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悪循環

人生もドライアイも悪循環です。きょうはリフレックスループ涙腺システムの話です。ドライアイになると涙が出ます。なぜだかわかりますか?目が乾くと生体防御反応として潤うよう反応します。然しこれが悪循環になることもあります。これを最近はリフレックスループ―涙腺システムと呼んでいます。角膜は三叉神経の支配を受けています。そのため異物が入ると異物感が原因で涙が出ます。これは悪循環ではありません。シェーグレン症候群の方は涙腺が破壊され涙を作ることができません。ふつう、ドライアイは泣いたら涙が分泌されます。涙の安定性の低下により症状が出ます。核膜上皮障害が発生します。そして反射性涙液分泌が起こることをリフレックスループ涙腺システムと言います。そし涙の安定化を図る一連のメカニズムをレフレックスループ涙腺システムと言います。まずは問診でしょうじょうを聞く。さらに悪循環でドライアイからキズが入るメカニズムを考える。そしてリスクファクターを考える。そしたらジクアス点眼液やムコスタ点眼液がどのような方に合うかわかるかもしれません。今日も急病センターでがんばります。18時までです。姫路は長い拘束時間です。特に小児科の先生には頭が下がります。回数も多いからです。これも悪循環です。小児科医に増えてほしいです。

コソプトシンポジウム イン大阪

コソプトシンポジウムへ参加させていただきました。コソプトは点眼液です。ドルゾラミドとチモロール東海・北陸・近畿の眼科医の方が参加されていました。たいへん緑内障診療に役立つ内容でした。そして、コソプト点眼液の宣伝が非常に少ない講演会でした。少ない宣伝のなかで知ったことは緑内障点眼液のシェアの12パーセントまで伸びている支持されている薬であること。さらには他の配合薬が6パーセントしかないのに12パーセントまでシエアを伸ばしていることです。確かに使いやすい。よくないのはしみることですが、良いように解釈するとしみる点眼液は入っているかどうか明瞭で二滴目を点眼しないことです。話題としましたはOCTと視野検査をいかに使いこなすかです。HFAのパターン偏差をしっかり読むこと、NTGでは急な症状の変化は起こらないから急に暗く見えるというように急な変化があるときは緑内障ではなく網膜や頭の病気に目を向けようとのことでした。さらにもう一つの演題は正常眼、緑内障眼、高度近視眼にはオーバーラップしてるグループがあるので何か新しい指標を誰かが見つけることが大切であるとのことでした。たいへん学問的な話でした。あすはまた急病センターで働いております。今日はゆっくり休みたいです。

固い頭を柔らかくする

最近、視力を測りみえないことを確認し保護者の方に納得していただけたと思いきやご本人さんが「メガネなんていや」と拒否される時代になってきました。黙っていては分からないと聞くと「コンタクト」といわれる。時代の流れです。中学で「使い捨てコンタクトレンズ」、高校で「カラコン」ならまだしも小学生がメガネを使ったことがない小学生がコンタクトレンズを希望する。えらい時代です。さらにはオルソケラソロジ―の話題も多い。どうせ他院でするなら使い捨てコンタクトレンズでもカラコンでもなんでも指導すればよかったと思うこともあります。さらに「乱視」がありますねというと次回受診時には「この子は立体視もあるんです。」確かにいくら検査しても乳児医療があれば定額です。うちでチトマスステレオテストで立体視を検査したりや両眼視スクリーナーもしてればよかったと思いました。20年姫路で医療に携わっていますがすっかり時代遅れになったようです。しかし、コンタクトレンズを過剰に使うと「角膜内皮細胞の数が減少する」かことを知る人はどれくらいおられるのでしょうか?コンタクトレンズやオルソケラソロジ―問題だけではなく固い頭を柔らかくするとは「いったんクラス替えをしてしまっても学年途中にいじめ問題や不登校問題が生じた場合あるいは発覚した場合はクラス替えを認めるべきだと思うのはわたくしだけでしょうか?」私が中学3年生の時5月末までに1クラス40人になったらクラス替えをすることになっていました。いじめ問題が4月に発覚した場合もっと柔軟に対応するべきです。今も全国に私たち家族と同じように苦しむ多くの方のためにせつぼういたします。

