記事一覧

越婢加朮湯と翼状片

越婢加朮湯には翼状片の保険適応を有するメーカーがあります。それでは越婢加朮湯を服用すると翼状片が治るか?といえば治らないでしょう、最近「越婢加朮湯 翼状片」という検索が多い。月初めになるとどんな検索キーワードで検索されるか楽しみです。越婢加朮湯は漢方エキス製剤では麻黄が一番多い処方です。したがって慎重に用いる必要があります。越婢加朮湯で翼状片が治癒するものではありません。麻黄と石膏が入っておりこの二味で消炎効果があります。保険適応の病名を再考すると湿疹や関節炎などがあります。如何にも炎症を抑えるのに聞く薬という感じがします。アトピー性湿疹や関節リウマチはもちろん花粉症にも応用できます。翼状片は良性の腫瘍ですが眼瞼結膜と擦過して炎症を起こします。更に大きくなると乱視を起こします。麻黄と石膏はその比率により傷寒の薬にもなるし温病の薬にもなります。更には利水作用を期待して用いることもあります。越婢加朮湯には緑内障への臨床応用もありますが長期間にわたり飲める方は少ないのではないかと思います。胃腸に負担のかかる薬です。詳しくは「診断と治療社」から5月に出版されるわたしの原稿をお読みください。

エピペン2本

エピペンはアドレナリン自己注射のことです。自己注射だから在宅自己注射管理料が算定されます。さて、知りませんでしたがエピペンはアメリカでは2本セットだそうです。日本の保険診療でエピペン2本と言って保険が通るのでしょうか?査定されたら医療機関の丸損です。確かに喘息発作でエピペン0.3mg×2回なんて当たり前です。普通15分間隔でボスミン0.3ml×3回です。エピペンは病院までの薬です。特に最近は医療費が0円の自治体があります。そんなところでは2本と簡単に言えますが。姫路市だったらお母さん悩みますよね。保険がきいてもそれなりの医療實です。しかし、林業の方は医療機関まで遠いことも多いと思います。しかし八チアレルギーのアナフィラキシーショック死は半分に減少しています。エピペンの効果だそうですよ。うちのクリニックではやはり八チアレルギーの方のためのエピペン処方が多かった。食物アレルギーは小児科へ行かれる人が多い。その道の大家海老沢先生の話ではアメリカなら食物アレルギーを有する人すべてがエピペンを所有してもよいとのことでした。

MRワクチンではだめでしょうか

お電話をいくらいただきましても風疹ワクチンは4月10日までありません、入荷しません。なぜ風疹にこだわるのかなあ?麻疹・風疹弱毒生乾燥ワクチンつまりMRワクチンの定期予防接種3期・4期ですが3月31日で終了しました、MRワクチンは余っているのではないでしょうか?MR3期4期は5年間の救済措置は終了しましたがですが今30歳代や40歳代の方は自費で接種に来ます。一方過去5年にわたり公費でMRワクチンを接種した方もおられます。不平等が生じています。これ以上延長しても接種しない人は接種しないのが有識者の考えです。有料でも妻が妊娠すれば接種する。問診票にサインしてドタキャンして帰ってしまった方もいます。かと思えば役所に泣き付いて3月29日の金曜ではなくではなく4月1日の月曜日にあとから再発行の問診票を持参しますという人もいます。4月1日から子宮頸がん、Hib、小児肺炎球菌が定期予防接種になりました。定期予防接種は補償が手厚い。しかし、自費での予防接種は補償が手厚くない。予防接種を自費で受けると高いと感じられと思いますが輸入物のワクチンはモット国がメーカーに値切ればよいと思います。ワクチンは隠れ貿易赤字です。保健所のホームページを見れば3月31日は日曜日であるから注意しなさいよと記載がある。我々医療機関には厳しい保健所の方も情けが市民の方にはあるんだなと実感いたしました。うちではワクチン代金結構損してます。お母さんの言うことをうのみすると期日が違い保健所から接種代金が振り込まれません。はしかの抗体検査はIgGが結果が出るまで早いそうですNTが正確ですが結果が出るまで遅いそうです。MRワクチンをうった方がよいと思いますが風疹だけに関心が行くから風疹ワクチン品切れです。風疹は3日はしかです。麻疹の方が昔診た人はカタル症状がひどかったです。どうせチックとするならMRワクチンをお勧めします。はしかはインフルエンザよりも感染します。

