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三焦

五臓六府には五臓と六府があります。六府の中で理解しにくいものに三焦があります。三焦は西洋医学にはない概念です。いろいろな三焦が考えられている。人間の体を包む膜様組織という考え方。三焦には衛気や津液、陰陽が流れています。へちまに例えられることがあります。水道のことを三焦とする説もあります。体お位置を表す三焦つまり上焦、中焦、下焦を合わせ三焦と呼ぶ考え方もあります。温病学の弁証に用います。三焦の働きには通行衛気、伝送陰陽そして津液を伝輸する作用があります。気、陰陽、津液の通り道です。これが薬の処方にどうつながるか?よくわかりません。しかし、弁証を考えると三焦通利という中医学のことばもあります。

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックとアナフィラキシーはどう違いますかとの質問を受けました。アナフィラキシーにはIgEを介するものと介さないものがあります。厳密にいうとショックというからには血圧低下、顔面蒼白、頻脈時に除脈もある、冷汗もあります。呼吸器症状、皮膚粘膜症状、循環器症状、消化器症状いろいろあります。アナフィラキシーは蜂にされたり、感作された食べ物をたべたり、造影剤の注射を打ったりアナフィラキシーショックに至る原因は様々です。治療はアドレナリンつまりエピネフリンの注射です。筋肉注射です。これを自分で打つのがエピペンです。ステロイドは昔は帰ってから2峰性でもう一回血圧が下がるからうつというスタンスでした。現在は早期、晩期いずれでも有効とされています。しかし、第一選択薬はアドレナリンです。アドレナリン自己注射器がエピペンとして普及しつつあります。

人工涙液

人工涙液とその仲間の目薬についての話です。ソフトサンティア点眼液は従来、塩化ベンザルコニウムが入っていない一番安全な目薬とされてきました。しかし硼酸が高濃度に入っており角結膜障害を高率に起こすことが指摘されているようですね。ソフトサンティア点眼液を用いるとイオン性ソフトコンタクトレンズを変形させるという学会報告もあります。塩化ベンザルコニウムだけが悪ではなく代わりに何か入っている。マイティア点眼液は塩化ベンザルコニウムアレルギーさえなければというところのようです。代替え物質がもっと悪い事するかもしれないと考えないといけないようです。確かに女性中心に塩化ベンザルコニウムアレルギーで目の周りが赤くなる人多いです。水道水で目を洗うと角膜にキズが入る。だから、プールの後は洗眼はしない時代になってきています。何がよいのかわからない時代です。人生と同じで栄枯盛衰の理です。新しい眼科ができれば古い眼科はすたります。

ARBが点眼薬になるか

ARBは高血圧のくすりです。ARBはレニン―アンギオテンシン―アルドステロン系のアンギオテン系のアンギオテンシン受容体に働く薬です。ARBが眼圧下降効果を有し眼科で研究されているようです。β遮断薬、アルファ遮断薬などの抗緑内障薬はPG関連薬は違いますがもともと多くは高血圧の薬です。高血圧の薬が新しい緑内障薬になるかどうかは注目されるところです。ところで、ARBにはもう一つ働きがあります。角膜への働きです。角膜血管新生を抑制するとされています。角膜新生血管の治療薬さらには眼圧下降効果を狙い緑内障薬にもなるかもしれません。ARBの点眼液にもっとも有効なものはアルカリ外傷です。アルカリ性の物質例えば昔の運動場の白線はアルカリ性でした。今は代替え物質になっています。なぜアルカリ性が怖いか?酸性は凝固壊死、アルカリは融解壊死をおこします。アルカリ性のものが目の中に入ると時間とともに角膜を溶かしてゆきます。失明に至る怖い病気です。

緑内障と似た視神経所見

緑内障の診断は灰色のものがある。そのなかで緑内障でないと言い切ることは大変勇気が必要です。一番難しいのは近視特に高度近視に伴う変化です。高度近視ですと屈折性暗点という視野欠損があります。高度近視による視野障害は進行することがあります。進行した時緑内障かどうかはお釈迦様でもわかりません。次に、SSOHがあります。SSOHはつまり上方視神経低形成のことです。情報誌神経低形成は頻度が高い。視神経のリムのひ薄化とそれに対応する神経線維層欠損を呈することから緑内障と鑑別が必要です。網膜中心動脈の上方変位、乳頭上半の蒼白化、乳頭上半の周囲のハロー、上方の視神経繊維欠損および下方の高度視野欠損。最近はSSOHのとらえ方が日本人向けになってきているようです。若年者で鼻上側のリムの狭窄と蒼白、NFLDと対応する視野が楔形に欠損することなどが特徴です。

