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アールテックウエノ

アールテックウエノはベンチャー企業です。創薬するベンチャー企業です。プロストンの会社です。アミティエ―ザがこの度カマグが使用しにくい腎不全の方などに良いとして12月発売される運びとなりました。プロストンは眼科医ならみんな知っています。イソプロピルウノプロストンという名で知っています。レスキュラ点眼液です。プロストンは上野隆二先生が発見された機能性脂肪酸の一群です。レスキュラの発売承認が1994年ですから約18年後にアメリカから逆輸入という形で日本で発売となりました。Amitizaつまりルビプロストンは第二のプロストン製剤です。アメリカでは便秘型過敏性腸症候群というかたちで発売されています。先輩格のイソプロピルウノプロストンつまりレスキュラ点眼液は海外から入ってきた降圧作用が強い緑内障の薬に負けています。しかし、レスキュラ点眼液には眼循環改善作用や神経保護作用があるかも?といわれています。ライセンス契約を結ぶ参天製薬もタプロス点眼液を販売しています。タプロス点眼液はアメリカではMSD社が販売するそうです。日本企業も世界を相手にしていかなければなりません。日本は確実に人口が減る国です。ips細胞以外にもプロストンは網膜疾患に有用な十分な可能性があると思う人は多いと思います。

眼精疲労と漢方薬

「眼精疲労と漢方診療」について書くよう依頼を受けていろいろ調べてみました。調節性眼精疲労、筋性眼精、不等像性、症候性、神経性の5つにわかれます。そのなかで疲労眼精疲労で幅を利かせているのが調節性眼精疲労です。老眼で疲れる、斜視で疲れるなど多くの疲れを調節性眼精疲労といいます。普通に考えますとまず、めがねが適切か?コンタクトレンズが適切か?能力以上の仕事をされていないか?等西洋医学的診察と治療を優先する。原因から考えると視器に関するもの、外環境に関するもの、内環境あるいは心的要因に関するものの3つにわけられる。視器とは目そのもの、外環境とはクーラーやVDT、生体のサーカディアンリズムなどです。内環境とはむちうちや頭蓋内疾患心的要因とは虚弱体質、神経質、受験生などです。まずは漢方薬ありきではありません。まずは原因の究明です。眼精疲労は内科、産婦人科、脳神経外科、耳鼻咽喉科などいろいろな診療科の病気と関係することもあります。漢方薬は最後だと思いますが如何でしょうか?しかし、依頼を受けた以上書かなければいけません。

うつ病の小精神療法

うつ病は何処にでも存在し誰でも罹患することがある病です。「笠原の小精神療法」というものを恥ずかしながらはじめて学びました。小精神療法とはうつ病は怠け者とは違う。みんな苦しんでいるのです。できる限り休養を取る。気分転換するにもエネルギーがいるのです。抗うつ薬を信じて飲むこと。病状は一進一退する。自殺はしないことを固く約束する。重大なことは今は決めない。1982年に発表されたようですが今でも立派に通用することです。よくまとまっています。漢方診療をしていると必ず遭遇するのが「こころの病」です。わたしが医師免許を取得した時代はうつ病は少なかったような気がします。世の中昇り調子のバブルの中にいました。新型うつ病というのは正式な病名ではありません。新型うつ病は終身雇用は崩れ、あの上司にクビにされたというように他の人に矛先が向くのが今の時代です。日本人の価値観の変化そのものかもしれません。疲れ切ったときには休憩するのが一番ですよね。紅葉を見に行くのもしんどい今日この頃です。

