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血管浮腫

血管浮腫は皮膚と粘膜の深部を中心とした限局性浮腫のことです。血管浮腫はガイドラインでは3病型に分けられます。血管浮腫の症状の発現は表在性の蕁麻疹と異なり症状の発現は間欠的です。毎日薬を飲むかどうかは症状の発現頻度による。NSAIDsおよびACE阻害剤によるものは原因薬剤の中止が必要です。NSAIDsやACE阻害薬が原因と思っていないことが多いのでまさかとご本人は思われているので注意深い問診が大切です。

アレルギー性副鼻腔炎

アレルギー性副鼻腔炎はアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎が合併したものです。鼻汁には好中球がみられます。30から70パーセントと高率です。10歳以下の小児にアレルギー性鼻炎と膿性鼻汁があればアレルギー性副鼻腔炎です。小児のアレルギー性鼻炎は寛解率が低い。治療はマクロライド系抗生物質と抗アレルギー薬です。

小児の食物アレルギー

小児の食物アレルギーは必ず治るものではありません。しかし食物アレルギーの中でも治りやすいものがあります。或いは食物アレルギーを持つお子さんも食べられるようになります。具体的には寛解導入しやすいものは鶏卵、牛乳、小麦、大豆アレルギーです。一方寛解導入しにくいものはそば、ピーナッツ、甲殻類、青魚等が代表です。さらにはどのような患児が寛解導入しにくいのでしょうか?他のアレルギー性疾患を持つ、複数の食物アレルギー、アナフィラキシーの既往ピークのIgEが抗体が高値を示すことなどがあげられます。検査としてはHRTは特異度に優れ、プリックテストは感度が高い。

うつ病とレメロン錠

抗鬱剤にはSSRI、SNRI、が有名です。眠たくなる抗鬱剤があります。ご存知でしょうか?私は時々処方します。レメロンという薬です。レメロンはMSDの製品です。レメロンを服用すると最初はものすごく眠たくなります。レメロンは半錠でも非常に眠くなります。よく言えば睡眠剤いらずかもしれません。レメロンはNaSSAという系列の薬になりまうs。鎮静作用は強力です。家族が驚くほど眠ることがあります。抗鬱剤は4時間睡眠では効果がない、7時間眠って初めて効果が出るという言葉が印象的で座右の銘としています。わが国には現在SSRIが4剤、SNRIが2剤、NaSSAが1剤あります。無難なものはSSRIのジェイゾロフトです。SSRIは不安が強い人や緊張しやすい患者さんに有効です。SSRIは胃腸障害が多いようです。うつ病は10人に1人が一生の中で体験する病気です。

アイファガン点眼液

1997年にアイファガン点眼液がこの世にでました。アイファガン点眼液はどんな緑内障薬でしょうか。その理由はアイファガン点眼液を用いたlow tension glaukoma study つまりLoGTで4年のスタデイでチモロールと眼圧に差が無いのにアイファガン点眼液投与群では視野進行例が3.92パーセントとチモロール点眼液の9.1パーセントと有意差がついた。アイファガン点眼液の方がよいデータが出ている。つまりこれをアイファガン点眼液の神経保護作用と考えるわけです。そこでもうひとつのS製薬からアイファガン点眼液がこの度発売されたようです。しかし、4年間のスタディで99例の中で20例が離脱した。その原因はアレルギーです。中止例はアイファガン点眼液で28.3パーセント、一方チモロール点眼液では11.4パーセントです。28.3パーセントの中止例は決して低くはないと思うのはわたくしだけでしょうか。

アジルバ

アジルバ錠は以前「アジルバに期待する」というタイトルでブログを書きました。アジルバは高血圧症の薬です。アジルバは約2週間前にいよいよ発売されました。アジルバはAT1ブロッカーに属します。アジルバの売りはなんでしょうか?アジルバの売りは一日中持続的に血圧が下降することです。夜間の高血圧は心血管エベントを増やします。脳卒中や心筋梗塞で倒れやすくなります。著効例が早くも多くみられるそうです。一日の中でいつ飲んでもよいそうです。半減期は14時間です。従いまして早朝高血圧が気になる方はアジルバ錠を眠前服用、仕事でストレスが多い人は朝一回服用するとよいでしょう。日本に税金が入る武田薬品工業のアジルバに期待します。

