遠志と五味子の両方が入っている漢方エキス製剤は人参養栄湯です。あまり弁病のお話は登場しない関西系統中医学講座ですが珍しく関西系統中医学講座の中でフレイルには人参養栄湯がよいとのお話がありました。その理由は遠志と五味子の生薬だそうです。生薬処方Fig10-24で遠志は心陽心気を補い腎気を昇らせて心腎相交を助ける腎の志を益するつまり不眠症・認知症に有効だそうです。更には温性で寒痰を化痰し止咳・消腫の作用を有します。帰経は心肺腎、味は辛苦。心は心臓と神明の二つの意味がありますが心を温め心気を補います。遠志は人参養栄湯に配合されています。五味子はFig⓾-27に記載があるように帰経は腎・肺・心、五味具足、収斂薬に位置し腎を潤し温める。止咳・定喘・下痢や遺尿を解決し肺と腎を納気する。多夢口渇盗汗心気と心陰を補う。肝陰も補う。花粉症に用いる小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯に含まれ温性ながら潤という特性がある。陰液や気を収斂するそうです。五味子は清暑益気湯人参養栄湯清肺湯小青竜湯苓甘姜味辛夏仁湯に配合されています