記事一覧

漢方の裏話

漢方薬の名前はこのブログでは原則書かないことにしています。遠くは福井県、滋賀県、岡山県から診療にお越しになりました、しかしなかなか続きません。漢方がインチキだという方は会社により薬の中の生薬が異なります。生薬の産地も違います。会社が変わればいろいろ変わります。季節がかわれば処方を変える人も多くいます。アトピー性皮膚炎などその代表です夏はジュクジュク冬はカサカサです。鼻炎でも2月と5月ではくすりは違います。2から3月の花粉は傷寒の邪が侵入します。5月は温病の考えが入ります。風温の邪が入ると考えられます。傷寒は辛温解表、温病は衛分から気分に熱が侵入すると考えます。ブログに漢方薬の名を書くと処方名だけが先を行く独り歩きする可能性があります。漢方薬は人を診る、西洋薬は病気を治すあるいは診る医学です。おなかを触るのは中国では行われていないそうです。理由は儒教の教えにあるそうです。眼科領域でも硝子体注射が盛んに行われています。安全を期して行いますが無菌性眼内炎が起こることが少なからずあるそうです。かといって漢方薬ではEBMが弱い。毎日学校健診の結果を持参される保護者とお子さんがおられます。かつて岡山から漢方で治してほしいとお越しになりました。近視の漢方治療はかなり無理がある。

アレルギーの薬の研究

色々アレルギー領域の薬の研究がおこなわれています。SLITつまり舌下減感作療法は期待が大きいと思います。しかし、桂皮減感作療法SCITは1911年からの長い歴史があります。パンをなめるSLITはそれほどの効果はないようです。また減感作療法を行うとIgG4が増えるそうです。そうするとIgG4が別の反応を起こす可能性があります。さらにはSLITでは30パーセントが途中でやめてしまうそうです。理由が何か関心があるところです。内科ではつまりおとなではインフルエンザになると気管支喘息が増えます。小児ではインフルエンザが増えると気管支喘息が増えるわけでも重症化するわけでもありません。アトピー性皮膚炎ではじゅうたんが増悪因子であり、気管支喘息ではウイルス感染が大きく悪さをするとされています。秋はライノウイルスです。クラリチンとシングレアは同じ会社が発売しています。鼻噴霧用ステロイド薬と抗アレルギー薬の併用について世界にに4つの論文があるそうです。いずれも鼻噴霧用ステロイド薬に抗アレルギー薬を追加してもあまり効果は上がらないようです。ガイド来では鼻噴霧用ステロイド薬と抗アレルギー薬の併用は中等度以上で推奨されています。

病者の就業禁止

労働安全衛生法の病者の就業禁止についてお聞きになったことはあるでしょうか?鳥インフルエンザが中国から入ってきたら問題です。また風疹もしかりです。もし強毒ウイルスをもったひとが給与カットは嫌だから働きたいといえばどうなるか?会社として出てきてもらっては困る。休むに当たり有給休暇を使いたいといえばそれでよい。問題は有給休暇がない人つまり入社後6か月経過していない人です。でてきたいといわれたどうするか?これが病者の就業禁止にあたるかどうかです。労働安全衛生法68条病者の就業禁止に当たるかどうか大変デリケートです。配置転換等の措置をとるなどの努力義務が事業主に課せられています。職場で感染すれば安全配慮義務を尽くしたかという問題になります。ワークライフバランスWLBという考えだけでは世の中生活できません。労働組合の組織率が減少し、若者の3人に1人が3年以内に離職しているとされています。厳しい雇用状態の中WLBも大切ですが色々な業種があります。病気でも働かざるを得ない人は少なくない。HbA1cが10以上で働いている人が多いそうです。やすんだ首になる。金融円滑化法が3月で打ち切りなった。ぼつぼつ返済を迫るようになっているようだ。