風疹ワクチン

空いているので予防接種でもと思いますが何せ風疹ワクチンの次回入荷が4月10日ですとメーカーさんが言われています。確かに抗体検査を施行してからワクチン接種を受けていただくとよいかもしれません。抗体検査は当然自費になります。さて風疹の抗体検査は何をしますか?ふつうならHIでしょう。検査結果が分かるのも早い。はしかつまり麻疹もついでに調べてはどうでしょう。はしかの抗体はNT法で4倍以上であると感染しないそうです。検査には熟練がいるようです。麻疹・風疹混合ワクチンなら山のようにあります。風疹ワクチンは1994年までは中学生であった女子には施行してます。麻疹・風疹ワクチン3期・4期は終了しました。つきましてはMRワクチンには生産に余裕があるはずです。夫婦でお越しになりますとたいていご主人はいやいや来ておられますので不機嫌です。MRではだめですかと言ってもぶっすとされてます。アレロック細粒もなければ風疹単独ワクチンもない。なかなか需要と供給のバランスが取れません。大手企業は7000円も風疹の予防接種に補助するそうです。ワクチンがないこの時期に補助すると不測に火がつく。一回接種で抗体がつく確率は95パーセント以上二回接種では99パーセント以上です。つまり2回接種でも100パーセントではありません。

ステロイドは怖い薬

花粉症やアトピー性皮膚炎の患者さんがステロイドと聞くだけで「それやめてください」とおっしゃいます。鼻噴霧ステロイドと注射や内服のステロイドは全く異なります。昨日も「先生の薬よく効くわ」「友達に話したらステロイドでも入ってるん違うん、先生に効いてみ」と「友達に言われンたやけど」と女性の患者さんから言われたのでワンシーズンに一・二回うったらよく効く薬のほうがこわいですという内容の話をしました。気管支喘息に対し吸入ステロイドは広くもちいられています。吸入ステロイド治療が普及するまでには多くの呼吸器内科医が努力しそれまでの気管支拡張療法から抗炎症治療へと変化させました。テオドールとメプチン吸入とか気管支拡張療法のみからICSつまり吸入ステロイド療法の時代と変わりました。そして目標が喘息死3000人と言われたのがいまや喘息死1000人から0までという時代を迎えました。更には救急受診者数、入院患者数も大幅に減少しています。吸入・点鼻・点眼などのステロイド療法はステロイドの薬の量としてはわずかです。然し局所の炎症を抑える力はかなりの力を有しています。兵庫喘息死ゼロ作戦講演会を聞きに三宮の兵庫県医師会館へ行きました。最近の流れでは高齢者が気管支喘息で死亡している。しかし、COPD合併例が多く正確なところは把握しにくいのも事実です。姫路の急病センターでも高齢者の喘息発作での受診者は少ないそうです。高齢者は救急車で病院へ搬送されているのか家で辛抱しかかりつけ医へ翌日受診されているのか。死亡診断書でも直接の死因は心不全や呼吸不全と書かないようになっています。ステロイドの全身投与は怖い。

わたしのOCT画像

OCTは黄斑疾患や緑内障診断に有用とされています。わたしのOCTを取ってもらったところ黄斑周囲の網膜が薄いことを示すサインがみられました。近視性の変化であるのか将来緑内障になるのかわかりませんがびっくりします。私の視神経乳頭は正常であると自負していたからです。OCTの普及により視野検査では正常の緑内障「PREPERIMETRIC GLAUCOMA」と診断されることが増えることが予想されます。私自身GCCで薄く表示された写真を見てびっくりです。OCTは早期診断もするがOVERーDIAGNOSISもするということです。おそらく近視性変化です。まだまだOCTは緑内障分野では発展途上です。OCTはの教科書が出ていますが今は雑誌の方がよいみたいです。まだまだ緑内障への臨床応用は進みます。高度近視と緑内障は今のところ大変似ています。今日も大変ゆったりしています。