萎縮型加齢黄斑変性

加齢黄斑変性は高額な治療費がかかる疾患です。しかし、治療しなくてもよいゆっくり進行する加齢黄斑変性症があります。加齢黄斑変性の中の萎縮型というものです。何が委縮するかというと網膜色素上皮細胞が委縮します。網膜色素上皮細胞とブルッフ膜の間に黄白色の物質がたまります。久山町スタデイでは50歳以上の日本人の100人に1人は加齢黄斑変性症と診断されています。滲出型黄斑変性症は高額で未認可の薬を用いたりする必要があります。萎縮型の黄斑変性症は何もしなくてよいと考えるか何もできないと考えるか?受け止め方の違いです。アメリカでは200万人の高度視覚障碍者がおられます。2020年には300万人にも及びます。黄斑変性症に関する久山町の疫学調査によりますと煙草が悪い、喫煙が唯一有意差があることが判明しました。そこで手を出したくなるのがサプリメントです。サプリメントの講習会も行きますが決して患者さんにお勧めは致しません。漢方薬にもEBMはありません。今から急病センターです。一日頑張ってきます。

前房出血

前房出血の患者さんが来られました。前房は角膜と虹彩の間です。ドッジボール中のハプニングでした。前房出血は何が怖いか?一つは再出血です。だから、あまり温めないように指導します。病院がまだあったころ前房出血は時間外や休日よくある疾患でした。お風呂はシャワーです。枕で睡眠時は頭を高くします、一度だけ再出血されたお子さんを経験しました。基幹病院にご紹介しましたが視力は回復しませんでした。もうひとつは続発性緑内障です。具体的に言うと眼圧が上昇することです。10年位してから急に眼圧が上昇し緑内障になることもあります。再出血と眼圧上昇です。再出血は10日以内が危険です。眼圧上昇は忘れたころの話となります。片眼の緑内障では外傷の既往特に忘れるくらい昔の外傷の既往が大切です。

アンチエイジングとドライアイ

「アンチエイジングとドライアイ」について学びました。お話しくださったのは先日の「ためしてガッテン」にご出演になりすっかりおなじみのK大の眼科学の教授です。いつも素晴らしい笑顔で「ごきげん」という言葉を連発されます。ドライアイに良いものは健全な食事、適度の運動そして「ごきげん」とかならず「ごきげん」がついてきます。「ごきげん」とは7時間は寝る、よく笑う、リラックスだそうです。ドライアイに関係する因子はVDT作業、コンタクトレンズ、ω―3脂肪酸のEPAとDHA,メタボリック症候群、MGDつまりマイボーム腺機能不全、そしてたばこです。さらに女性は男性に比べて2倍ドライアイのリスクがあがるそうです。ドライアイの診断基準には4項目あります。1つは視機能異常、2つめが自覚症状、3つめが涙液の異常、4つめが角膜の異常です。この4つがすべてそろえば確定、3つなら疑いです。関係ありませんが、最近、眼瞼下垂の手術の手術を希望される方が多いように思います。まぶたが下がっている方がドライアイには都合よいようです。形成外科で以前は日帰りでしたが一泊入院でされることがあるようです。たしかに次の日も受診するなら一泊入院の方が楽ですよね。

漢方エキス製剤で眼科に適応病名がある処方

漢方エキス製剤で眼科に適応病名があるものを調べてみました。すべてのメーカーで適応病名があるものはアレルギー性結膜炎です。そのくすりの名は小青龍湯です。後は会社により適応病名が違います。牛車腎気丸と八味地黄丸が「老人のかすみ目」です。充血はコタローの苓桂朮甘湯、急性結膜炎・フリクテン性結膜炎・翼状片は越婢加朮湯、角膜炎・結膜炎は葛根湯、眼精疲労は桂枝加竜骨牡蠣湯があげられます。会社によりまったく適応症が違います。小青龍湯はあとから付け足したそうですから別格です。なぜこんなに会社により適応症が眼科領域は違うのでしょうか?こんなに方剤と病名が一致しないとエビデンスレベルが低いですね。

