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目をぱちぱちする子供

眼をぱちぱちする子供さんが診察に来られました。毎年秋になるとぱちぱちするという子供が診察にきます。一番の多いのはドライアイの一徴候です。空気が乾くと体は楽になるが目はしんどくなる。「ドライアイって治りますか?」ならぬ「ドライアイで一年も来ているのに治らない」という患者さんに出会ったことがあります。ドライアイは涙の量だけではなく瞬きや環境の要因が関与します。ドライアイは症候群です。いろいろな原因があります。ドライアイの治療を涙から考えると3コンポネント治療があります。ムコスタ点眼液のようにムチン分泌促進に働く点眼、ヒアルロン酸点眼液のように水の補給を行う点眼、さらにはタリビッド眼軟膏のように油の補給の3つのコンポネントがあります。まずは水の補給が簡単です。思い出しましたが長い間使われたコンドロン点眼液が絶品になります。製造中止です。古い薬を使っても患者さんが喜べばよいと思う。しかし、製薬会社も「ものづくり」の代表として生き残らねばならない。

漢方薬希望で高度遠視のお子さん

鼻炎の漢方薬希望の4歳のお子さん。今まで飲んだのは六君子湯と小青龍湯の錠剤だそうです。わたくしも錠剤で勝負しました。そこからです。目もついでに。オートレフをとると+10だ。びっくりした。視力は0.2くらい。ひらかなの視力表です。大変だ。高度の遠視だ。お母さんは「高度の遠視です。」というのが分からないようでお父さんに代わっていただきました。「要するに重症いうこやね」やっとわかってもらった。そのとおりです。きっとお母さんは遠視はよい目であると信じているのでしょう。遠視は近くが見えない悪い目であるとか疲れやすい目と思っておられないのでしょう。大きな病院に行くか、近医へ行くか、それともこのまま私のところまで来るか?漢方薬希望の方は遠くまで来るから大変です。今日、今からプールです。検査をしたいのですが時間はありますか?検査はできませんとお母さんはおっしゃいました。お父さんにもう一度同じ質問をしてみるべきだったかもしれません。プールは振り替えればよいのです。漢方薬希望の方は遠くから来られるから大変です。

漢方薬希望の重症患者さん

漢方薬希望の患者さんに重症者が多い。アトピー性皮膚炎の重症患者さん20年間ステロイド外用も保湿もしておられませんでした。漢方薬の処方は柴胡加竜骨牡蠣湯加減でした。清熱薬が生薬で加わっていました。煎じるのは大変な手間暇が必要です。何がそうさせたのか?さぞや相当な不信感を募らせておれることでしょう。せめてお風呂出た後スキンケアぐらいなさったらよいのになあと思います。ところでその人の目も診てほしい。白くなっているといわれたので診察すると角膜潰瘍である。柴胡加竜骨牡蠣湯加減単独では苦しい症例です。視力も矯正しても見えません。わたくしには紹介状を書くしかすべがなかった。漢方への期待の大きさと2000年の歴史を重く受け止めることが必要です。しかし、目という局所、そして皮膚という局所を治療するには局所の治療を優先すべき時が少なからず存在する。アトピー性皮膚炎は糖尿病に負けることなく眼科が出番がある病気です。ときどきおられます。柔らかいパンなど食べたことのない方が。食べられるものは食べるのが栄養バランスには大切です。

ドライアイの季節

姫路の10月は秋祭り一色です。眼科は11月になると全国一斉に暇になるという統計がございます。無色透明の糸を引くような目やにを出す人を診ます。ことしは気温がここ数年の10月の中では早く低下しているようです。したがって、湿度も低下しています。ドライアイの方にはつらい季節になってきます。姫路市は冬寒く雪が降らない。ドライアイにはつらい気候です。ムコスタ点眼液の新薬規制のため2週に一回通院されていた方ももうすぐ1年です。最近聞いた話ではムコスタ点眼液を有効に使うには水を涙の中に補うことが必要だそうです。それがヒアルロン酸製剤、人工涙液マイテイア、ソフトサンテイアのどれがよいかはわかりません。かつてはソフトサンティア点眼液が万能薬であったが硼酸の量が多いとの意見があり。ソフトサンテイア点眼液の角膜障害について報告があります。いつ発売されるかわからぬヒアレインミニのOTCってどれくらい高いんでしょうか?今年の夏はジクアス点眼液で糸状の粘液分泌がみられる方が多かった。どうもこれは、ドライアイが改善しているサインのようです。ジクアスを中止してよかったのか悪かったのか?まだわかりませんが来年は糸を引いたような粘液が出てもよくなる前触れであることを伝え続けてはどうかと勧めてみます。

片目が赤い

片目が赤い方が最近多く受診されます。片目が赤い時どのような病気を考えられますか?一番怖いのははやり目です。アデノウイルスによるウイルス感染症で特効薬がありません。2から3日すると両眼の充血がみられます。自分の手でうつしています。アデノウイルスのキットを施行しても70パーセントの陽性率です。アデノウイルスは非常に感染しやすいです。流水で手を洗うことが大切です。ヘルペスウイルスも侮れません。無疹性なので角膜病変がでないと診断できません。同じヘルペス属の帯状疱疹も同じですが頭が痛いという主訴で受診しCTを撮って異常なしと言われた後発疹が出て初めて帯状疱疹と診断されます。帯状疱疹は子供の時かかったヘルペス属の水痘ウイルスが神経節に潜伏することそして体が弱ったときにでてきます。3番目はアレルギーを考えます。アレルギーは普通両眼に病変が発症しますが片眼のこともあります。

