記事一覧

フルオレセイン染色

眼科を受診してハンカチを黄色で汚したことはありませんか?蛍光ペンの黄色のような色がついたことはありませんか?フルオレセイン染色をしています。フルオレセイン染色の目的は眼圧を測る、HCLのフィッテイングを観察する。、BUTを測る、角膜のキズを見る。更には最近、角膜のみならず話題の結膜を見ることを重要視している。眼科医にとって多くのことがゆっくり見ていると見えてくる。結膜弛緩症もみえてくる。ドライアイ研究会にお願いすればリサミングリーン染色やローズベンガル染色など多くの材料を分けていただけます。最近はフルオレセイン染色の仕方まで丁寧に記載され時代です。昔はべたべたに染めていました。フルオレセイン染色で何を目的として観察するかで染め方も大きく異なります。点眼麻酔をするかどうかで大きく変わります。フルオレセイン染色では薬剤毒性なら角膜のみ染色されます。涙液減少型ドライアイなら角膜も結膜も染色されます。

涙は二層構造

涙は2層構造です。嘘でしょう、本当ですよ。以前は涙は三層構造とされてきましたが最近は2層構造とされています。二層とは油層と水・ムチン層の二層です。従来は涙液は三層とはムチン層、水層、油層とされてきました。ムチンも分泌型ムチンと膜型ムチンに分けられます。分泌型ムチン主にMUC5ACは結膜杯細胞から分泌されます。涙液をゲル化して粘性を与えます。分泌型ムチンは涙液膜安定化作用があります。潤滑油として働きます。診察所見は軽いが自覚症状がつよいBUT短縮型ドライアイに対して分泌型ムチンの膜安定化作用に異常があるのが瞬目不全型ドライアイです。瞬目不全型ドライアイは下方角膜にキズが存在することになります。ムコスタ点眼液で有効な例はどんどん増えています。ジクアス点眼液も一度はダメといった人が今一度試してみるとよいといわれています。おなじわたくしが処方する薬ですすらこの状態です。プラセボつまり偽薬で30パーセント有効です。TVの効果は大きいです。

アラキドン酸カスケードと緑内障

アラキドン酸カスケード細胞膜のリン脂質にホスホリパーゼA2が作用し遊離アラキドン酸が産生されCOXが作用してPGG2さらにはPGH2そして眼圧下降作用を有するPGD2、PGE2、PGF2α、眼圧には関係しないPGI2,TXA2があります。5-リポキシゲナーゼが働き5-HPETEが産生されさらにLT類が生成されます。ロイコトリエンは鼻炎や喘息の原因とされています。緑内障薬で単剤NO1の売上高のラタノプロストは フォスフォリパーゼA2を活性化します。ニプラジロールはNO活性とCOXを高めPGつまりプロスタグランジン活性を高めます。

ωー3脂肪酸とドライアイ

ω―3脂肪酸はリノレン酸、ωー6脂肪酸はリノール酸です。ωー3も6も高不飽和脂肪酸です。ω―3脂肪酸といえばエパデールであったがEPAとDHA配合のロトリガ粒状カプセル2gが登場すると眼科でドライアイを研究するグループは目を輝かせるかもしれない。ドライアイの予防または治療にω―3脂肪酸が注目されているからです。マグロを週4回食べるとドライアイリスクを20パーセント軽減させるとされています。マグロを週5回以上摂取するとドライアイリスクを70パーセントも下げるそうです。ωー6脂肪酸とωー3脂肪酸の接種日は4対1が理想的だそうです。米国では10対1で接種しているそうです。ω―3脂肪酸は動脈硬化抑制、ωー6脂肪酸は動脈硬化促進に働きます。ωー3脂肪酸はEPAとDHAです。ω―6脂肪酸はアラキドン酸です。

ヒアレインミニ点眼液のジェネリック医薬品

ヒアレインミニ点眼液のスイッチOTC化は以前ブログで書きました。ヒアレインミニ点眼液のジェネリック医薬品も登場していることを遅ればせながら初めて知りました。以前ブログに記載したようにヒアレインミニはBAKフリーです。ヒアレインミニ点眼液でも接触性皮膚炎は発症します。接触性皮膚炎は塩化ベンザルコニウムではなく添加物の影響です。ジェネリック医薬品は先発品の値段が8掛けというのが売りですがヒアレインミニ点眼液は8掛けにはならないそうです。ヒアレインミニ点眼液は容器代がかさみそうな気がいたします。100パーセントヒアルロン酸は医療用製剤のみです。ヒアレインミニ点眼液の最大の問題点は健康保険ではシェーグレン症候群やスティ―ブンジョンソン症候群にしか用いられないことです。なぜヒアレインミニ点眼液のジェネリック医薬品は8掛けにならなかったのだろうか?薬価収載ってどうなっているんでしょう。

