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非ステロイドは安全ですか

ステロイドと聞けば危険。非ステロイドの薬と聞くと安全という気がするのは?です。非ステロイド消炎薬は抗炎症効果はほとんど期待できません。外用薬で軟膏、クリーム、ローションそして点眼薬色々な剤型の外用薬があるが、ステロイドはステロイドです。尿素系の保湿薬と混ぜると皮膚の透過性が5倍になります。つまり薄めたつもりが逆に強力になります。NSAIDsとは非ステロイド薬のことです。抗炎症効果は弱いあるいは違うところに働く。NSAIDs点眼液はステロイド点眼液と内眼手術では併用されます。作用点が違うという考え方が原点にあります。然し皮膚科領域ではおそらくステロイド外用と非ステロイド外用薬を併用して使うことはありません。皮膚科領域ではブフェキサマクつまりアンダームという非ステロイド外用薬で接触性皮膚炎が原因で2010年発売中止となりました。ロキソプロフェンはロキソニン錠としてスイッチOTCとなっております。痛風発作の方に痛み止めとしてロキソプロフェン錠を処方しました。しかし、歩けない状態で来院され処方しましたがお飲みではありませんでした。アレルギーがあるから気管支喘息があるからとお飲みにならなかったそうです。アスピリン喘息はアスピリンだけで起こるものではありません。すべてのNSAIDsで起こる病態です。すべてとは外用薬も含めさらにはアスピリンを含めた状態です。ステロイドが危険、非ステロイドが安全ではありません。目も皮膚もデリケートです。

セレスタミンを離脱するときの薬

セレスタミンを離脱するときの薬に何を用いるか?まずは慎重にセレスタミンを減量する。セレスタミンを漢方薬の併用で抜け出せた方を幾度となく経験しています。ステロイドから抜け出すには焦らずゆっくりというのが基本です。ステロイドは元気を出すホルモンです。ステロイドは止めると急に元気がなくなります。以前他院で見た患者さんですが高齢の方でした。セレスタミンを減らす速度が速く副腎機能不全になったそうです。〇〇〇病院では診断がつかず大学病院で診断がついていました。セレスタミンを減らすことはプレドニンを減量することになります。急速に減量すると副腎機能不全を起こします。何人かの方に漢方薬を併用することでセレスタミンやべゲタミンから離脱することに成功しました。漢方薬の中の補剤の出番です。副腎皮質ステロイドホルモンは元気が出るホルモン、水を体にため込むホルモンです。顔は丸く満月様顔貌になります。補剤は参耆剤と言われ身体に元気をくれるセリ科ではなくウコギ科の人参と黄耆の組み合わせからなる薬です。人参は水を体に貯める働きを有しており黄耆は体から水を抜きます。この働きをうまく使えば悪魔のようなステロイド配合剤の連用からセレスタミンから脱出できますよ。薬手帳にも抗ヒスタミン薬との記載が多すぎる。セレスタミンは正しくは抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤というべきです。

虫と皮膚炎

今日新しい本が届きました。兵庫医科大学皮膚科准教授の夏秋優先生の著書です。Dr夏秋の臨床図鑑「虫と皮膚炎」という本です。「虫と皮膚炎」の出版社は秀潤者です。夏秋先生は兵庫医科大学卓球部の大先輩です。写真がとにかくきれい。すばらしい本です。夏秋先生は理論派です。医学だけではなく卓球にも理論があります。モーメントやベクトルが卓球の指導を受けると出てきます。要するに小さくコンパクトなスイングでスマッシュするのとと大きくスマッシュするのとではどちらがよいかという世界です。漢方薬の講演でも大変理論的なので好評です。たとえば漢方薬が効いたか効かないという判断をどのよう下すか?難しいところです。漢方薬が有効であったという報告の中で間違いがある。例えば自然に治るべき時期に漢方薬をたまたま投与した。これを漢方薬で治したと勘違いしてはいけないと説かれていました。確かに起こりうる話だと思います。逆もあります。たいへんな難病で漢方薬の適応外の病気が治らないから漢方薬はインチキだ。初めから治るはずがないのでインチキではないという話です。今度は漢方薬の書籍を書いてください。夏秋先生。