道医療枠

札幌医科大学の「道医療枠」というのが話題になっている。医師免許を取った後「道医療枠」で入学すると9年間は北海道で医療に従事することを確約して入学する制度です。道医療枠は北海道で免許だけ取って他の地域へ行くことを制限しようとする制度です。一学年35人が「道医療枠」になるそうです。当然といえば当然ですね。北海道大学に医学部ありさらに旭川医科大学があるのに慢性的医師不足なのは北海道立である札幌医科大学が地域医療に貢献するために設立されたという趣旨にはずれた立場にあるのかもわかりません。財政の苦しい地方行政の立場からは当然の結果でしょう。兵庫県の北部も医療過疎地です。兵庫県のことは兵庫県でといわれ鳥取大学に資金提供し兵庫医科大学や自治医科大学で養成した医師をかつては県立尼崎病院で養成していましたが今は公立豊岡病院で養成しているといいます。浜坂病院や柏原病院もたいへんです。眼科なんて検診も困っています。どこもたいへんです。

天才バカボン

西からのぼったおひさまが東に沈む。これが天才バカボンの歌の一節です。これでいいのだ。わたくしたちが住んでいる北半球では東からのぼったお日様が南を通って西に沈みます。では南半球はどうでしょう。こちらでも東からのぼったおひさまが西へ沈みます。天才バカボンは南半球へ行っても天才バカボンのままです。ただし北半球と違うのは東からのぼったおひさまは北から西へと沈みます。光って見える部分は南半球では北半球と上下左右が逆転します。記憶を確かなものとするにはとても良い歌だと思います。

眼科の往診

姫路でも眼科の往診をしている医療機関があります。今日もご紹介いたしました。先日は白内障手術をどこで受ければよいか?というご質問のお電話をいただきました。知っている限りのことは知っている範囲でお答えいたします。出来ますれば診察していないときにお電話いただければと考えます。お待ちになっている方、お待ちになってやっと診察という方もおられます。眼科の往診については以前もケアマネージャーの方にどの範囲ならいけますかと聞かれた。車に乗らないので校区内位でしょうかとお答えいたしました。できることも限られている。でもご本人が診てほしいというので電話していますといわれることも多いです。内科を中心に外科の医師も往診には熱心です。眼科で往診が盛んでないのはスキルの問題と診療報酬上眼科の往診はあまり想定されていないからではないでしょうか?もう一軒紹介してくれと言われたのにはまいった。なかなか眼科の往診はないように思いますがね。急変したら往診です。定期訪問は往診ではないように思います。

日経ヘルスケア

毎月定期購読している雑誌の一つに日経ヘルスケアがあります。その日経ヘルスケアの最新号に私にそっくりな方がいらっしゃることを知り笑ってしまいました。どのような方かというとコンピューターが大の苦手な開業15年の医師です。ブログを書くように進められても全く書かず、ひたすら紙のカルテに向かっているそうです。オンライン請求もそんな時代が来ると思わなかったそうです。確かに、わたくしが専門医を目指した当時ワードもエクセルもできなくとも論文もうけいれられました。今は電子カルテを導入する医療機関が増えた。しかし、電子カルテを導入するには一千万円という膨大な費用と人一人が余分にいるようです。関西電力の計画停電の話がでて命に関係ない診療科目でも会計も検査もできないことに気が付いた。中高年の医師にはコンピューターに関しては両極端な2つのタイプがあるように思います。きわめてコンピューターが得意な医師、極めて苦手な医師の双極性がある。わたくしの場合車にも嫌悪感があります。公共の交通機関をつかって温室効果ガスの削減に努めたい。