高齢者の漢方診療

精神科領域の素敵な話を聞きました。演者は島根大学名誉教授慶應義塾大学客員教授の堀口淳先生でした。漢方薬のWEB講演会が増えています。19時30分からあっという間の1時間でした。精神科疾患にはなんでも漢方薬が効くような錯覚に陥りそうなおはなしでした。抑肝散や酸棗仁湯を使って効果を上げているそうです。睡眠薬をやめたい人は多い。皆粘れない、14日以内に結論出す人が多すぎる。スポレキサントでも3月以内にやめることを目標にするそうです。スポレキサントに比べて睡眠薬はPLACEBOでも4割は効く、実薬なら6割効く。ならば漢方薬で粘ろうというお話でした。使ってもスポレキサントまででベンゾはできるだけ使わない。鉄欠乏性むずむず足症候群は多い。効果判定は血清鉄よりもフェリチンで見るようです。今日は大阪から営業所長さん同伴でデファインジェクトの宣伝にお越しいただいた。フェジンの静注が無効でファインジェクトの静脈注射で鉄欠乏性貧血の著効例を経験したためおこしくださった。むずむず足にはプラミペキソールを使うそうです。抑肝散はむずむずの異常知覚ではなく知覚過敏イライラに使うとよい、抑肝散、胃腸障害があれば抑肝散陳皮半夏のほうがよい。帰脾湯や加味帰脾湯も多く処方されているそうです。コロナうつとマスコミがあおる今日この頃。人参養栄湯は精神的気合が入る薬抗うつ薬の力をパワーアップする薬だそうです。披露倦怠なら認知症でも統合失調症でもよい。アルツハイマーとうつ病は鑑別が難しいことがある。鬱は多夢や嗅覚過敏になるアルツハイマーは夢が減って嗅覚障害が起こる。夕暮れ症候群は夕方以降幻視や夜間せん妄になる。錯覚幻覚に伴う不眠に抑肝散がよいそうです。プロナンセリンやクエチアピンと併用するそうです。間接ビリルビンが脳に悪さする。認知症においても高ぶりを抑える抑肝散、活力を持ち上げる人参養栄湯そんなお話で終わりました。アリセプトとメマンチンもこのように使い分けるとよい。20時30分になっても終わらず延長戦、これぞ漢方。メマンチンと抑肝散ではどちらを先にやめるか感情興奮には抑肝散を残すべきである。次回はアレルギー学会の大会長も務められたアレルギーでもご高名な昭和大学の相良博則主任教授です。COPDのお話だそうです。鬱と鉄結合性貧血は完成する。亜鉛はまだまだ分からない、鉄のほうがわかっている。20時30分無事終了しました。参加者数は大変多く2000名以上参加したそうです。