患者さんに見られるつらい疼痛

腰痛症の治療として安静は必須とされてきた。しかし、今は違う。過度な安静は却ってよくないというのがガイドラインです。癌で痛みを伴うのはつらい。癌患者さんに見られる疼痛と癌疼痛を理解されているでしょうか?「癌患者さんに見られる疼痛」と癌疼痛は違うことを学びました。がんによる痛み、癌そのものにより生じる痛みを癌疼痛と言います。癌そのものによる痛みのことです。癌疼痛は痛みが取れるまでオピオイドを増量します。オピオイドはアヘン類似物質という意味だそうです。アヘンにはコデインやモルヒネがあります。ちなみに昔流行ったβエンドルフィンは脳内モルヒネと言われもてはやされました。腰痛診療ガイドラインが昨年でました。900件もの論文を詳しくEBMについて鑑定したようです。MRIやX線は症状改善とは別問題で患者さん全員に施行する必要はないとされました。一方で画像診断が必要なほどひどくないと思われても困る。また加齢による骨の変化でもショックを受ける人もいる。「まず安静」はガイドライン上は必ずしも有効な治療法ではありません。急性の疼痛でも痛みに配慮して可能な範囲動かすことで痛みを軽減し機能回復することもあるそうです。整骨院やあんまにはEBMが見つからなかったそうです。誰かが科学する必要がありそうです。40歳代で4割の方が腰痛を有する時代です。

安全配慮義務

安全配慮義務という言葉を聞かれたことはありますか?安全配慮義務は事業主に課せられた義務です。民法上の根拠は415条の債務不履行違反や708条の不法行為責任に基づきます。安全配慮義務は「労働者の生命や健康が業務上の危険から間もおられるように配慮することです」違反すると事業者に民事責任が課されます。労働衛生の世界では常識です。一般の方には非常識です。この言葉はD通事件で有名になりました。4日に1日は徹夜という状態を大手広告代理店が放置した。そして自殺に至った。まじめすぎる性格や両親のケア不足とされました。しかし最高裁でひっくり返りました。H12年のことです。安全配慮義務は結果回避と危険予知に集約されます。判例法の世界です。HIV感染の看護師が職場にHIV感染症であることを知られ休職更には退職したのは勤務先にHIV感染症であると知らせた受診した大学病院の責任であると訴訟を起こした事件が今日の新聞に記載されていました。HIV感染症は機微な情報です。普通デリケートなので修正して報告することになっています。身近な例で具体的にはうつ病の人には会社の報告には病名を用いないということです。非常に機微な情報は取り扱いが難しい。平成24年6月11日に健康情報取り扱いについて通達が出ています。

ハラスメントと労災認定

ハラスメントには正解はないといわれる。平成11年にハラスメントの判断基準ができ平成23年判断指針がさらに作られました。今は男性上司の方がセクハラがあるから敏感との報告もみられます。ハラスメントは以前と異なり解決つまり労災認定が早くなっているようです。以前は精神科医が専門医部会として集まり合議の上でしたが今は異なります。心理的負荷による精神障害の認定基準というものができています。平成23年度からたとえば出来事と出来事後の総合評価という一段階評価に代わりました。今まではハラスメントを労災か否か認定するには一か月かかりました。セクハラは別としてできる上司ほどハラスメントと関係が深いようだ。更にハラスメントと自覚しているそうです。パワハラ相談窓口がある企業はまだよい。それは大企業のお話です。傷病手当金これも国保にはない。「男のくせに」「女のくせに」「給料泥棒」「みんな俺のおかげや俺がみんな養っている」「どうせおれが」「退職金でタイへ行って来い」タイへ何しに行くか?わかりませんでした。なんと性転換手術だそうです。部下からのハラスメントという項目もできています。

AGA

薄毛と抜け毛という男性の男性型脱毛つまりAGAの薬プロペシアは割って服用すると妊婦さんのおなかの中にいる胎児へ影響することがあります。風疹も神戸や尼崎では多くの発症を見るようです。先天性風疹症候群も怖いがプロペシアを割って飲むのも怖い。AGAはandrogetic aropeciaのことです。プロペシアは5α還元酵素Ⅱ型阻害薬です。20歳以上のかたに適応があります。1mgと0.2mgが値段が同じという不思議な薬です。インターネットで購入すると偽物が出回っているそうです。いっこも効かんということになります。AGAのくすりプロペシアを処方することになりました。皮膚科学会のエビデンスレベルではリアップとプロペシアはAとなっています。保険適応外です。予防接種とともに自由診療となっており色y機関により価格が違うのがみそです。男性のみの適応です。おむかえのドラッグストアでリアップを試して無効な方ぜひお越しください。プロペシア服用中は前立腺のマーカーであるPSAは2倍にして考えるそうです。血清中のPSAが40パーセントに減少したことによるものです。対象は男性で20歳以上の男性です。通常6か月は飲む必要があるそうです。副作用は1パーセント未満で射精障害、勃起機能不全があります。高齢者は生理的に体が衰えているので要注意とされています。昨日は数百人の方からアクセスをいただきました。いったい何が起こったのでしょう。

