つぎは糖尿病の放置例です。2か月ほど来られていませんでした。血糖512mg/dl、血圧176mmHgと電話で伝えたら奥さん同伴でお越しになられました。話を聞くと記銘力低下がみられました。思い出せないことが最近多いとのことでいた。MRIを他院へ次の一人に行っていただきました。奥さん同伴でCDをもってこられたのでPCでみるとなんとT1強調画像でハイインテンシティではないか?大きいことはないがかなり浮腫の強いロウインテンシティがまわりにあるではないか?思わず予約していた認知症の検査はキャンセルしました。こわいこわい。さらにもう一つ。眼底出血が一つだけの患者さんが2週間後来院。出血がいっぱいになっていました。内科は通っていると思ったが無診療投薬。医師の前に行くのは年間一回程度とのことでした。血圧の薬など飲んだことがない。これだけ寒いと血圧が上昇しますよね。姫路は寒い。皆さん血圧にはくれぐれもご注意ください。

ブレイクアップタイム

ブレイクアップタイムつまりBUTとはフルオレセイン染色を行い涙液を可視化するなかで行う検査です。細隙灯顕微鏡下でまぶたを開けた状態で角膜上にドライスポットができるまでの時間を測定するものです。BUTは5秒以下が異常値です。10秒以上が正常値です。かっては難病でブレイクアップするかということばかり話題に上りましたが最近は時間つまりBUTのみならずブレイクアップの形にも注目されるようになっております。線状のブレイクアップは涙液量の減少、丸いブレイクアップは涙液の質の不良です。丸いドライアイはBUT短縮型ドライアイで見られる。涙液の安定性の低下は涙液のムチン層・油層の異常です。VDT作業者に多いとされる。BUT短縮型ドライアイは他覚的所見は軽いが自覚症状は強い。

ドライアイと4つのブレイクアップ

ドライアイを分類する手段で有効な方法はブレイクアップを見ることです。フルオレスチン染色を行い、線状のブレイクアップは涙液減少です。丸いブレイクアップは涙液の質の不良です。ドライアイには4つのブレイクが存在する。ラインブレイク、スポットブレイク、ランダムブレイク、エリアブレイクの中で軽症から中等症の涙液減少型ドライアイはラインブレイクの所見がみられます。ラインブレイクアップのメカニズムは涙液層形成の途中で角膜下方に涙液層破壊が起こります。涙液層形成の途中で角膜下方に涙液層破壊が起こります。涙液の水分減少によるものです。涙液層破壊を診ろことで角膜上皮の水濡れ性の低下を知ることが可能です。それにより角結膜上皮細胞の層別治療つまりTFOTに具体的な点眼薬でいうとジクアス点眼とムコスタ点眼に主流が移ることになるでしょう。ジクアス点眼は目の疲れや乾燥に有効です。ムコスタ点眼は異物感や眼痛などの改善に特に有効です。アメリカでは免疫抑制剤スターシスが中心です。日本かアメリカかどちらの流れが主流になるか?涙液層の形成過程でつまり角膜への塗り付け過程で涙液層が破壊されるのがスポットブレイクです。スポットブレイクはみず濡れ性低下型ドライアイとかBUT短縮型ドライアイとか言われています。ランダムブレイクは瞬目ごとに変わる蒸発更新型ドライアイに多い。涙液層破壊がランダムなブレイクアップです。ランダムブレイクアップは油層上方進展が終了してから場所を選ばない涙液層破壊です。まだまだ分からないことだらけのようです。

ステロイド配合眼軟膏

ステロイド配合眼軟膏は一番弱いウイークのものしか存在しないと思っておりました。ミディアムのステロイド眼軟膏を日東メデイックで発見しました。日東メディックのDEX眼軟膏Tです。アトピー性皮膚炎ガイドラインでは首から上にはステロイド外用薬はウイークかミディアムを使うことが進められています。皮膚が薄くなるからです。アトピー性皮膚炎の方が西川クリニックでは多いのでウイークでは力不足を感じておりました。しかし、眼軟膏といえども目の中に入ると眼圧上昇のリスクが存在します。すべてのステロイド外用薬が目に入ると眼圧上昇リスクを背負います。今日はメガネの花あてあたりだけが赤くなる方にDEX眼軟膏T0.1パーセンを処方しました。ウイークの酢酸プレドニゾロン眼軟膏でさっぱり聞かないと患者さんがおっしゃったからです。EE軟膏には硫酸フラジオマイシンが配合されておりかなり接触性皮膚炎リスクを高めるようです。昔火傷によく使ったソフラチュールは硫酸フラジオマイシン製剤です。