Lid Higiene

Lid hygieneとはまぶたを衛生的に保つことです。まぶたをマッサージする。こつはなんて言うほどではありませんがこつはタリビッド眼軟膏を塗りまぶたを横にこすります。顔を洗う時には、顔をあらう一方で睫毛の根っこを洗います。マイボーム腺の管理がLidhygineでは一番大切です。マイボーム腺梗塞のかたが今日も来られました。マイボーム腺はあぶらの分泌腺です。梗塞とは心筋梗塞や脳梗塞と同じで詰まるということです。温度が低いと油が固まるから特殊なサーモグラフィーで観察すると低温になっているのが観察されました。Lid Hygieneはまぶたをそしてマイボーム腺をあたためることです。まぶたを温めることは難しい。専用の温罨法のツールが開発され市販されています。ムコスタ点眼やジクアス点眼だけではドライアイの克服は難しい。まぶたをあたためることが大切です。お風呂ではなかなか難しい。まぶたを温めることは保険の給付対象外です。ドラッグストアで売ってるまぶたを温めるものを積極的に活用するのもひとつです。

ドライアイとためしてガッテン

NHkの「ためしてガッテン」の効果は甚大です。ためしてガッテン放送後「ムコスタ点眼 ブログ」での検索が異常に増えています。今日の姫路は外は雨です。しっとりした空気で目が楽です。風邪が流行っていますがかぜの予防にもなります。目がコロコロする今日この頃です。すっかり冬のように寒い朝が続きます。寒くなると空気が乾燥します。ドライアイの症状がでてきます。涙が出るとかいうドライアイの方が結構いらっしゃいます。涙が出るというドライアイはどんなドライアイでしょうか?比較的軽いドライアイです。本当に重症になりますと涙が枯れてでなくなります。シェーグレン症候群が代表です。シェーグレン症候群は口渇とか目の乾燥とか全身の乾燥症状を認めます。関節リウマチに合併する二次性シェーグレンが多いとおもいます。昔は慢性関節リウマチ戸言ってましたが慢性という言葉は永遠に治らないようなマイナスのイメージが強いため慢性という言い方はしなくなりました。私のうちにはテレビがありません。残念ながら「ためしてガッテン」は見てません。でも、ためしてガッテンのおかげでムチンもメジャーになりました。日本発のドライアイ治療薬が世界中で使われると素晴らしいことだと思います。インフルエンザの予防接種もマスコミの取り上げ方次第です。先日「本当は怖いドライアイの話」がインタネットで講演されましたが何が怖いのかよくわかりませんでした。

本当は怖いドライアイの話

今日10月31日は「本当は怖いドライアイの話」という興味深いタイトルのインターネット講演会でした。車に乗らないわたくしにはぴったりです。BUT短縮型ドライアイにはムコスタ点眼がよい。ムコスタ点眼は最大4回までさすことができる点眼液です。ドライアイは老若男女誰でもかかる病態です、一方ドライアイはマイボーム腺の異常と大きく関係する。マイボーム腺は上のまぶたに25本、下のまぶたに20本あります。まぶたの皮膚粘膜移行部に位置します。マイボーム線は油成分を分泌します。ドライアイは慢性疾患で眼不快感の原因となる多因子疾患です。まぶたを洗う時はぬるま湯で洗いまぶたは横向きにマッサージするそうです。マッサージには血流改善も期待しています。眼科で攝子で圧迫するのもよいとのことでした。タバコとカフェインはなみだの分泌とどのように関係するでしょうか?カフェインは涙を分泌するそうです。一方、アルコールはBUTを短縮するそうです。論文になっているそうですよ。これは私も感じていることですがうつ病とドライアイの関係です。特に抗鬱剤を服用中の方にムコスタは大変有用です。関心のあるジクアスとの併用ですが有効なこともあるそうですが詳しくは不明だそうです。