ドライアイと炎症

シェーグレン症候群は涙腺や唾液腺を標的臓器とする自己免疫疾患です。関節リウマチ等膠原病に合併するものは二次性シェーグレン症候群とされています。シェーグレン症候群はリンパ球性炎症です。ドライアイは炎症です。だから胃炎の薬であるムコスタ点眼液が目の炎症であるドライアイに有効との考え方です。アメリカではドライアイは炎症でシクロスポリンのみが薬として用いられているようです。その他の点眼薬は薬ではなくドラッグストアで買えるものだそうです。日本で用いられている目の水分補給の薬はアメリカでは主薬ではありません。日本から世界のドライアイ治療をかえようとドライアイの権威といわれる医師が切磋琢磨されているようです。逆に申し上げると話題のムコスタ点眼液、ジクアス点眼液はどのように使うか?まだわからないことばかりです。上輪部角結膜炎や酒さ、コンタクトレンズのドライアイには摩擦が関与すると考えられるようになっている。摩擦は炎症そのものです。ここでいう炎症は広い意味での炎症です。

乳頭出血

眼科における乳頭とは視神経乳頭です。視神経から出血するのが乳頭出血です。正常眼圧緑内障で視視神経の乳頭から出血するのが問題です。乳頭出血は緑内障悪化のメルクマールです。視神経乳頭の耳側に90パーセント見られます。つまり乳頭出血は耳側つまり黄斑近くに出現しやすい。乳頭出血を見落とさないためにはK大の眼科教授はほぼ全例に眼底カメラをとるそうです。そして神経線維層欠損と乳頭出血を探すそうです。緑内障はドライアイとともに眼科では数少ない慢性疾患です。早期発見するためには高い倍率で後極部を観察できる眼底カメラの活用が欠かせません。一から三か月で消失し視野検査で悪化を認めます。乳頭出血は最初に見たときは異常のない視野検査の方が次第に緑内障性変化を伴うようになります。眼圧は正常値で10から20mmHgの場合が多い。倒像鏡では見落とすかもしれない。

四つのブレイクとドライアイ パート1

四つのブレイクとはドライアイの方のフルオレセイン染色パターンによるドライアイ分類です。スポットブレイク、ラインブレイク、ランダムブレイク、エリアブレイクの4つがあります。その中で注目されるのがスポットブレイクです。BUT短縮型ドライアイのスポットブレイクです。スポットブレイクは涙液層の形成過程の中の角膜上の水分塗り付け過程で涙液層が破壊されます。開瞼直後の円形の涙液破壊です。病態は表皮上層の水濡れ性低下です。3コンポ―ネント治療から言うと膜型ムチンを補うことです。ムコスタ点眼液、ジクアス点眼液がとても期待される分野です。スポットブレイクがみられる例ではBUTは0秒です。ジクアスは水も分泌しますがムコスタ点眼液は保湿効果を期待してヒアルロン酸Naの併用を行っています。

涙が出るドライアイ

最近涙が出る人が姫路では多いのではないでしょうか?ドライアイかもしれませんよ。重症ドライアイは涙がでませんが比較的軽症のドライアイは知覚神経刺激でリフレックスループ涙腺システムを介して涙を増やします。今の時期の姫路は空気が乾燥し、冷えた空気、乾燥が刺激になりリフレックスループ涙腺システムによる涙液増加が反射性に起こっていると思います。シェーグレン症候群のような重症ドライアイと違い軽いドライアイではリフレックスループ涙腺刺激が起こります。日本のドライアイ治療は従来水分補給でした。たしかに乾燥した冷たい空気の中でヒアルロン酸を補充することはよいことです。気持ち良いと思います。アイマスクでも温罨法もとても気持ち良いです。昨日も今日も通勤途中で霜を見ました。さむいですね。感染性胃腸炎は兵庫県ではやっており全国で2番目と書いてありました。ノロウイルス感染症ですよね。こわいこわい医療介護施設で流行すれば全滅です。まな板には次亜塩素酸ソーダつまりハイターです。

実用視力

ためしてガッテンでムコスタ点眼液やジクアス点眼液を用いると視力が改善するという話があったそうです。これに対し医師の間ではムコスタ点眼液やジクアス点眼液で視力が改善するというのは言い過ぎではないかとサイト上でディスッカションしていた。車の運転時、パソコンの画面でのかすみ目の成因として考えられたのは眼瞼の運動です。開瞼することにより眼表面の涙液動態の変化が視機能に影響するそこに時間の概念を加えて視機能を評価する概念が実用視力です。実用視力から考えると改善すということのようですね。実用視力は実用視力専用の機会が必要でどこでも測れるものではありません。