汗とアトピー性皮膚炎

汗はアトピー性皮膚炎では悪者ですかそれともよいのでしょうか。汗は敵か味方か。汗には色々あります。アトピー性皮膚炎とは関係ありませんが冷や汗、寝汗、あぶらあせといろいろあります。汗をかくとかゆいと感じておられる方は多いと思います。ヒスタミン遊離試験HRTをもちいて「ヒト汗」の抗体が陽性にでないが汗はかゆみの原因物質と考える人は多い。「ヒト汗」を調べてもなかなか陽性にならないと思われる方は多い。ヒスタミン遊離試験は最近進歩したそうだ。もう一度改めて検査すると陽性になるかもしれません。正常な皮膚バリア機能があれば汗でかゆみや炎症が起きることはありません。皮膚を掻破することで皮膚バリアが破壊されると汗でかゆみや炎症は起こりえます。しかし、汗を全くかかないと体温調節ができず熱中症になることがあります。発汗が悪ということがありますが発汗は必要です。程よく汗をかくのがよいかもと思います。汗もが多い今年の夏でした。アセモトールの作り方が検索キーワードで目立った今年の夏でした。

求人情報

9月末日にAIDEMさんで求人情報を出します。職種は医療事務です。週2から3回の仕事です。午前8時45分から18時15分です。診察時間は9時から12時と15時から18時です。勤務時間は8時45分から12時15分、午後は14時45分から18時15分までです。お昼の休憩時間はご自宅で家事をしてただくことを想定しています。残業はまずありません。一人勤務です。土曜日は8時45分から12時15分までの勤務です。扶養の範囲内の勤務です。時給は900円です。週2日から多くても3日です。現在子育て中の主婦が活躍中です。ゆったりしています。患者さんは生保と労災の取り扱いをしておりません。また現在は大人の患者さんが中心です。一人勤務ですので資格は不要ですが経験は絶対に必要です。ハローワークにも同じ求人はでています。

糖尿病と目

「糖尿病と目」という原稿を800字以内で書くようにという依頼がきました。アナンウンサーが読んでくださるそうです。吾輩は猫である名前はまだない。まだないのではなく私の場合は影武者で名前は出ないそうである。本当はどんどん悪くなる糖尿病ではなくて寛解することもあるアレルギーが診療するには私にはあっていると思っています。10年以上前の原稿も同封されました。よくできた文章です。何を直すか?治療でしょうか。間違いなく治療が変わりました。また、糖尿病網膜症以外でもありとあらゆる場所に糖尿病が原因となり目の病気が起こることもアピ-ルしたいな。糖尿病連携パスの仕事に医師会で携わるようになった。眼科と内科をつなぐことが必要なことはみんなわかっている。しかしまさか自分がということが10年以上たつとどんどん起こるのが糖尿病です。Ⅰ型糖尿病は発症時期がはっきりしている。これに対してⅡ型糖尿病はいつから糖尿病か誰にもわからない。だから、余計まさかとなるのでしょう。最後に、糖尿病の目の「症状は何もない」ことを絶対書きたいと考えています。

月経と中医学

月経と関係がある臓器は肝です。無月経は肝の疏泄作用が特に関係します。腎や胞宮や命門も関与する。精神的ショックで月経が遅れる。大切です。肝の疏泄作用が大切です。血がないのが虚証。どこかで血が止められているのが実。突然、生理異常があれば何を考えるか。突然なら虚症です。実証では気滞、血瘀、実寒が多い.虚症では腎、命門の虚、血虚が多い。それから、脾不統血があります。この文章が分かる医療関係者は○○で何人くらいいるでしょう。よくまとまっているがかなり奥深い文章になりました。中医学は奥深い。中国はこんな難解な理論を完成する力がある。日本東洋医学会も国際東洋医学会で中医学が標準医学となることを防ぐため緊縮財政で頑張っておられるようです。東洋医学会漢方専門医を維持することが以前に比べ大変です。寺沢会長はじめ関係各位のご尽力に期待いたします。日本全国に広がる山本厳流や系統中医学のような第三、第四の医学も頑張ってほしい。

口渇と漢方薬

口渇の漢方薬といえば白虎加人参湯が第一選択薬です。しかし、白虎加人参湯は万能ではありません。六味丸が有効なこともあります。白虎加人参湯は実熱、六味丸は虚熱に適応があるとされていますがそんなにきれいに分類されるものではありません。糖尿病放置例では口渇に対して白虎加人参湯が大変有効です。飲酒後の口渇も白虎加人参湯が大変有効です。これに対して六味丸は陰虚に用います。陰虚は陰と陽という物質を比較した時陰が陽に比較して相対的に減少する現象です。糖尿病の古いものに用いられます。ベテランの糖尿病患者さんは精とか腎精、物質としての陰という物質が尿から排出されます。したがって陰虚火旺という状態になります。陰虚火旺とは虚熱の状態でそんなに熱くない微熱の状態です。六味丸には即効性はないと考えられています。漢方薬のビタミン剤のようなものです。糖尿病が古くなったら六味丸と昔学会でいってました。