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自費診療

予防接種は自費診療です。受診される医療機関により価格が異なります。最近不妊治療を開始しようという方から問い合わせが多い。風疹ワクチンです。いろいろ質問うけますが価格が医療機関により異なることをご存じではない方が意外と多い。今、風疹になりやすい方は30歳ぐらいの男の方が多い。女性だけが風疹ワクチンを接種した時期があるようです。一方、病気になると保険が適応になり均一料金です。エピペンはアナフィラキシーショックの薬です。アナフィラキシーがおこってから処方するのが本来の保険診療です。予防に保険給付が適応されるのは画期的です。エピペンことアドレナリン自己注射器が昨年9月からは健康保険の適応になりました。それまではエピペンの処方は自由診療でしたので価格がまちまちでしたので使用しやすくなっております。コンタクトレンズの定期検診も保険診療なのは不思議な気がします。しかし、保険診療で無くなれば検診を受けることなくみなさんがコンタクトレンズを安易に使うようになります。しかし、県の北部に行くとコンタクトレンズの健診が4000円の自費のところがあるそうです。これはコンタクト量販店がコンタクトレンズを安く販売し検査料を高く設定するため勝手に自費診療にしています。インフルエンザの予防接種が10月になるとはじまります。これも自費診療ですから当然価格が異なります。

精の理論

精には先天の精と後天の精があります。生まれたときから備わる精が先天の精、水谷の精は水谷が胃から精微物質を吸収し水谷の精が形成されます。いらないものを糟粕といいます。五臓の精は「人体組織を形成する」働きを有する。からだ全体の固形のものを精という。心そのものは精でできています。腎は精。骨、脳も精でできている。五臓の精が余れば人に送られ腎精になります。五臓の精と後天の腎精は異なります。後天の腎は命門の陰陽をつくります。先天の精と腎精は違います。ふつう、中医学の教科書では腎精と先天の精が同じものと記載されています。これが陸希先生の理論の卓越したところです。生殖の精は腎精と生殖の精を合わせた概念です。頭がこんがります。10年聞いてもよくわかりません。わからないところがあります。

ナゾネックス点鼻薬

昨日あたりからアレルギーの症状が出ておられませんか?目がかゆいとか鼻が出るといったひとがふえています。ナゾネックス点鼻薬が久々に登場です。ナゾネックス点鼻薬は以前は15歳以上しか使えませんでした。15歳以上は一日一回、一回2噴霧です。それが今年から一日一回、一回一噴霧で3歳以上に使えるようになりました。ナゾネックスは6本単位で医療機関や調剤薬局は購入しないといけない。鼻噴霧ステロイドはいろいろなデバイスがあります。アラミスト点鼻薬が変わった。一本から買えるようになった事が画期的です。さらには容器が固いといわれていましたが改善されたようです。エリザス点鼻薬は粉末なので化粧崩れしないことが画期的です。カプセルを入れるデバイスも少し改善されました。鼻噴霧ステロイドは大きな副作用がありません。内服や注射ですと糖尿病、高血圧、胃潰瘍、ざ瘡、骨粗鬆症など多くの副作用があります。鼻噴霧ステロイドは抗アレルギー薬とロイコトリエン受容体拮抗薬の併用で勝るようです。今の時期に鼻噴霧ステロイドはいろいろ変更して来年のスギ花粉症に備えています。今年は7月が大雨が多く過去最大の降水量でした。8月は猛暑で日照時間と気温の上昇がみられました。来年はスギ花粉が猛威を振るう可能性は十分です。

桂枝湯

桂枝湯は風寒感冒の処方です。桂枝湯加味法です。桂枝も桂皮もシナモンの香りです。桂枝とは枝です。桂枝は辛温解表、助陽解表の薬です。枝ですので「はうように全身めぐる」という考え方もあるようです。桂皮とは樹皮で肉桂といいます。桂皮は温腎陽の薬と私は考えています。調和営衛の薬でもあります。話は変わりますが香蘇散は実証の薬です、中医学では虚証で無く実証のくすりです。香蘇散は気滞という実証の薬です。桂枝は邪を外へ追い出します。汗が出る状態は虚がある状態です。ふつう発散の薬は使えません。陽を助けるくすりという位置づけです。桂枝湯は虚があるから正気を助ける必要があります。桂枝には二つ役割が考えられています。助陽して解表、正気を助ける扶正の薬です。桂枝湯の加味法は何があるでしょう。例えば冷え症やしもやけで有名な当帰四逆加呉茱萸生姜湯も桂枝湯類です。しもやけに当帰四逆加呉茱萸生姜湯単独では何が足りないでしょう。補血作用の生薬が必要です。分かりやす処方は桂枝加桂湯、桂枝茯苓丸桂枝加芍薬湯などがある。

