防風通聖散って優しい薬ではありません

防風通聖散は金元の4大家の劉完素が創作した処方とされています。「宣明論」には諸熱証を為し、腹満・渋痛・煩渇・譫驚狂防・或いは熱極まり風を生じて風を生じ悪者下らず腹満撮痛して昏するものを治す。これは漢文の書き下し分ですがどこにもやせ薬との記載はありません。熱極生風つまり痙攣の薬と書いてあります。こんなのを漫然とやせ薬と信じて飲み続ける、するとアレルギー性肝障害アレルギー性の肺炎に至る。いまだに漢方薬には副作用ないんですねというネット漢方の方は他の医療機関を受診するように勧めています。これが飲みたい派保険適応外だしよそでもらった薬もダメだ。メーカー指定も調剤薬局には残薬で損する、一度渡したお薬を変えてくれもブー、後は廃棄になるんですよ。苦労して農家が作たものを廃棄するなんて。防風通聖散にはいろいろ副作用が起こる可能性がある。先日の講演会で防風通聖散と柴苓湯が肝機能障害と間質性肺炎の一位二位を争っているそうです。どちらにも黄芩が配合されています。しかし褐色細胞を活性化し脂肪が燃焼する薬(市販薬では内臓脂肪を取るからナイシトールという市販薬もある)だから服用したいといわれることがある。あまりに宣伝が上手なので服用したくなるのは副作用がないと思っている漢方薬をあまりご存じない方だと思います、甘草でむくむ偽アルドステロン症だとご本人が甘草は入っていませんかとご質問いただけますが肝機能異常は無症状です。間質性肺炎は空咳(DRYCOUGH)と高熱が症状でステロイドの前身投与や入院も必要なことがある一大事です、代表は間質性肺炎マーカーはKL6肝機能障害マーカーはASTALT。生薬から考えると甘草が入っているから偽アルドステロン症、麻黄で動悸、黄芩で肝機能障害や間質性肺炎による高熱・咳、山梔子を5年以上服用すると腸間膜静脈硬化症といろいろ飲めば飲むほど副作用が起こる。山梔子含有方剤で有名な方剤は加味逍遙散です、逍遙散に柴胡と山梔子を加えて加味逍遙散になります。紅麹により腎障害でサプリメントが注目を浴びています。漢方薬でも以前アリストキア酸腎症という有害事象が起きて注目を浴びた。今はなくカーヤというメーカーの漢方薬の生薬が普通日本で用いられている生薬と似た名前で違う生薬でアリストロキアサン腎症が阪神淡路大震災の後ぐらいに起った。木通がふつう日本で流通していない別の生薬が漢方エキス製剤に使われてお裏アリストロキア酸腎症は起こった。カーヤは大阪の会社で購読している中医臨床に広告が出ていたので興味があったが使わないでよかった。今は小林製薬株式会社のサプリメントで腎障害食品のそばでもアナフィラキシーで死亡する人もいる。なんでも疑う姿勢は大切だと思います。薬は少なく、私も今は漢方薬は服用しないように心がけています。