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アレルギー性鼻炎の漢方治療と保険適応

アレルギ性鼻炎に小青龍湯は誰でも知っている。効かなかったらどうするか?わからなかったら麻黄が入っている方剤を選ぶと良いと思います。何等かの効果はあると思います。生きづまったら保険適応外で勝負することになります。アレルギ性鼻炎の漢方治療で有名なものは小青龍湯がありますがパワーアップするためには麻黄附子細辛湯や麻杏甘石湯を加えることがあります。傷寒論にでてくる小青龍湯加杏仁石膏とか小青竜湯加附子です。鼻づまりに効くのが漢方の特徴でしたがディレグラが発売されたアレグラと漢方の組み合わせは不要となるのでしょうか?麻黄は代わりになる生薬がありません。しかし敏感な方が服用すると麻黄があれる方がおられます。麻黄が入っていないものに辛夷清肺湯や苓甘姜味辛夏仁湯があります。麻黄が入っていると一定の割合で胃腸障害を起こす人がいます。漢方薬といえども副作用はいっぱいあります。食物アレルギーのアナフィラキシーを考えるとよいでしょう。保険適応ではありませんが使ってよいものは越婢加朮湯や麻杏甘石湯等あります。麻黄と石膏で消炎効果が有り麻黄と石膏の比率であたためるか冷やすか決まります。五虎湯は麻杏甘石湯と桑白皮です。錠剤があり便利です。

TAKE HOME MESSAGE

TAKE HOME MESSAGEという言葉をよく耳にするようになりました。わたくしにとりましてはTAKE HOME MESSAGEとは診察時何か診察でお話しさせていただいたことを持って帰ってほしいなあという診察時の話題です。例えば老眼にまつわる誤解、子供にメガネをかけさせる時の誤解。誤解を一つでも解消してほしいと診療しています。近視は老眼にならない。近用めがねをかけると老眼がすすむ。めがねをかけ続けると近視が進む。花粉にふれると減感作できる。目薬はしみると強い成分が入っている。花粉症の薬はねむくならないと効かない。睡眠薬は怖いからアルコールを飲む。白内障を手術するとメガネをかける必要は誰も不要になる。視力や視野に異常がないから緑内障ではない。花粉症には安全でよく効く注射薬がある。これらはEBMがない。一般的にはあやまちである。なかなか正確に真実を語ることは難しい。TAKE HOME MESSAGEを一期一会かもしれないが何か役立つ情報を発信したい。

CRPS

CRPSとは複合性局所疼痛症候群のことをさします。以前ははRSDと呼ばれていました。Refrex Sympathetic Pain Syndoromeと呼ばれいたようです。CRPSをご存知のかたはかなり疼痛医療にお詳しい方でしょう。生活習慣病では採血が必須です。採血の時の静脈穿刺で痛みが残る経験をなさったことはありませんか?採血6000回に一回正中神経の損傷がおこるそうです。CRPSは太い神経ではなく細い神経ですCRPSを避けることは不可抗力のようです。なぜなら血管と伴走する神経は細いし見えません。患者さんが痛いと言っているのに「気のせいですよと突き放したり」この時おこる痛みを「そんなもん治るから大丈夫」といった態度をとることから誘発されることもあるようです。血管と違い見えない神経を避けるのは無理です。全身麻酔下での静脈穿刺ではCRPSを発症することはないとされています。採血は肘で行うことが多いと思います。可能であれば肘の小指側で採血を避ける方がよいとされています。考えられていることは細やかな対応、精神的な対応が必要であるとされています。

託児室

医療の世界でも学会や研究会で託児室を設置する動きが進んでいる。最近「イクメン」という言葉がすっかり定着しました。眼科は女医さんが多く女性が働きやすい環境とされています。そのためか大きな学会小さな研究会いずれでも託児所が設置されていることが比較的多い層に思います。私の研修医時代の男性の同級生が育休を今取っているそうです。兵庫県ではかなり大きな病院です。研修医時代は夜も帰らず病院に住み着いていました。そんな彼も育休を取得する時代です。「ワークライフバランス」という概念が進んでいると感がられます。医師は転勤が多く医師不足が叫ばれる前から育児にはあまりかかわらない職種であったように思いますが最近の勤務医は違うようです。さてわたくしも先日東京で託児室を初めて利用する機会を得ました。小学校6年生まで利用可能であると記載されていたので子供に1人で大きな本屋で立ち読みしているのと託児室にいるのとどっちがよいか尋ねたところ託児室と答えたので一緒に入ってみました。さすがに小学校6年生は一人です。一人で読書していました。さすがはじめていく東京で一人にするのは酷な話でした。託児室とても助かりました。3月2日にも託児室申し込みのFAXを申込みしました。