前房出血

前房出血の患者さんが来られました。前房は角膜と虹彩の間です。ドッジボール中のハプニングでした。前房出血は何が怖いか?一つは再出血です。だから、あまり温めないように指導します。病院がまだあったころ前房出血は時間外や休日よくある疾患でした。お風呂はシャワーです。枕で睡眠時は頭を高くします、一度だけ再出血されたお子さんを経験しました。基幹病院にご紹介しましたが視力は回復しませんでした。もうひとつは続発性緑内障です。具体的に言うと眼圧が上昇することです。10年位してから急に眼圧が上昇し緑内障になることもあります。再出血と眼圧上昇です。再出血は10日以内が危険です。眼圧上昇は忘れたころの話となります。片眼の緑内障では外傷の既往特に忘れるくらい昔の外傷の既往が大切です。

百合

漢方の世界では百合をびゃくごうと読みます。百合が入った唯一のエキス製剤をご存知ですか?びゃくごうが入っているのは辛夷清肺湯のみです。しんいはこぶしです。百合や「こぶし」が入った辛夷清肺湯はさぞやうまいと思われるかもしれませんがたいていの患者さんは「まずい。飲めない。」といわれます。「びゃくごうびょう」をごぞんじですか?百合が効果ある病気のことです。「孤惑の病」ともいいます。ノイローゼ、うつ、自律神経失調症などがびゃくごう病、「孤惑の病」に該当します。金匱要略に「寡黙でしゃべらない」「目無りたがらないが眠れない」「寒気や熱感がはっきりしない」との条文の記載があります。辛夷清肺湯はなぜ清肺湯か?はなづまりつまり蓄膿の薬です。肺は鼻に開竅するといいます。辛夷は鼻を開くすりです。そこで、辛夷清肺湯が誕生したのでしょうか?びゃくごうは潤肺止咳、寧心安神作用があります。昔の中国は四文字熟語が大好きです。最近鼻が詰まるという人は多いような気がするのは気のせいでしょうか?

保険請求

今日は11月10日です。保険の請求のしめきりです。11月10日のみならず毎月10日は締切日です。今日は診察の待ち時間が長かった。申し訳ございません。待っていただいたら何かお土産をお持ちかえり頂きたいと考えます。しかし、そう思うとなかなか逆効果になるかもしれません。保険診療は微妙です。無診療投薬も厚生局に指摘されれば「保険医停止5年」です。もう保険医は無理です。診療拒否といわれたらまたむづかしい。きょうは1歳で5日発熱が続く方から診療を求められました。5日も発熱が続くと肺炎かもしれない重症感染症が頭をよぎりお断りしてしまいました。申し訳ございません。大変な病名の間違いを見つけてしまいました。普通はどうでもよいことです。高脂血症、脂質異常症、高コレステロール血症この3つ何が違うでしょうか?同じことなんです。どうでもよいことなんです。しかし、この3つの病名をくすりの適応症どおりに入れないといけないのに何か月も前から間違えていました。患者さんが窓口で支払われた3割の残り7割は保険請求をして初めて2か月後に振り込まれます。しまった。。。。まだ12日に取り下げたら間に合いようです。薬が発売された時期により病名がかわります。コンピューターのチエックもいい加減です。今回のも高脂血症として何回レセプトを提出したことか?2次審査で健保組合に発見されたら大きな損害です。調剤薬局にはそんはありません。例えば、ツムラの二朮湯は五十肩が適応症ですがうちのレセコンは肩関節周囲炎と入れるよう指示してきます。ああうんざり。本当に医療事務は難しい。「人生万事塞翁が馬」となりますように。

アンチエイジングとドライアイ

「アンチエイジングとドライアイ」について学びました。お話しくださったのは先日の「ためしてガッテン」にご出演になりすっかりおなじみのK大の眼科学の教授です。いつも素晴らしい笑顔で「ごきげん」という言葉を連発されます。ドライアイに良いものは健全な食事、適度の運動そして「ごきげん」とかならず「ごきげん」がついてきます。「ごきげん」とは7時間は寝る、よく笑う、リラックスだそうです。ドライアイに関係する因子はVDT作業、コンタクトレンズ、ω―3脂肪酸のEPAとDHA,メタボリック症候群、MGDつまりマイボーム腺機能不全、そしてたばこです。さらに女性は男性に比べて2倍ドライアイのリスクがあがるそうです。ドライアイの診断基準には4項目あります。1つは視機能異常、2つめが自覚症状、3つめが涙液の異常、4つめが角膜の異常です。この4つがすべてそろえば確定、3つなら疑いです。関係ありませんが、最近、眼瞼下垂の手術の手術を希望される方が多いように思います。まぶたが下がっている方がドライアイには都合よいようです。形成外科で以前は日帰りでしたが一泊入院でされることがあるようです。たしかに次の日も受診するなら一泊入院の方が楽ですよね。

