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神経保護作用

眼科で神経保護といえば緑内障ですが認知症でも神経保護作用をうたい文句にする薬があります。メマリーです。2011年コリンエステラーゼ阻害薬〔CHE1〕がパッチを含め3種類そしてメマリーというNMDA受容体拮抗薬が発売されています。メマリーは4剤の抗コリンエステラーゼ剤と併用可能です。認知機能障害にはアセチルコリン系の障害が関与するというコリン仮説そしてコリンエステラーゼ阻害薬が開発されました。メマリーは神経細胞脱落にグルタミン酸が関与するというグルタミン酸細胞毒仮説に基づきNMDA受容体拮抗薬が開発されました。眼科領域でもアイファガン点眼液の神経保護作用が注目されています。アイファガン点眼液は海外では古くから使われていました。しかし日本では発売に至りませんでした。その流れを変えたのがNORMAL TENSION GLAUCOMA STUDYです。眼圧下降はチモロールと変わらないのに視野異常の進行が優位に遅かったというデータでした。私が医師国家試験を受けた平成元年にはすでにアルツハイマー病がアミロイド蛋白がアルツハイマー病に関係するとされていました。今はアミロイドカスケード仮説まで進化しています。凄いです。NMDA受容体拮抗薬は緑内障には無効だったのでしょうか。

低気圧と漢方薬

大雪の原因は低気圧だそうです。低気圧と漢方薬。どのような関係があるのでしょうか?低気圧の接近が腰の具合などで分かる人がいます。そんな人にぴったりの漢方薬が五苓散です。多分便秘の方には向きません。柴苓湯も同じです。猪苓湯は阿膠が入っており血虚に対する配慮があります。気を巡らし津液を動かすには二陳湯があります。日本語では水つまり気血水です。しかし中医学では軽いものから順番で気津液血です。日本漢方の水は中医学では津液が生理的に役立つもの痰や湿は悪いものとされています。役立たない水とト役立つ水が体の内にも外にも存在しています。この度の大雪で病気が悪くなられた方は風寒湿邪が入った状態です。風寒湿邪には麻黄が入っている処方を用いることが多い。風湿熱邪はもう少し暖かくなった状態で入ってきます。同じ麻杏甘石湯でも傷寒論のものと温病学では麻黄と石膏の比が違う。石膏を多くすれば温病学の麻黄甘石湯です。桔梗石膏のエキスを加えたらよい。エキス剤で最も麻黄が多い越卑加朮湯も同じです。邪を追い出すのは汗、大便、小便を出すことです。江戸時代は吐く事も選択肢でした。

特定接種の登録

特定接種の登録について説明をお伺いいたしました。新型インフルエンザとは海外から持ち込まれるであろう強毒インフルエンザすべてをさします。医療機関以外に歯科・調剤薬局・訪問看護ステーション 助産所にお勤めで強毒のインフルエンザの患者さんに接する可能性のある方は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく登録事業者はインフルエンザの特定接種の対象になります。事業所で接種できない場合はあらかじめ提携医療機関を決めておく必要があります。国家公務員・地方公務員・公務員としての身分が保証されている特定独立行政法人・特定地方独立行政法人の職員の方も特定接種の対象になります。登録に当たりメールアドレスが必要です。携帯電話のメールでもよいから必ず連絡がつくところとされています。特定接種の登録を行い、接種を受けたからと言って診療を万が一しなくても罰はないそうです。全医療機関の参加を求めています。院外処方の医療機関では自院のインフルエンザ薬の備蓄は保険薬局と連携をとればよいそうです。先に接種するから危険な新型インフルエンザの診療を行うのが医療従事者ということでしょう。