OCTのと緑内障

OCTを導入し毎日の診療に役立てています。一番今関心を持っているのは緑内障とOCTです、緑内障である事を診断するのも難しいが緑内障でないことを言い切ることも大変難しい時代が来ています。なぜならプレペリメトリックグラウコーマという概念の出現があります。プレとは前、ペリメトリックは視野の、グラウコーマは緑内障です。要するに視野で異常が出る前に緑内障と診断する時代です。つまり、OCTがある眼科とない眼科で診断が異なる可能性があります。OCT自体黄斑疾患から発達した分野です。しかし、黄斑疾患は高額な薬を硝子体に注入する治療が広く行われています。漢方でという時代は終わりました。EBMとして?です。GCCで赤いところつまり網膜が薄いところが神経線維層に沿って存在することさらには上下が非対称的であること更には乳頭周囲NFLの厚みが左右非対称であることそして視神経乳頭の所見に一致する視野がみられることこれが緑内障です。まだ成書で緑内障のOCT所見について完成品はないようです。緑内障ですと言われうれしい人はいません。わたしのOCTの所見は緑内障ではなさそうです。よかった。小乳頭による変化でした。大きな乳頭だとオーバーダイアグノシスされやすい。小乳頭は緑内障にみえにくい。しかし、近視性乳頭変化と緑内障性視神経乳頭はOCTでもはっきりしない。

高齢者の糖尿病

日本人の糖尿病罹病率は増加するばかりです。遺伝素因として日本人のインスリン分泌は欧米人の半分しかありません、ところが飽食の時代となり50年で総脂肪摂取が3倍、動物性脂肪摂取が4倍となっているそうです。日本は高齢化社会を迎えています。高齢者の糖尿病は増える一方です。HbA1cは下げれば下げるほどよいかという研究がなされ報告されました。内科でHbA1cが高いと怒られましたと述べられる方は大変多い。それならまたいくらにしたらよいのかと感がる方も存在するはずです。J-EDITという研究です。その中で分かったことわからないことがあるようですが分かったことは脳卒中エベントで考えますとHbA1cが8.8以下のグループの次に危険なのHbA1c7.2以下の最も血糖が低いグループです。つまりHbA1cが一番低い言い換えれば血糖管理がよいグループであったそうです。高血糖の是正は大切ですが低血糖の是正も大切です。糖尿病は認知症につながるとされています。推定されるのは血液の中では血糖が高い状態ですが脳内には糖が少ない状態です。糖は脳の栄養として大切です。コレステロールも細胞膜の構成に必要です。糖やコレステロールは完全な悪役ではありません。うつ病や鬱状態併発の糖尿病には心血管エベントが増すと以前から指摘されてます。

エピペンの季節です

エピペンの季節です。修学旅行を控えている為か?エピペンについての問い合わせや連絡がぱらぱらあります。更には検索キーワードで「エピペン何分以内に使う」「エピペンすぐ打つ」とか「エピペン何分以内」というのがありました。アナフィラキシ-発症から呼吸停止までの時間は食物で30分、昆虫つまり蜂で15分、薬物で5分です。つまり、あっという間に尊い命が奪われます。アドレナリン自己注射であるエピペンにはα1作用による血管収縮α2作用によるノルアドレナリン放出抑制、β1作用による心筋収縮力増加、β2作用による気管支拡張の作用を兼ね備えています。15分すれば薬の働きが減弱します。ですから気管支喘息の発作ではアドレナリンを皮下注射または筋肉注射で15分間隔で3回程度行います。即効性のある薬ですがあくまで病院へ行くまでの間に合わせです。これを接種して症状が改善しても必ず医療機関を受診してください。もう一度血圧が下がる等アナフィラキシーを起こす可能性があります。エピペンをお持ちになりたい方はまずDVDを貸し出しますのでご自宅でご覧になりそのあと問診等を受けていただき処方となります。採血データ等ございましたらご持参ください。エピペンの期限期限は短く一年余りのことが多いように思います。輸入品だからです。