石膏とふしぎ

石膏は漢方薬の中で使われる鉱物です。石膏は粉にすると食品の扱いになります。石膏は含水硫酸カルシウムが主成分です。石膏を載せたトロッコを使って中国では地下鉱脈を走ります。石膏は辛大寒甘ですので辛が勝ると発汗します。寒が勝ると汗は引きます。清熱瀉火作用と止渇作用があります。難溶性の塩です。石膏を100グラム使うのと10グラム使うのと違いがあるかという話を聞きました。それによると石膏は100グラムでも飽和しないそうです。石膏からカルシウムの流失はかなり遅い。アトピー性皮膚炎に石膏を大量に使うことは有用です。漢方では煎じることが重要です。難溶性の塩は熱水で注水されにくい。600ミリリットルの熱水に最大1グラムしか溶けません。これが石膏の不思議だと思います。

眼科コメディカル

わたくしは自分でけんさはできるだけするようしています。あまりたくさんの患者さんがお越しいただくと能力を超えてしまいます。眼科コメディカルをご存知ですか?以前はOMAと言われましたが国家資格と紛らわしいので眼科コメディカルと改称されました。同時に病院での検査の実習というのもなくなりました。意味することは何でしょうか?法律から考えると国家資格である視能訓練士、臨床検査技師、看護師に検査をしていただくのが合法的です。国家資格的にいうと眼科コメディカルは無資格者です。眼科にはほとんど看護師はいません。分からないから看護師さんと患者さんは言ってます。インターネットでOMAとか眼科コメディカルとか検索すると「ORTを目指して学校へ行った方がよいですよ」と書いてある。空その方がよいが学校へ行くのは大変です。眼科コメディカル修了証書を発行という形になっています。試験も都道府県の眼科医会の栽量の範囲になっています。OMAの時代と異なり試験は実施してないところも多いです。眼科コメディカルは修了書発行になった意味は何なんでしょう?最近このブログ爆発的な閲覧者ですよ。

人工涙液

人工涙液とその仲間の目薬についての話です。ソフトサンティア点眼液は従来、塩化ベンザルコニウムが入っていない一番安全な目薬とされてきました。しかし硼酸が高濃度に入っており角結膜障害を高率に起こすことが指摘されているようですね。ソフトサンティア点眼液を用いるとイオン性ソフトコンタクトレンズを変形させるという学会報告もあります。塩化ベンザルコニウムだけが悪ではなく代わりに何か入っている。マイティア点眼液は塩化ベンザルコニウムアレルギーさえなければというところのようです。代替え物質がもっと悪い事するかもしれないと考えないといけないようです。確かに女性中心に塩化ベンザルコニウムアレルギーで目の周りが赤くなる人多いです。水道水で目を洗うと角膜にキズが入る。だから、プールの後は洗眼はしない時代になってきています。何がよいのかわからない時代です。人生と同じで栄枯盛衰の理です。新しい眼科ができれば古い眼科はすたります。

ARBが点眼薬になるか

ARBは高血圧のくすりです。ARBはレニン―アンギオテンシン―アルドステロン系のアンギオテン系のアンギオテンシン受容体に働く薬です。ARBが眼圧下降効果を有し眼科で研究されているようです。β遮断薬、アルファ遮断薬などの抗緑内障薬はPG関連薬は違いますがもともと多くは高血圧の薬です。高血圧の薬が新しい緑内障薬になるかどうかは注目されるところです。ところで、ARBにはもう一つ働きがあります。角膜への働きです。角膜血管新生を抑制するとされています。角膜新生血管の治療薬さらには眼圧下降効果を狙い緑内障薬にもなるかもしれません。ARBの点眼液にもっとも有効なものはアルカリ外傷です。アルカリ性の物質例えば昔の運動場の白線はアルカリ性でした。今は代替え物質になっています。なぜアルカリ性が怖いか?酸性は凝固壊死、アルカリは融解壊死をおこします。アルカリ性のものが目の中に入ると時間とともに角膜を溶かしてゆきます。失明に至る怖い病気です。

緑内障と似た視神経所見

緑内障の診断は灰色のものがある。そのなかで緑内障でないと言い切ることは大変勇気が必要です。一番難しいのは近視特に高度近視に伴う変化です。高度近視ですと屈折性暗点という視野欠損があります。高度近視による視野障害は進行することがあります。進行した時緑内障かどうかはお釈迦様でもわかりません。次に、SSOHがあります。SSOHはつまり上方視神経低形成のことです。情報誌神経低形成は頻度が高い。視神経のリムのひ薄化とそれに対応する神経線維層欠損を呈することから緑内障と鑑別が必要です。網膜中心動脈の上方変位、乳頭上半の蒼白化、乳頭上半の周囲のハロー、上方の視神経繊維欠損および下方の高度視野欠損。最近はSSOHのとらえ方が日本人向けになってきているようです。若年者で鼻上側のリムの狭窄と蒼白、NFLDと対応する視野が楔形に欠損することなどが特徴です。