ポリオワクチン

不活化ポリオワクチン単独の接種が始まりました。パラパラ来られます。その中で、気が付いたことを書き留めます。一つ目は古いOPVつまり生のポリオワクチンの接種券をお持ちいただく方があります、マスコミも9月から接種が始まることは報道しましたが全員9月から始まると誤解を生む報道だったように思います。今日も古い接種券を持参されました。新しい接種券が送られてきた人が対象です。もうひとつは8月生まれのお子さんが4種混合ワクチンというかたちで不活化ポリオワクチンを打ち始めることになっています。しかし7月生まれのお子さんのおかあさんが保健所で聞いたら11月まで3種混合ワクチンを接種しなければ11月から4種混合ワクチンが打てるといわれたとおっしゃるので保健所へ電話をした。答えはお母さんがおっしゃったとおりでした。ワクチンの欠品を起こさない様カウントされているのは何なんだろうと思いました。0歳児さんが漢方やアレルギー主体のうちなら感染症を心配することがないと思われるのか?御来院いただいております。最近は2か月からのヒブや肺炎球菌ワクチンも結構お越しです。

気の働き

気の働きとは何か?運行・化生・防御・推動・温煦の五つと教科書に書いている。陸先生の理論では推動は運行、温煦は陽に含まれる。陰陽は命門で作られます。仙頭先生の系統中医学では五つです。気の分類にはどんなものがあるでしょう?まずは元気。元気とは元陽と同じです。元気や元陽は命門に存在します。命門の気、先天の気ともいいます。三焦をめぐる気を衛気といいます。血を作る気を営気といいます。気の基本となる気を宗気といい、大気とおなじことです。大気下陥は全身症状を伴います。心・肺・腎・膀胱等の症状です。心悸・尿頻・汗をよくかく。全身症状をともないます。もっとなじみがある言葉に中気下陥があります。補中益気湯もためにあるような中気下陥です。

補中益気湯

補中益気湯は中気下陥の処方です。気機下陥は臓腑の機能低下と内臓下垂を特徴としています。中焦のみならず全身の薬とされています。上焦の症状はため息、息切れ、中焦の症状は軟便、食欲不振,下焦の症状は大便と小便の異常です。「精神差」とは中国語で元気がないことです。脾胃は後天の本といわれます。疲れたとき熱をだすのが気虚発熱です。気虚発熱には補中益気湯がもちいられます。補中益気湯のおおもとは気虚の基本処方である四君子湯をもとにして六君子湯は二陳湯と四君子湯を合わせた処方です。四君子湯は補気の基本処方です。補中益気湯は補気するとともに当帰は補血します。升麻、黄耆、柴胡でモノを持ち上げます。気を上昇させます。補中益気湯で胃もたれするかどうかですが。上へあがりすぎると胃もたれします。六君子湯は理気化痰、降逆化痰です。下向きのベクトルです。補中益気湯は上向きのベクトルです。

陸先生と胆

五臓六府の一つに胆がある。なかなか胆を理解することは難しい。陸希先生のち密な理論はすばらしい。胆の生理機能は胆汁を貯蔵する。昇発する。決断勇キョをつかさどる。勇キョとは肝っ玉が小さい事のようです。胆は昇発作用がありようを登らせる。12臓腑は2時間ずつ受け持つ。胆は23時から午前1時の時間です。肝は謀慮をつかさどる。胆は決断をつかさどる。いろいろ考え決断するのは胆です。昇発は全身の陽が動き出す。勇㰦は「勇敢」「おびえる」という意味です。色々な中医学の教科書を読んでも胆についての記載は少ない。なかなか胆は難しい。肝と胆の区別はなかなか難しい。「胆汁を貯蔵する」とは胆汁をコントロールすることです。西洋医学では単に蓄えるだけです。胆汁は消化液の一つです。消化作用を表すのが西洋医学です。東洋医学では精微物質の一つが胆汁です。胆汁により昇発する。ここが難しい。気が動くには陰陽のバランスが必要です。西洋医学の胆汁は胆のうから十二指腸へ下向きに流れます。東洋医学では上向きに昇発する。

東洋医学の膀胱

東洋医学では腎と膀胱の区別はあまりしない。わかりやすく言うと尿を作るのは腎、腎と腎臓は異なります。現代医学の腎臓に副腎の働きを加えたものを腎と呼びます。つまり泌尿器・生殖器・内分泌系を含めた働きを東洋医学では腎といいます。尿の基本は腎です。尿を排泄するのが膀胱です。膀胱の症状とは尿頻数、隆閉、尿意速迫があります。膀胱気虚を聞いたことはおありですか?膀胱気虚の症状は開合ができない。膀胱が尿の貯蔵ができない。分かりやすく言い換えると排泄ができない。尿の貯蔵ができない。

貧血は血虚か

貧血は血虚か?漢字のとおり考えると貧血は血虚です。書物にも貧血は血虚と記載するものもあります。しかし、必ずしも貧血は血虚ではありません。貧血に四物湯を処方すると貧血が改善するか?きっとしません。極論でいえばしんどい、元気がない等の症状は気虚に近い症状です。血虚は循環血液量の不足です。もっと探ってゆくと舌診にたどり着く。気虚の舌診は舌が畔大になります。血虚の舌診は淡白色になります。貧血では瞼結膜は白くなります。詳しく言うと淡紅色から淡白色へと変化します。脈診では気虚なら弱、血虚なら細になります。赤い液体である血液は気がないと全身を循環しません。赤い液だけでは固まってしまいます。