ドライアイと性差

ドライアイは3対1で女性に多いとされる。更年期障害に対しホルモン補充療法を行いドライアイ或いは角膜障害を起こし来院され方が時々見られるようになった。男性は20代、女性は60代にドライアイのピークがあるそうです。性差の原因はアンドロゲンが涙腺やマイボーム腺に対して保護的に働くからさらには女性はもともと男性ホルモンであるアンドロゲンが少なく更年期を迎えるとさらにアンドロゲンが低下するとされています。しかしこれでは青年男子に多いことの説明はできないとされています。これがドライアイの定義やメカニズムが国々で異なる原因と考えられます。アメリカへ行けばドライアイは免疫抑制剤がファーストチョイス、日本ではちょっと前までヒアルロン酸Naの点眼や人工涙液の点眼が勧められていました。いまではスリーコンポネント治療に時代となっています。眼軟膏、ムチン分泌、水を補給の3つを補うものです。科学的になぜ成年男子にドライアイは多いのか?ドライアイの原因は様々です。解明される日が待ち遠しく思います。

姫路のドライアイとジクアス点眼液

姫路の冬はドライアイの方には最悪です。雪が降らない。日本海からの湿った空気も来ない。ひたすら寒い。したがって空気はからからです。姫路の冬はドライアイの方にはつらい。プラグを入れるのは怖い。したがって点眼治療から入るのが普通です。ためしてガッテンはバラエテイ番組といわれるくらい注目の番組です、ムコスタ点眼で視力があがると話題になりましたが普通の視力検査ではなく実用視力といわれるものです。実用視力は5Mの距離で測ることは同じです。しかし、実用視力検査には時間の概念が入ります。ムコスタ点眼液がゲル化に成功するかどうかわからぬ状態において今現在ヒアルロン酸製剤では結膜嚢への滞留時間15分、人工涙液マイテイア点眼では5分一方ジクアス点眼液では30分以上にわたり涙液量を増加させる。BUT延長効果も強い。継続使用で効果があがる。糸を引き目やにや「しみる私には強い」と患者さんに怒られ時がある。ジクアス点眼液の作用機序は結膜上皮から水分分泌結膜杯細胞からMuc5AC分泌を中心としたムチン分泌,角結膜上皮細胞を直接刺激します。そして、塩素イオンの分泌に伴う水分分泌増加させます、つまり、ジクアス点眼液が画期的なのは外から与えるのではなく自分の細胞が持つ治癒能力を助けるのである。ムコスタ点がと異なり透明でディンプルの容器がよい。特にご老人に圧倒的人気のディンプルの容器は参天製薬が特許を取ってますから他社ではまねできません。

ドライアイ研究会とLipiFlow

東京で開催されるドライアイ研究会の演題を見ていると「LipiFlow」についての演題があります。「LipiFlow」は一回した施術したら持続期間は1年とも3年ともいわれている。まぶたを内側から温める器械です。アメリカでも数か所の限った施設しか施術していない話題の治療だそうです。「LipiFlow」は眼瞼結膜を温め、瞼板腺をマッサージする器械だそうです。ドライアイ研究会へ行きたいなあ。しかし、3月の関西眼疾患研究会も申し込んでいます、3月には生涯教育神戸講座も開催されます。子供の受験も終わりすべて通るかすべて落ちるか?どっちもありかなあ。神のみぞ知る。しんどいなあ。どうしようと悩んでいます。

実用視力

通常の視力検査を最大瞬間視力とすると、実用視力は日常の見え方といえます。実用視力は一分間に2秒ごとに視力検査を施行します。2回続けて間違えると指標が下がる。正解すると指標があがる。興和から除くタイプの器械が発売されているそうです。ゲル化製材の緑内障薬が発売されたとき患者さんから緑内障という言葉が持つ意味が大きいうえに数分間目がかすむと一生見にくくなるといわれた経験を有します。今、ムコスタ点眼という懸濁液製剤が発売されました。瞬間的に目の前真っ白になる画期的なお薬です。ムコスタ点眼液のゲル化製剤が発売される日を待っている一人です。XE製剤ではコントラスト感度の低下や高次収差の増加が報告されています。眼軟膏も高次収差の増加が続くそうです。そこで飛び出したのがガッテンだったようです。ムコスタ点眼液の点眼により「物の見え方が一時的に悪くなる」が実用視力には影響がないそうです。我が家にはTVがおいてありますが子供がが不登校になって以来一度もTVはコンセントにつながっていません。「視力があがった」「見える」医師免許をお持ちの患者さんもおっしゃいました。