普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる方法

朝日新聞出版から出版された「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」は読めば読むほど夢がある。「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」の表紙には次のように書いてある。努力だけでは合格できない勉強にはコツがあり頑張り続けるためには仕掛けがある。2浪してうまくいかなかったのは私も同じであった。確かに試験合格にはコツはある。計算問題一つにしてもテクニックがある。図形の問題なんてひらめくかどうか?「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」には「記憶力より記録力」すべての学びたい社会人対象と表紙に書いてあります。学びたいそして資格を取得したい人は多いはずです。学校へ入学せずして得ることができる資格は知れているかもしれない。ケアマネージャーの試験は医師にとって免除科目が多いため容易に取得できる。わたくも百点で合格したと思っています。しかし実際ケアマネとして働くことは不可だと思います。「毎日充実して過ごすために必要なものは夢ではなく目標だ」と記載されています。子供の受験をみていて第一志望校合格、他の学校は合格してもいかないと言っていた。うちの子は二次の算数の過去問で5点や10点を取っているのを見て志望校変更かと思いましたが「まだまだこれからです」「今の時期こんなもんです」と先生方に励まされていました。万事において基礎が大切です。「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる」を読んで何か新しいものに取り組みたい気持ちになりました。話は全く変わりますが今年のセンター試験で小林○▽さん文章が出題されたそうです。我々の世代には懐かしいお名前であるとともに難解な文章ですね。最近はあまり出てないそうですね。時代です。

ムコスタ点眼液の良いところ悪いところ

どんな薬でも長所と短所があります。ムコスタ点眼液が嫌な人は男性に多く、若い人ほど苦味を苦痛に思われるようです。お化粧をする女性にとって化粧の乱れは苦痛の種です。目の前が一瞬白く見えることはあまり苦痛にはならないようです、実用視力的にも視力の低下とはでないようです。白い懸濁液と透明なゲル化製材どちらが不快でしょうか?しばらく見えないのは間違いなくゲル化製材のような気がします。ムコスタ点眼液は澄明製剤を開発中らしい。澄明製剤ってどんなのでしょうか?ムコスタ点眼液の長所にはどのような項目があるでしょうか?ドライアイの治療目的は何でしょうか?自覚症状の改善です。患者さんご自身が気持ち良くなることが目標です。作用機序不明の薬であるムコスタ点眼液で症状が改善する病態とはどのような病態でしょうか?糸状角膜炎、薬剤性角膜障害、シェーグレン症候群、BUT短縮型ドライアイが挙げられます。摩擦が関与する眼瞼に隠れている糸状角膜炎、シェーグレンではプラグが不要になる方もいらっしゃるとのことです。さらにはあるかないかといわれているムコスタ点眼液の抗炎症作用で上輪部角結膜炎が改善したとの報告もあるようです。FDAでもドライアイの新薬承認の条件には「自覚症状の改善」が含まれているそうです。つまりドライアイは眼科では数少ない慢性疾患でありムコスタ点眼液に期待することは「自覚症状の改善」です。

朝日新聞出版社

「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強方法」しかも医師の和田秀樹先生推薦とはどんな方法でしょうか?朝日新聞出版社で我が家にある書籍は「サバイバルシリーズ」「実験対決」です。丸善丸の内本店で山積みされた朝日新聞出版社の書籍がありました。朝日新聞出版から出版されている和田秀樹先生推薦「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」という本が目に留まりました。確かに私の高校の一年先輩にあたる方が50歳にして東大に入られたと昨年K新聞に大きく取り上げられておられました。「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」この本の著者の方は2年浪人されており、わたくしが一浪の時通った同じ京都の予備校にちょうど在校されていた記憶があります。高校時代この方は大変学業優秀で高校で実施される学研、進研、兵庫県下一斉模試等が学校で受ける模試でしたがよくお名前だけを見かけました。だから覚えています。しかし、今度は「普通の主婦だった私が東大に合格した夢をかなえる勉強法」という本をだされたとは!。更に「普通の主婦だった私が50歳で東大に合格した夢をかなえる勉強法」はなんと昨年12月に出版されもう2刷です。売れているんですねー。早速購入し自宅でゆっくり読ませていただきました。大変な勉強家であった。わたくしから思うのは「普通の主婦かなあ」と思います。わたくしからみるとこの方はスーパーウーマンだと思います。運・鈍・根のうちどれが欠けての試験には合格できません。うちの子にも学校へ行けるようにしてくれた学校の先生、算数のカリュキュラムテストで30点とっても励ました頂いた塾の先生、診察のとき心配してお声掛けいただいた地域の一部の方,そしてわざわざ何か役立つことありませんかとお越しいただいた方に「感謝の気持ちを持って」ご恩がえしするように言っています。中学受験が目標では決してありません。わたくしは高校時代公文の数学を学びました。高校のとき姫路市書写の公民館ではじめて公文が始まりました。公文のおかげで数学が高校三年の時はTOPになったこともありました。計算と漢字は大切です。15歳にして公文を初めて学ぶ。孔子曰く「15にして学に志」に対する表現です、孔子曰く「50にして天命を知る」と。50歳になり受験は無理です。今では公文は0歳から学べるそうです。時代です。