目の周りの接触性皮膚炎

目の周りが赤くなりアレルギーが疑わしいとき原因物質には何を考えますか?手に付着したもの、ビューラー、化粧品、点眼、眼軟膏などを疑い皮膚科でパッチテストを受けることをお勧めします。パッチテストは腕や背中でしますのでなかなか陽性には出ません。目の周りの皮膚はデリケートです。パッチテスト中は発汗禁止かつ入浴禁止です。フラジオマイシン含有軟膏、ステロイド含有軟膏、金属などは1週間様子を見ることが大切だとされています。チョコレートやココアを過剰に摂取すると金属アレルギーになるそうです。ニッケルを含む食品はチョコレート、ココアのほか玄米、大黄、豆類、海藻、穀類等が挙げられます。更にはビタミンB12製剤つまり先発医薬品の商品名メチコバールでコバルトアレルギーが起こるそうです。チメロサール入りワクチンが減っているので水銀アレルギーは減っているそうです。当たり前ですが食べる量が大切らしい。しかし、MRワクチンのパンフレットを読んでいると抗生物質が2種類入っているようです。何処に何が入っているかさっぱりわかりません。

ヒスタグロビン有効です

ヒスタグロビンは血液製剤ですが40年間特に大きな問題はなかったそうです。日本臓器製薬が発売しておりますがたにノイロトロピンというのがありますがノイロトロピンは主に整形外科でよく用いられているそうです。鳥居薬品のスギ花粉エキスを一年間用いましたがスギ花粉症の裏年の昨年期待はずれでした。そこで今年は感染症のリスクについて子供に説明し非特異的減感作療法薬のヒスタグロビンを毎週注射しています。本人いわくものすごく痛いが漢方薬や点鼻薬より良いそうです。花粉症がいじめや不登校のもとになりました。はなたれ小僧がいない今アレルギー性鼻炎の子供は標的になりやすい。中学校は義務教育です。出席日数は関係ありません。高校になると単位制です。昨日も診療が終わったころアトピー性皮膚炎でお世話になっている○○の母ですが「出席日数が足りないと留年する」ので診断書を書いてほしいとのことでした。インフルエンザのような感染症なら発病後5日解熱後2日の範囲で公欠になるでしょうがアトピー性皮膚炎ではどうでしょう。重症アトピー性皮膚炎が減ったの間違いないがまだまだアレルギーで学校へ行けない子はいる。うちの二人の子も気管支喘息で休んだりしています。

ダニとハウスダスト

先週は採決でやたらダニやハウスダストが陽性になる例が多かった。ダニと言っても今血小板が減少し一割が死亡すると注目のマダニではなくヒョウダニです。ハウスダストアレルギーというと家の埃ですかといわれますが直訳ではいきません。ハウスダストは一定の成分つまりダニのふん、尿、屍骸などの含まれることがHDの要件になります。5月・6月の梅雨から次第にダニは増殖します。すると尿や便などの排せつ物を出します。そして秋になるとダニは死んでゆきます。屍骸は布団やカーペットなどに潜みます。湿度と温度でダニの増殖は決まります。重症熱性血症板減少症候群〔SFTS〕は2009年中国の農村で発熱、消化管症状、血小板減少、白血球減少を主症状とするが報告されブニヤウイルス科のフレボウイルス族に分類される新しいウイルス感染症であることが確認されました。2011年日本でも確認されました。SARS,H5N7インフルエンザ、SFTSいずれも同じようなところで発生しています。マダニ媒介感染症の手順書や検査の試薬が配られているそうです。感染の有無が全国で検査できる体制はとられるようになっています。マダニがいてもまだ日本にいることが安全です。

これからのアレルギー治療

これからどのようなアレルギー薬が生まれるでしょう。アレジオンやアレグラなどの薬はスイッチOTC化されています。抗アレルギー薬はスイッチOTCの急先鋒です。TNF-αは関節リウマチには有効です。しかし気管支喘息では発がん性や自然免疫のバランスを崩すなど課題もあるようです。抗IgE抗体はノンレスポンダーつまり全く聞かない人はいるという問題がある高価な薬である。然し抗体療法で最も有効なのはIgEでしょう。IL-4、IL-5、IL-13、TNF-αが候補ですがTNF-αは喘息、IL-5はhypereosinophiric syndromeには有用だそうですが他はなかなか厳しいようです。舌下免疫療法つまりSLITはIgG4が増えるのが課題です。他の免疫への影響が懸念されます。更にはSCITを含めALLERGEN VACCINEのLOT番号による差が問題です。なかなか画期的な新薬はなさそうな気がしますが今後どうなるでしょうか?アレルギー疾患は増える一方です。アレルギーの人に薬を使うということは言ってのリスクを背負うのではないでしょうか?漢方薬も捨てがたい。