御臨終です

最近のことですが久しぶりに死亡診断書を書きました。死亡診断書の上の方は以前と同じで下の方は様式が少し変わっていました。知人に尋ねましたが以前の様式も使えるようです。「朝の4時3分残念ですがご臨終です」とご遺族に告げたのでした。眠い時間ですが世の中そんなものです。休日夜間は関係ありません。この時間に死亡確認すると朝まで熟睡できることはまずありません。そして、死亡確認の次は死亡診断書を書くことです。人は手足の末端から次第に冷たくなる。そしてだんだん肘やひざへと冷感やチアノーゼがあがってきます。血圧低下により心電図モニターの血圧自動測定では次第に測れなくなります。時刻を確認の上死亡を告げる因果な仕事です。昔なら御遺体は家に帰り枕経です。これまた昔、寺に住んでいたとき朝の5時に電話が鳴り枕経に来てほしいといわれました。朝7時まで待つのがしきたりと聞いていましたので!でも目があいたので枕経をあげにお宅まで伺いました。葬儀屋が来ており通夜供養や葬儀の相談をしておられました。私は朝8時30分には病院で働く身ですので連絡が遅いのも困ります。しかし朝5時も困るなあ。亡くなられてからお迎えの車が病院に来るまでの時間は嫌な時間です。寺に生まれても行院で修行しても継がない寺の子が多いですね。まわりがつまり檀家のひとが厳しすぎるからでしょうか。私の小学校のとき同級生で双子の寺の子がいましたが一人はこの世にはいません。寺には子供がいないところが多い、目に見えないストレスがあるのかな。子供がいても寺には戻らぬ子が多い。周囲から注目され身をひそめて暮らすことは並大抵ではありません。少なくともわたしにはできなかった。五木ひろしの歌で「私は不幸です」というのがありましたが僧侶と癌の治療でリニアックをあてる放射線科。どちらも不幸です。死によくめぐり合う人間です。大きな寺院では僧侶がリストラされるそうです。厳しい時代です。

画像ファイリングシステム更新しました

画像ファイリングシステムを新たに更新しました。2GB?あるそうです。写真を見ていただき納得していただき糖尿病のレーザー治療をしたいと早い時期からファイリングを導入してまいりましたがこの度新たな画像ファイリングシステムを導入することになりました。日本の医療は進んでいるが満足度が低いといわれます。画像ファイリングシステムを用いることにより満足度が少しでも改善すればと思っています。大きな病院で多くの器械をつなぐとサーバーがいるそうですが電子カルテ導入で患者さんの顔が見ることが確実に減少します。紙のカルテでファイリングシステムが一番ゆっくり診療できるように思います。コンピューターの性能は上がりましたが何も見かけ上変化はありません。しかし、このファイリング0番を入れてデモしたらOKだったが5800番を入れると再起動がかかり画像が消える珍現象がおきました。翌日にはメーカーが来てなおりました。器械には振り回されます。しかし、異物が目に入っているときなど異物がないことを患者さんの目で確認できることが画像ファイリングシステムの大きな利点です。

塩酸ヒドロゾリン

お使いのOTCの点眼薬に塩酸ヒドロゾリンは入っていませんか。塩酸ヒドロゾリン配合のOTC点眼液を使用している人は多い。塩酸ヒドロゾリンははOTC薬に配合の血管収縮剤です。いったんは血管を収縮させる働きがありますつまり真っ白になりますがその後血管は拡張しかえって真っ赤になります。そしてしだいに癖になります。なかなか抜け出すことができません。点鼻薬にも同じようなものがありますのでご注意ください。鼻づまり用の点鼻薬は血管収縮剤が配合されている場合があります。医療用にもあるプリビナが該当します。鼻の中の容積血管が拡張すると鼻が詰まります。容積血管が収縮すると鼻が通ります。血管収縮剤で収縮すると鼻が通り気持ち良くなります。しかし、収縮した血管は今まで以上に拡張します。リバウンドです。却って鼻が詰まるためまた点鼻薬を使用します。癖になる悪魔のような薬です。ステロイドの鼻噴霧用に比べて血管収縮剤は怖い。

よく効く花粉症の注射とは

よく効く花粉症の注射とはケナコルトAを筋肉や下鼻甲介に注射する治療法です。ケナコルトAを下鼻甲介に注射して眼動脈閉塞による失明例の報告があるそうです。こわいなあ。私のところでもケナコルトをうって欲しいという方は多い。しかしすべて断ってます。すると皆さんご来院されなくなります。アトピー、喘息、花粉症つらいのは分かっているが断ります。「ガイドラインで打つな」と記載されているからです。一回の注射で楽になることがうける理由でしょうがそんなにおいしい話はありません。鼻噴霧用ステロイドは全身に回るステロイドとは大違いです。ヒスタグロビン以外ではノイロトロピンもあるそうです。ノイロトロピンとヒスタグロビンは同じ会社が販売しています。MRさんにうかがいましたがアレルギー疾患にはヒスタグロビンの方がお勧めだそうです。ノイロトロピンは整形外科領域で多用されているそうです。ヒスタグロビンはワンクール六回でまず行うものですから一・二回でスギ花粉に効くはずがありません。全身に投与するとステロイドは持続的に効果も副作用も持続します。ステロイド半量とポララミン半量ののセレスタミンも要注意です。点眼のステロイドの場合も眼圧上昇リスクと感染のリスクがある。