ドライアイ研究会主催講習会

ドライアイ研究会主催講習会は2月3日節分の日に行われました。昨年に比べ一月早い開催です。朝9時からという講習会としては早い開始時刻でした。朝10時からなら朝6時発の新幹線に乗れば東京駅に9時7分に到着します。ドライアイ研究会主催講習会は休憩なしの3時間余りの講演は私のような浅学のものにとっては目からうろこの話ばかりです。ドライアイ研究会主催講習会はテキストがあるのでとても助かります。最初のTFOTの話は何回きいても感動します。日本から発信されるドライアイ治療の方針です。逆にアメリカからはリピフロ―の講演をライブで聞きました。器械だけで一千万円するそうです。目を温めマッサージする機会です。更に角膜の上にのせるものがディスポーザルで百ドルですので庶民にはお高い治療です。もしTPPに日本が入ればお金持ちが良い医療を受けるんでしょうね。ドライアイ研究会とは話が変わりますが両眼で90から100万円する治療を受ける予定の患者さんが私のクリニックに2人もお越しです。オーダーメイドのドイツ製の乱視用遠近両用眼内レンズを入れるそうです。格差社会ですか。ドライアイ研究会主催講習会に戻ります。シルマー試験より感度・特異度が高い検査ができていることにも感動いたしました。実用視力ですが「OSAKA STUDY」という大規模臨床試験が行われていることを聞き目がテンになりました。たくさん学会発表されているそうですね。そしてドライアイがあればなんでもドライアイで話をおわらせようと考えますが近視の過矯正にももっと関心を持つべきだと思いました。折角、医師が視力を測るクリニックですからもっと視力検査をしたいと思いました。病気は一つとは限りません。ドライアイと近視の過矯正めがねにご注意ください。

現時点でのムコスタ点眼液の考え方

ムコスタ点眼液は発売から1年を経過しました。ムコスタ点眼液は作用機序不明であるためムコスタ点眼液が本当によく効く人を探すのは困難である。作用機序的には結膜杯細胞からは分泌型ムチンが酸性される。更には杯細胞そのものの数を増やします。角膜上皮に増やすように働き分泌型ムチンを賛成します。さらにはサイトカインプロフィールの関与により抗炎症作用を有している可能性が高い。ジクアス点眼液は結膜上皮に働き水分分泌を促進します。杯細胞から分泌型ムチンを分泌します。角膜上皮に働きかけ膜型ムチンを分泌します。ジクアス点眼液はP2Y2受容体に働きます。ムチンだけではなく水も分泌します。一方ムコスタ点眼液は目を粘膜ととらえて治療を行う考えが浸透しています。ムコスタ錠は胃薬です。胃は粘膜です。ムコスタもジクアスもムチン分泌促進作用を有することは変わりありません。TFOTはTear Film Oriented therapyの略です。涙は昔わたくしが眼科専門医試験を受けたころには3層構造でしたがいまは水・ムチン層と油層からなることがわかっています。ムコスタ点眼液やジクアス点眼液を使えるのは日本だけです。作用機序不明の不思議な薬ムコスタ点眼液。一年後にはもっと使われているでしょうか?

大塚製薬の社長の話

いま日本製薬業界でTOP5は武田薬品、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、エーザイの順である。いつの間にか大塚製薬が入っている。各社ワクチン産生を強化したり、ジェネリック医薬品に手をだしたり暗中模索しています。大塚製薬の社長さんのお話しを伺いました。医師が製薬会社の社長さんの話を拝聴することは大変まれなことで、大変貴重な経験でした。大塚製薬は「真似をしない」というポリシーつまりイノベーションだそうです。大塚製薬は徳島に40年間根差しサッカーを支援し地域貢献しておられます。ポカリスエットがあるのにより点滴に近い成分であるOS-1を発売されています。そして未解決のジョブを見つけそのジョブを解決するとか新しい価値をと顧客の満足を生むという素晴らしい理念をお持ちです。水だけを排出する利尿薬バゾプレッシンV2アンタゴニストであるサムスタ等を販売しておられます。利尿剤を使うと腎臓の働きが低下する。耐糖能異常がおこる。電解質異常が起こる。最近の大規模RCTではRAS抑制や厳格な降圧は腎機能からみればよくないそうです。さらには消化器や眼科領域の国内代4位の医薬品であるムコスタ錠や涙を増やし涙の質を改善するムコスタ点眼液もいろいろ研究されています。スイッチOTC薬の候補であるムコスタ錠は世界10か国で発売されており毎日200万処方されているそうです。一度出した製品はあきらめずコツコツ販売されるそうです。ムコスタ点眼液の澄明化をめざしておられるとのことを再確認しました。よろしくお願いします。