冬の養生と冷え症

漢方薬の処方を求めてこられた方から養生について聞かれました。冬場の「冷え症の体質改善」についての養生法です。冬場の冷え症の体質改善には温腎陽と補腎陰が基本です。腎陽とは全身の陽気の源です。そのためには、まず、果物は控えることです。水分が多く冷えにつながります。沖縄でよくとるものやたべるものには冷やすことが多く、北海道でとれるものや食べるものには体をあたためるものがおおい。つまり、ジンギスカンのようなヒツジの肉は体を温め、豚肉はその逆です。果物は水分が多く冷やすものが多い。果物は控えるべきです。また、果物は血糖上昇作用が大きい。冬は24節気の立冬から立春のまえまでです。陰が盛んで陽が衰える時期です。冬には腎が活性化するようになり正気が蓄えられる。腎は醎味につながります。塩辛い味がが醎味です。塩辛い味は現代医学の腎臓では悪い味です。中国の昔の人は醎味は腎を調節すると考えました。冬にはクルミ、エビ、ニラ、ゴマ、ホタテで腎を補うことが大切です。お茶はできるだけ発酵させたものをお勧めします。紅茶やウーロンチャです。保存食は塩分が多く昔は塩辛いものを多く摂取する人が多かった。そこで醎味について思いついたのだろう。

漢方エキス製剤で眼科に適応病名がある処方

漢方エキス製剤で眼科に適応病名があるものを調べてみました。すべてのメーカーで適応病名があるものはアレルギー性結膜炎です。そのくすりの名は小青龍湯です。後は会社により適応病名が違います。牛車腎気丸と八味地黄丸が「老人のかすみ目」です。充血はコタローの苓桂朮甘湯、急性結膜炎・フリクテン性結膜炎・翼状片は越婢加朮湯、角膜炎・結膜炎は葛根湯、眼精疲労は桂枝加竜骨牡蠣湯があげられます。会社によりまったく適応症が違います。小青龍湯はあとから付け足したそうですから別格です。なぜこんなに会社により適応症が眼科領域は違うのでしょうか?こんなに方剤と病名が一致しないとエビデンスレベルが低いですね。

アミティエ―ザ

アミティ―ザは便秘の世界に登場する久々の新薬です。アミティ―ザは慢性便秘症の適応を有する久々の新薬です。しかし、世の中狭いものです。藤沢薬品つまり現在のアステラス製薬が抗緑内障薬でPG関連薬として売り出したレスキュラ点眼液もイソプロピルウノプロストン点眼液と同じ開発者だそうです。全身の組織修復を行うプロストンがもとにあるようです。イソプロピルウノプロストンに続く薬がルビプロストンつまりアミティーザです。米国でまず実用化されたのがルビプロストンです。アルツハイマー病やパーキンソン病の薬に化けるかもしれません。アミティ―ザは米国で1日8ドルと現在日本で使われている酸化マグネシウムと比べるとべらぼーに高薬価です。日本ではどのような薬価になるのでしょうか?米国に遅れること6年いよいよ出番です。利点としましてはカマグこと酸化マグネシウムは高マグネシウム血症から除脈性不整脈さらには心停止を起こすリスクがあるとされています。腎不全のひとは優しい薬となるかもしれません。高薬価では今の日本では難しい薬です。