特定接種

特定接種は新型インフルエンザ等特措法にかかる特定接種のことです。特定接種は公務員や大病院の受付業務や調剤薬局などをふくめた医療従事者が新型インフルエンザなどの恐ろしい感染症が流行した時に公務や医療を続けていくために連携してお役所業務や医療を出来るだけスムーズに行ってゆくため優先的にワクチンの供給を受けて接種するというものが特定接種です。医療従事者の家族までは対象になっておりません。対象は実際にインフルエンザの患者さんに接する可能性がある業務をする人です。特定接種は新型の高病原性インフルエンザが流行した時にパンデミックワクチンを一般住民に先駆けて公務員や医療関係者に接種する事です。一回目の登録が行われる。保険所の締め切りが今月いっぱいです。次が五年後インターネット上で更新が行われるそうです。院外処方の医療機関では自院の職員のためノイラミダーゼ阻害薬を備蓄する必要があるのか?院外の薬局と連携してノイラミダーゼ阻害薬を確保していただければ院内にはおく必要はないそうです。受付などの派遣職員も含めて登録するそうです。

シダトレンスギ花粉液

新しいタイプのスギ花粉症治療薬シダトレンスギ花粉舌下液承認です。シダトレンスギ花粉舌下液つまり舌下免疫療法で杉花粉エキスを口に含む花粉症薬が承認されました。従来の皮下注射によるアレルゲン免疫療法なら5歳から可能であったものが舌下免疫療法のシダトレンでは12歳からに変わります。一日一回自宅で舌の下に液をたらします。従来の皮下注射型のスギ花粉エキスに比べショックのリスクは少ない。しかし、薬は最初の一年間は2週間しか処方できない。薬を家族が取りに来るのは無診療投薬になります。講習会でも話題になりましたが臨床治験でも成績が良かった方ほどきめ細やかな受診をされたそうです。結局、最初は大騒ぎになるが続けられる方は少ないかもしれません。しかし6月から一気に行われると子宮頸がんワクチンのように品薄になる気がするのはわたしだけでしょうか?すでに注射の減感作療法を受けている人はどうしたらよいのでしょうか。楽になったらなったでサボるのが一般的です。今年もスギ花粉飛散が一気にくるゲリラ花粉に日が来るのでしょうか。最近花粉症の薬という人が増えています、ゲリラ花粉飛散恐るべし。

糖質制限食

糖質制限食には賛否両論がある。しかし、糖質制限食に感謝の気持ちを持つ人は多いらしい、おなかがすいたらピーナッツやチーズを食べるそうです。肉はヘレよりサーロインがよいらしい。赤い肉の方が脂を含んでいないので健康に良い気がしますが白い方がよいそうです。炭水化物=糖質+繊維だそうです。糖質制限食ではこの糖質を制限する事が大切です。糖質制限食における食べる順序はまずは野菜を食べるそして次がみそ汁を飲む。味噌汁飲んだら血圧が上がります。具だけ食べて汁は飲まないのが今までの栄養指導です。100回噛んで食べるのが糖質制限食です。マクロビオテイックは30回噛んで食べる。玄米菜食の方が体に良いと思うが今の糖質制限食で体重が減りヘモグロビンA1cが下がりさらには尿酸値があがらない不思議な話です。日本食はよいから白いご飯はよい。スーパー糖質制限食なるものもある。より炭水化物を控えるそうです。肉はよいがとんかつや揚げ物の衣が悪い。今後定着してゆくのでしょうか。わたくし自身は炭水化物が好きだ。無理だ。

ロコモティブ症候群

日本の十年後どうなっているだろう。10年後にはロコモしてますか?が合言葉になっているかもしれません。ロコモとはロコモティブ症候群のことです。メタボリック症候群はよく耳にしますがロコモティブ症候群という言葉を初めて耳にしました。脳卒中や心疾患の予防の概念がメタボリック症候群の根底にはあります。代表は特定健康診査です。一方ロコモティブ症候群は介護保険の要支援や介護の認定原疾患の21パーセントが脳卒中,認知症は15.3パーセント,関節疾患が10.9パーセンと、骨折/転倒が10.2パーセントだそうです。関節疾患や骨折・転倒といった運動器疾患は合わせて20パーセントにも達します。ロコモティブ症候群は加齢により運動器疾患のため移動能力の低下をきたします。そして要介護の危険な状態に至るをさすそうです。10年後には目標としてロコモテイブ症候群の認知は80パーセントを目指しています。日本運動器学会のホームページに詳しく乗っているそうです。ホームページですが月曜日は毎週アクセスがとても多い。最近インフルエンザの予防接種にお越しになる方なぜか多いです。