アレルギーの薬の研究

色々アレルギー領域の薬の研究がおこなわれています。SLITつまり舌下減感作療法は期待が大きいと思います。しかし、桂皮減感作療法SCITは1911年からの長い歴史があります。パンをなめるSLITはそれほどの効果はないようです。また減感作療法を行うとIgG4が増えるそうです。そうするとIgG4が別の反応を起こす可能性があります。さらにはSLITでは30パーセントが途中でやめてしまうそうです。理由が何か関心があるところです。内科ではつまりおとなではインフルエンザになると気管支喘息が増えます。小児ではインフルエンザが増えると気管支喘息が増えるわけでも重症化するわけでもありません。アトピー性皮膚炎ではじゅうたんが増悪因子であり、気管支喘息ではウイルス感染が大きく悪さをするとされています。秋はライノウイルスです。クラリチンとシングレアは同じ会社が発売しています。鼻噴霧用ステロイド薬と抗アレルギー薬の併用について世界にに4つの論文があるそうです。いずれも鼻噴霧用ステロイド薬に抗アレルギー薬を追加してもあまり効果は上がらないようです。ガイド来では鼻噴霧用ステロイド薬と抗アレルギー薬の併用は中等度以上で推奨されています。

エピペンの季節です

エピペンの季節です。修学旅行を控えている為か?エピペンについての問い合わせや連絡がぱらぱらあります。更には検索キーワードで「エピペン何分以内に使う」「エピペンすぐ打つ」とか「エピペン何分以内」というのがありました。アナフィラキシ-発症から呼吸停止までの時間は食物で30分、昆虫つまり蜂で15分、薬物で5分です。つまり、あっという間に尊い命が奪われます。アドレナリン自己注射であるエピペンにはα1作用による血管収縮α2作用によるノルアドレナリン放出抑制、β1作用による心筋収縮力増加、β2作用による気管支拡張の作用を兼ね備えています。15分すれば薬の働きが減弱します。ですから気管支喘息の発作ではアドレナリンを皮下注射または筋肉注射で15分間隔で3回程度行います。即効性のある薬ですがあくまで病院へ行くまでの間に合わせです。これを接種して症状が改善しても必ず医療機関を受診してください。もう一度血圧が下がる等アナフィラキシーを起こす可能性があります。エピペンをお持ちになりたい方はまずDVDを貸し出しますのでご自宅でご覧になりそのあと問診等を受けていただき処方となります。採血データ等ございましたらご持参ください。エピペンの期限期限は短く一年余りのことが多いように思います。輸入品だからです。

子供向けの抗アレルギー薬

子供用のアレルギーの薬は何がよいでしょう。わたしが一番嫌なのはセレスタミン細粒を抗ヒスタミン薬として称することだと思います。セレスタミンは抗ヒスタミンとポララミンの配合剤です。ステロイドを飲むつまり内服するとと怖いことが多く発生します。ステロイドの注射や内服はよく効く薬としてときどき見かけます。鼻アレルギーガイドラインでも決してすすめられていません。小学校の上級生なら漢方薬をお勧めします。飲めるこはいくつでも漢方薬を飲めるが飲めない子はいくつになっても漢方薬は飲めません。アレロック細粒が品薄どころか日本にないそうです。というか数日前にクリニック前の調剤薬局のアレロック細粒がなくなりました。花粉症には第一世代抗ヒスタミン薬はかなり使われなくなりました。効果は同じですが副作用が違います。第2世代もジェネリック医薬品が多くなりました。第一世代抗ヒスタミン薬は脳の発達や学習に重要なREM睡眠を妨げます。しかし、風邪薬としてはまだまだ第一世代抗ヒスタミン薬は使用されています。昔は「眠たくなるのは自分が悪い効果がないのは医者が悪い」というキャッチコピーがありました。今は否定的になりました。「眠たくならない薬が効かない」と誰から聞いたとアンケートととると医療関係者という答えが一番多かったそうです。一日一回の点鼻薬が広く使用できるようになりました。今年は点鼻薬の人気がなぜかない。患者さんに聞くが自分なりに納得のいく回答には至っていません。点鼻薬の液だれが嫌なのか?しかし耳鼻科ではよく出ているそうです。ひょっとしたら花粉が姫路では案外少ないのかもしれません。漢方だけで十分なのかよくわかりません。効いていることは事実で余り効きすぎるのは怖いよと知人に言われましたという方もおられる今年の花粉症です。今日は帰られた方もおられたようですいませんでした。