凸凹アイの検査できますか

デコボコアイという言葉をお聞きになったことはありますか?凸凹アイの検査出来ますかと初めて電話がありました。凸凹アイはドライアイの目薬を持つ製薬メーカーの使っている言葉でドライアイのことです。かなり前に凸凹アイの指導箋をいただきました。原因は3つのコンと記載してあります。パソコン、エアコン、凸凹アイの検査ってなんだっけそうだ実用視力計だ。以前はDR-1も置いてましたが場所をとるので廃棄してしまいました。もったいない。眼科の機器は10年でガラッと変化するとされています。目の表面がデコボコになるとゴロゴロ感、乾燥感や痛み、見えにくさを感じます。ドライアイは体質ではなく病気であると記載されています。ドライアイの目薬には涙に働くものと目の粘膜に働くものがあります。ホームページの検索で「ジクアス点眼液のようなOTC薬」というキーワードがありました。眼医者嫌いか診察料金が高いと思われたのでしょうか。実用視力は患者さんに好評です。瞬目回数を見ているところがすごい。ドライアイ研究会の名簿でも実用視力の実施について記載されています。

タプコム点眼液

配合剤が緑内障領域では続々登場しています。タプコム点眼液は開発名はDE111です。タプコム点眼液はタフルプロスト点眼液とチモロール点眼液の合剤です。つまりタプコム点眼液はタプロス点眼液とチモプトールの合剤です。認容性に優れたタプコム点眼液は―2.6mmHgタフルプロスト点眼液は-0.9mmHgそしてタフルプロスト点眼液とチモプトール点眼液の併用で―2.2mmHgの眼圧下降がみられた。つまり配合剤では初めて2剤併用に比べ眼圧下降が優位であったとのことです。国内臨床治験では初めての画期的なことだそうです。画期的なデータです。配合剤にするとアドヒアランスは向上するが眼圧下降は2剤点眼劣るとのデータが一般的だからです。タフルプロスト点眼液のPHをかえチモロール点眼液の眼内移行性を向上させている?らしい。

アレルゲン免疫療法

2014年の6月からスギ花粉のアレルゲン免疫療法に今までの皮下注射に加え舌下投与が加わります。日本アレルギー学会の「スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き」日本鼻科学会の「舌下免疫療法の実際と対応」という二冊のテキストを日々愛読しております。アレルゲン免疫療法は皮下注の方が効果が高いかもしれない。しかし以前もブログに記載したが舌下のアレルゲン免疫療法は普通の薬並みに安全な治療です。一年間は新薬なので2週間に一回の投薬つまり通院が必要です。諸外国のデータでも3から5年の継続通院が必要です。しかし6月に一気に国民がスギ花粉のアレルギー免疫療法を行うと薬がなくならないのだろうか?今の時代すぐ効かなかったら来院しなくなる。6月というのはスギ花粉の飛散が終わったことを意味します。うちのこにも最後だよとヒスタグロビンを皮下注射しました。そろそろスギ花粉の飛散とまではいかないが敏感型のスギ花粉症の人は飛んでますか?と言われ薬を持ち帰っておられます。今の鼻アレルギーガイドライン2013では花粉症が軽く発症してから第二世代抗アレルギー薬や鼻噴霧ステロイドを使えばよいことになっています。漢方薬を併用すればなお有効です。